ホテルの集客を強化する方法|OTA・SEO・SNSの優先順位

ホテルの集客で成果を出すには、施策の全体像を把握したうえで、自ホテルの状況に合った優先順位をつけることが重要です。OTA(Online Travel Agent:楽天トラベルやじゃらんなど宿泊予約サイト)の最適化から、SEO・SNS・リスティング広告まで、打てる手は数多くあります。

しかし、すべてを同時に動かそうとすると、リソースが分散して効果が出にくくなります。この記事では、稼働率・売上の改善を目指すホテル経営者・マーケティング担当者向けに、オンライン・オフライン別の集客方法と、取り組むべき順番をわかりやすく解説します。

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目次

ホテル集客が今まさに重要な理由

OTA手数料が収益を年2700万円削る

「集客施策は後回しでいい」——そう考えている間に、競合は着実に予約を積み上げています。インバウンド需要が過去最高を更新し、国内需要も回復基調にある今、集客への投資を先送りにすることは機会損失に直結します。

特に注目すべきは3つの変化です。訪日外国人の急増、OTA(Online Travel Agent:ホテルや旅館の予約仲介サービス)への依存による収益圧迫、そして直販チャネル強化の重要性——これら3軸が重なり、集客施策の優先度はかつてなく高まっています。

このセクションで確認できる3つの理由
  • インバウンド需要が過去最高水準に達し、獲得競争が激化している
  • OTA依存が続くと手数料コストが収益を圧迫し続ける
  • 集客力の強化がブランド価値と長期収益を同時に底上げする

現状:インバウンド需要が過去最高水準に達し、獲得競争が激化している

2024年の訪日外国人数は3,686万9,900人(JNTO推計)と、コロナ禍前の2019年(約3,188万人)を約500万人上回り、年間の過去最高を更新しました。

訪日外国人の宿泊費消費額も急拡大しています。2024年の訪日外国人旅行消費額は約8.1兆円で、うち宿泊費は約2.7兆円(2019年比+93.6%)と費目別で最大です。さらに、2024年10〜12月期の上場ホテル13社の客室単価は平均1万6,289円(前年同期比+17.8%)と全ブランドで前年を上回り、7ブランドは稼働率80%以上を記録しています。 (出典: 日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計東京商工リサーチ「ホテル業界 インバウンド需要と旅行客で絶好調」)

この好調を支える背景のひとつが円安です。2024年は140〜150円台で推移し、米国からの訪日客は2019年同期比+71.1%、豪州は+64.0%と欧米・オセアニアを中心に訪日客が急増しています。需要が旺盛な一方、施設間の客室争奪戦も激化しており、集客力の差がそのまま稼働率の差に直結する状況です。

インバウンド客の消費拡大は国内需要とも相乗効果をもたらしており、今が集客を強化する最大の好機といえます。

課題:OTA依存が続くと手数料コストが収益を圧迫し続ける

国内OTA経由の宿泊者数は全体の約44.9%を占め(日本旅館協会「令和6年度 営業状況等統計調査」)、集客の中核チャネルとなっています。しかしその利便性と引き換えに、コスト面のリスクが経営を圧迫しています。 (出典: 日本旅館協会「令和6年度 営業状況等統計調査」(リロホテルソリューションズ引用))

楽天トラベル・じゃらんnetの基本手数料は8〜10%ですが、ポイント負担・クーポン手数料・販促プログラム参加費を含めると実質15〜20%以上になるケースが大半です。年商2億円・OTA比率90%の施設では、年間約2,700万円が手数料として流出する計算になります(手数料率15%で試算)。

OTA経由比率を70%から40%に改善できれば、年商1億円の施設で年間約450万円の手数料削減につながります。「OTAなしでは集客できない」という依存体質が直販チャネルの育成を遅らせ、長期的な収益性を下げている構造的な課題です。

OTA比率の高い状態を放置すると、集客コストが固定費化し、稼働率が上がっても利益が伸びにくい体質が続きます。

機会:集客力の強化がブランド価値と長期収益を同時に底上げする

リピーターを増やすことは、新規顧客獲得コストを抑えながら安定収益を確保できる、宿泊業界における基本原則です。インバウンド好調・国内需要回復のタイミングで集客施策を整えることで、稼働率と客室単価の両輪を同時に高めやすくなります。

直販比率を高めた施設では「自社サイトからの予約比率が3.5倍に改善」した事例も報告されており、ブランディングと収益改善が連動することが実証されています。OTAに頼らない自社集客の仕組みを今のうちに整えることが、数年後の収益格差を決定づけます。

集客強化を「今」始める理由まとめ
  • 訪日外国人数が過去最高を更新し、需要の取り込み機会が拡大中
  • OTA手数料は実質15〜20%以上になることが多く、放置すると収益を圧迫し続ける
  • 直販比率の改善がブランド価値・リピーター獲得・長期収益に好循環をもたらす

集客施策を選ぶ前に整える3つの戦略ステップ

施策前に必ず踏む3ステップ

「とりあえずOTAに登録した」「SNSを始めてみた」だけでは、稼働率の改善にはつながりません。施策を選ぶ前に、自ホテルの現状把握・ターゲット設定・競合分析の3ステップを済ませることが先決です。

この順番で整えることで、限られた予算と人員を「効果が出る施策」に集中させる判断軸が生まれます。

集客施策を選ぶ前に整える3つの戦略ステップ
  • 自ホテルの強みと弱みを棚卸しする
  • 狙うターゲット層と顧客ニーズを明確にする
  • 競合ホテルの動向を分析する

ステップ1:自ホテルの強みと弱みを棚卸しする

まず取り組むべきは、立地・価格帯・施設スペック・口コミ評価・稼働率を数値で把握することです。「なんとなく強い」という感覚ではなく、データに基づいた現状認識が出発点になります。

具体的には、OTA経由の予約比率・自社直販比率・キャンセル率を可視化し、どこに課題があるかを優先度づけしましょう。観光庁「宿泊旅行統計調査」では全国の稼働率や客室単価の平均値が公表されているため、自館のKPIとの比較に活用できます。

RevPAR(Revenue Per Available Room:1室あたりの収益)は、稼働率と客室単価を掛け合わせた指標です。稼働率だけでなくRevPARを定点観測することで、値引き頼みの集客になっていないかを判断できます。

また、OTA管理画面やGoogleアナリティクスを使い、現在の顧客がどの経路で来館しているかを確認してください。流入経路の偏りが見えてくると、次のターゲット設定が格段にやりやすくなります。

ステップ2:狙うターゲット層と顧客ニーズを明確にする

国内旅行者・インバウンド・ビジネス・ファミリー・カップル・シニアなど、ホテルが想定できる顧客層は多岐にわたります。セグメントを絞らないままSNS・OTA・広告を動かすと、予算と労力が分散して成果が出にくくなります。

インバウンド需要に目を向けると、2024年12月の韓国人訪日客は86万人超と訪日外客の中でも最多水準で推移しています。一方、欧米豪からの旅行者は消費単価が高く、1人あたりの宿泊費支出も高水準です(出典:日本政府観光局(JNTO))。ターゲットとする国籍や層によって、訴求言語・チャネル・プラン設計がすべて変わります。

また、旅行者の宿泊費消費は2019年比で大きく上昇しており、「体験重視」の傾向が強まっています。単なる価格の安さより、地域体験や特典を組み合わせた付加価値提案のほうが刺さりやすい時代です。

ターゲット設定を省略すると「誰にでも刺さりそうな無難な発信」になりがちです。結果として誰にも刺さらず、広告費とSNS運用の工数だけが積み上がるリスクがあります。

ステップ3:競合ホテルの動向を分析する

同エリア・同価格帯の競合がOTAにどのようなプランを掲載しているか、写真のクオリティ・クチコミ数・評点を定期的に確認しましょう。競合の評点が自館より高い場合、その差がどのポイントで生じているかを口コミのテキストから読み取ることができます。

Googleマップで「地域名+ホテル」と検索したときに表示されるローカルパック(上位3枠)に自館が入れているかどうかも確認ポイントです。このMEO(マップエンジン最適化)の順位は、オンライン集客に直結します。

競合の強み(設備・限定プラン・SNS発信力)を把握したうえで、自館が差別化できるポイントを抽出してください。稼働率の高い競合ホテルは、繁忙期に先行して「先着限定プラン」などを打ち出す傾向があります。タイミング戦略の参考として、競合のプラン公開スケジュールも観察しておくと役立ちます。

3ステップで整えること:まとめ
  • 立地・稼働率・RevPARなどのKPIを数値で把握している
  • OTA経由・自社直販の比率と流入経路を可視化している
  • ターゲット顧客のセグメントと訴求軸が言語化されている
  • 同エリア競合のOTA掲載内容・口コミ評点を定期モニタリングしている
  • Googleマップのローカルパックで自館の表示順位を確認している

集客チャネル別の施策

オンライン集客8施策を一覧する

「どの施策から始めればいいかわからない」というホテル担当者のために、オンライン・オフラインのチャネルごとに集客施策を体系的に整理しました。各施策の概要・効果・始め方を押さえ、自社の状況に合った手法をすぐに実行できる形でご紹介します。

オンライン集客方法8選

主要8つのオンライン集客施策を体系的に整理しました。

ホテルのオンライン集客方法8選
  • OTA(ホテル予約サイト)への掲載とプロフィール最適化
  • 海外OTA・多言語対応によるインバウンド集客
  • Googleビジネスプロフィールの活用(MEO対策)
  • 自社サイトのSEO対策と予約導線の最適化
  • Instagram・TikTok・X(旧Twitter)のSNS運用
  • LINE公式アカウントによるリピーター育成
  • Web広告(リスティング・ディスプレイ)の運用
  • プレスリリース・旅行メディア・インフルエンサー活用

①OTA(ホテル予約サイト)への掲載とプロフィール最適化

楽天トラベル・じゃらんnetなどのOTA(Online Travel Agent、オンライン旅行代理店)経由の宿泊者比率は約44.9%に上ります。OTAは宿泊集客の主軸チャネルであり、掲載しているだけでは不十分で「掲載の質」を高めることが収益直結の優先課題です。

検索順位と予約転換率(CVR:閲覧数に対する予約完了率)に直接影響する要素は次のとおりです。

  • 客室・料理・施設の写真点数と画質
  • プラン説明文の具体性・魅力訴求
  • 設備情報(Wi-Fi・駐車場・食事形態など)の充実度
  • 口コミへのオーナー返信の有無と丁寧さ

ランクアッププログラムや特集掲載への参加は露出増に効果的です。ただし追加手数料が発生するケースもあるため、費用対効果を確認しながら参加を判断してください。OTA管理画面のインサイト(流入数・閲覧数・CVR)を定期的にチェックし、PDCAを回すことが安定した集客につながります。

②海外OTA・多言語対応によるインバウンド集客

Booking.com・Expedia・AgodaなどのグローバルOTAは、欧米豪・東南アジアからの訪日客集客に欠かせないチャネルです。2024年のインバウンド消費額のうち宿泊費は最大費目の約2.7兆円を占めており、インバウンド需要を取り込めるかどうかが収益に大きく影響します。

まず取り組むべきは、英語・中国語・韓国語でのプロフィール・プラン説明の整備です。翻訳ツールを活用してよいですが、不自然な表現は予約離脱の原因になるため、ネイティブチェックを推奨します。

また、トリップアドバイザーへの施設登録と口コミ対応は外国人旅行者の意思決定に強く影響します。OTAへの登録情報には次のインバウンド向け属性も漏れなく入力してください。

  • Wi-Fi・クレジットカード対応
  • ハラール対応・アレルゲン表示
  • 多言語スタッフの有無
  • キャッシュレス決済への対応状況

③Googleビジネスプロフィールの活用(MEO対策)

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は無料で利用でき、「地域名+ホテル」で検索した際に上位3枠(ローカルパック)に表示される強力な集客接点です。宿泊業には他業種にない専用UI「ホテルの詳細」が用意されており、インターネット・食事・プール・ウェルネスなど11カテゴリ・数百項目の設備情報を登録できます。

Google公式データでは、写真が充実しているビジネスはルート検索が42%多く、Webサイトへのクリックが35%多いとされています。客室・料理・ロビーなど多様な写真を定期的に追加することが基本施策です。

MEOのランキング要素はGoogleが「関連性・距離・知名度」の3つを示しています。まずNAP(施設名・住所・電話番号)をWebサイト・OTA・SNSすべてで統一することを確認してください。また、口コミ数・評点・オーナー返信の有無も上位表示に影響します。誠実な返信は他の閲覧者の印象向上にもつながります。

ホテル業ではローカルパック内でOTA各社との料金比較も表示されます。自社予約サイトへのリンクを設定しておくと、OTA手数料を削減する直接予約獲得にも機能します。

(出典: Googleビジネスプロフィール公式「ホテルの詳細を管理する」)

④自社サイトのSEO対策と予約導線の最適化

自社サイトへのオーガニック流入(検索エンジン経由の無料集客)を増やすことで、OTA手数料に依存しない収益構造を作れます。「〇〇(地名)ホテル おすすめ」「ビジネスホテル △△駅」など、ユーザーの検索意図に対応したキーワードを盛り込んだコンテンツを整備することが出発点です。

技術面では、ページ表示速度・スマートフォン対応・Core Web Vitals(コアウェブバイタル:Googleが定めるユーザー体験の品質指標)の改善が検索順位の維持に必要です。予約ボタン(CTA)を目立つ位置に配置し、OTA比較前に直接予約へ誘導する導線設計も同時に行いましょう。

コンテンツ面では、周辺観光情報・季節プラン紹介などのブログ・特集記事がロングテール検索(検索ボリュームが少ない具体的なキーワード)からの流入増に有効です。直予約優遇特典(最低価格保証・ウェルカムドリンク・チェックアウト延長など)を明示してOTAからの乗り換えを促す施策と組み合わせると効果的です。

(出典: Google Search Central(SEO公式ガイドライン))

⑤Instagram・TikTok・X(旧Twitter)のSNS運用

Instagramは旅行・宿泊体験の「ビジュアル検索エンジン」としても機能しています。客室・料理・周辺景観の高品質写真・動画で「泊まってみたい」という感情を醸成することが予約への第一歩です。ハッシュタグ(#旅行 #ホテルステイ #地名 など)を設計することで、検索流入も増やせます。

TikTokは10〜30代を中心に旅行先・ホテルの発見チャネルとして急成長しています。短尺動画で非日常感を演出する施策が若年層の認知獲得に有効です。X(旧Twitter)はキャンペーン・空室速報・期間限定プランのリアルタイム告知に向いており、拡散力を活かした認知拡大が狙えます。

SNS運用を継続するには、次の体制を整えることが重要です。

  • 担当者を明確にアサインし、投稿頻度の目安を決める
  • UGC(ゲスト投稿の引用・活用)のルールを事前に定める
  • インサイト(リーチ・エンゲージメント率)を月次で確認する

⑥LINE公式アカウントによるリピーター育成

LINEは国内で月間9,600万人以上が利用するコミュニケーションインフラです。メールマガジンより開封率が高く、ホテルが顧客と直接接点を持てる強力なツールです。LINE公式アカウントは無料で開設でき、友だち登録者へのクーポン配信・限定プラン告知でOTAを経由しない直接予約へ誘導できます。

リッチメニューに自社予約フォームへのリンクを設置することで、LINEから完結する予約体験を実現でき、直予約比率を高める効果があります。また、セグメント配信(リピーター専用・誕生日月・閑散期ターゲットなど)でOne-to-Oneコミュニケーションを実現し、ロイヤルティを高めることが可能です。

ステップ配信も活用することを推奨します。チェックイン前のリマインド・チェックアウト後のアンケート自動配信など、宿泊体験の前後をカバーすることで満足度の向上とリピート予約の獲得につなげられます。

⑦Web広告(リスティング・ディスプレイ)の運用

Google広告のリスティング(検索連動型広告)は「〇〇ホテル 予約」など購買意図の高いキーワードで即効性が高く、OTAより先に自社サイトを表示させる手段として有効です。Googleホテル広告(メタサーチ)に自社サイトの空室・料金を掲載すると、OTA料金と並列比較表示されて直予約獲得につながります。

Meta(Instagram・Facebook)広告は、過去の宿泊者や類似オーディエンスへのリターゲティング(一度接触したユーザーへの再アプローチ)でリピーター開拓に活用できます。閑散期・平日など稼働率が低い時期に広告予算を集中させる時期連動戦略が、費用対効果を高めるポイントです。

運用時はROAS(Return On Advertising Spend:広告費用対効果)を設定し、クリエイティブのA/Bテスト(複数パターンを比較検証する手法)を継続して改善サイクルを維持してください。広告予算が限られる場合は、まずリスティング広告から始めることを推奨します。

⑧プレスリリース・旅行メディア・インフルエンサー活用

新プラン・施設改装・受賞などのニュースをプレスリリースで配信すると、旅行メディアへの掲載獲得を狙えます。掲載されることでSEO的な権威性(被リンク)と認知を同時に獲得できる点がメリットです。じゃらんnet特集・るるぶ・LINEトラベルなどへの掲載交渉も同様に有効です。

インフルエンサー活用では、フォロワー1万〜10万規模のマイクロインフルエンサーが大手より費用対効果が高いとされています。ターゲット層と一致するジャンル(旅行・グルメ・ライフスタイルなど)のインフルエンサーを選ぶことが成果につながる基本です。

インバウンド向けには在日外国人インフルエンサーや海外YouTuberの活用が、訪日客への認知拡大に有効です。依頼時は宿泊体験の提供(無料招待)と引き換えに投稿を依頼するモデルが一般的ですが、PR表記のルールを事前に確認し適切に開示することも忘れずに行ってください。

オンライン集客8施策のまとめ
  • OTAは「掲載の質」を高めてCVRを改善する
  • グローバルOTAと多言語対応でインバウンド需要を取り込む
  • Googleビジネスプロフィールを無料で最大活用する
  • 自社サイトSEOで直予約比率を高める
  • SNS運用で「泊まってみたい」感を継続的に醸成する
  • LINE公式アカウントでリピーター育成と直予約促進を図る
  • Web広告は閑散期・稼働率が低い時期に予算を集中させる
  • プレスリリース・インフルエンサーで認知と権威性を同時に獲得する

オフライン集客方法4選

オンライン施策だけでは、シニア層・地域住民・企業の出張担当者といった層には届きにくい場面があります。オフライン施策はこうした層へのリーチに有効であり、オンラインと組み合わせることで相乗効果も期待できます。

ホテルのオフライン集客方法4選
  • 地域・観光協会との連携・コラボ企画
  • 旅行情報誌・地元紙・観光案内所への掲載・設置
  • ダイレクトメール・のぼり・看板の活用
  • 地元企業とのコラボプラン開発

①地域・観光協会との連携・コラボ企画

地元の観光協会・DMO(地域の観光マネジメント組織)・商工会議所と連携することで、観光案内所やエリア公式サイトへの施設掲載が実現できます。これだけで、情報収集段階の旅行者に自然な形で接触できます。

地域の祭り・スポーツ合宿・大型イベントと連携した「会場近隣宿泊プラン」の共同制作は、互いの集客力を活かせる取り組みです。単独では難しい露出も、地域一体の発信であれば広いリーチが見込めます。

また、観光庁が推進するDMO政策と連携することで、補助金・助成金を活用できるケースもあります。最新の制度は観光庁公式サイトでご確認ください。

補助金の要件や公募時期は年度によって変わります。早めに観光庁や地域のDMO窓口へ問い合わせることをおすすめします。

②旅行情報誌・地元紙・観光案内所への掲載・設置

るるぶ・まっぷる・ことりっぷといった旅行ガイドブックへの掲載は、認知度向上だけでなく「掲載されている宿」としての信頼感を付加する効果があります。特に旅慣れていない層や、紙媒体で情報を集める層に有効です。

地元紙やフリーペーパーへのプレスリリース・広告掲載は、近隣住民や地元企業の担当者へのアプローチに適しています。ビジネス利用や社員研修の受け皿として認知される機会にもなります。

さらに、駅・空港・道の駅・サービスエリアの観光案内所にパンフレットやクーポンを設置することで、通過中の旅行者を取り込むことができます。設置場所ごとに来訪者の特性が異なるため、配布物の内容も合わせて調整すると効果的です。

③ダイレクトメール・のぼり・看板の活用

既存顧客リストへのDM(ダイレクトメール)は、メールと異なり「紙の手紙」として手元に残る存在感があります。シニア層やリピーター向けの季節プランや会員限定特典の告知に向いており、関係性を維持する手段としても機能します。

施設周辺道路や最寄り駅・繁華街への看板・のぼりは、通行者への認知獲得に効果的です。リニューアルや新プランを訴求する際に、短期集中で設置するのも一つの方法です。

DM・チラシ・看板にQRコードを掲載して予約ページへ誘導するO2O設計を取り入れると、オフライン接点からオンライン予約へスムーズにつなげられます。

④地元企業とのコラボプラン開発

地元レストラン・体験施設・バス・タクシー会社などとの連携で「宿泊+体験」セットプランを造成することで、宿泊単体では生まれない付加価値を提供できます。旅行者にとっての選ぶ理由が増え、競合との差別化にもつながります。

近隣の大学・企業・学会と連携した「研修合宿プラン」「ビジネス利用プラン」は、平日や閑散期の稼働率改善に直結します。法人担当者に直接提案できる営業アプローチと組み合わせると効果的です。

また、地元特産品のアメニティ採用や朝食への地場食材活用は「地域らしさ」の差別化ポイントになります。こうした取り組みは宿泊者の口コミやSNS投稿を通じて自然に拡散されやすく、オンライン集客への波及効果も期待できます。

オフライン集客のポイントまとめ
  • 観光協会・DMOとの連携で情報発信の範囲を広げる
  • 旅行誌・地元紙・案内所を活用してリーチ層を分散させる
  • DMや看板にQRコードを入れてオンライン予約へ橋渡しする
  • 地元企業との連携プランで平日・閑散期の稼働率を底上げする

独自企画で集客力を高めるアイデア

施策の「量」を増やすだけでは、競合ホテルとの差はつきません。重要なのは「独自性」——自ホテルにしかできない体験や価値を言語化することです。ここではターゲット特化型・設備差別化・非宿泊需要・季節対策の4軸で、すぐに検討できるアイデアを整理します。

差別化で集客力を高める4つのアプローチ
  • ターゲット特化型パッケージプランの設計
  • 施設・設備による体験価値の差別化
  • デイユース・イベント・婚礼など非宿泊需要の開拓
  • 季節イベント・地域連携による閑散期対策

ターゲット特化型パッケージプランの設計

「誰でも歓迎」のプランより、「この人のためのプラン」のほうが予約転換率(CVR:閲覧から予約に至る割合)が上がりやすい傾向があります。ターゲットを絞ったプランはOTAの検索フィルターにも引っかかりやすく、検索から予約までの導線が短くなるメリットもあります。

観光庁が2022年に実施した調査(企業約600社・従業員約2,000人対象)では、ワーケーション(仕事と旅を組み合わせた滞在形態)の認知は広がっているものの、実際の利用率はまだ限定的です。高速Wi-Fi・個室ワークスペース・電源完備を明示することで、他施設との差別化が明確になります。

「ご褒美旅行」「女子旅」「記念日プラン」など感情に訴えるプランは、SNSでシェアされやすく拡散効果が期待できます。ウェルネス(スパ・ヨガ・サウナ・食事療法)を軸にしたパッケージは客室単価を引き上げやすく、インバウンド富裕層にも訴求しやすい切り口です。

プランごとのCVR(予約転換率)はOTAの管理画面で確認できます。データを見ながら訴求軸を絞り込むと改善サイクルが回しやすくなります。

サウナ・グランピング・趣味特化など施設・設備による差別化

施設の「体験価値」を高める設備投資は、客室単価の向上に直結します。サウナ・露天風呂・プライベートプール付き客室は「この宿でしか味わえない」という動機をつくり出し、価格競争から抜け出す足がかりになります。

グランピング・コテージ・ドームテントといったアウトドア型宿泊は、これまでキャンプ経験者やファミリー層にリーチできなかったホテルが新規ユーザーを取り込める施策として注目されています。既存の敷地を活かせる場合は比較的低コストで導入できる点も魅力です。

「ペット同伴可」「自転車持込可」「楽器演奏可」といったニッチな許容範囲の拡大は、ロングテール需要(検索数は少ないが購買意欲が高い層)を掘り起こします。さらに設備の個性は「写真映え」にも直結し、InstagramやTikTokで自然に拡散されるため、広告費を抑えた認知拡大も期待できます。

設備の差別化はSNS上のUGC(ユーザー生成コンテンツ)を生みやすく、口コミ経由の集客と相乗効果を発揮します。

デイユース・ビジネスイベント・結婚式など宿泊以外の需要を開拓する

宿泊稼働率を上げるだけでなく、非宿泊需要を開拓することで平日・閑散期の収益を底上げできます。デイユース(日帰り利用)はテレワーク需要の定着とともに「日中のみの客室利用」プランとして継続的な需要があります。空き時間帯の有効活用として即効性が高い施策です。

宴会場・会議室を活用した企業研修・セミナー・学会・懇親会の誘致は、1件あたりの売上単価が高く、担当者経由でリピート利用につながりやすいのも特長です。法人営業と組み合わせると安定した受注を見込めます。

結婚式・フォトウェディング・成人式・送別会といった「ハレの日需要」を施設に取り込み、来館者に宿泊予約を促す動線を設けることも有効です。非宿泊事業をきっかけとした宿泊予約への誘導を仕組みとして設計しておくと、客単価と稼働率の両方を改善できます。

季節イベント・地域連携型プランで閑散期の稼働率を上げる

閑散期(平日・梅雨・真冬など)は、「旅の目的」をホテル側が意図的につくり出すことが稼働率改善の鍵になります。限定プランを造成してOTA・SNS・LINE配信に集中投下することで、予約を前倒しで獲得できます。

地元の花見・紅葉・花火・マラソン大会などシーズンイベントと連携したプランは、旅行者の「行く理由」を補強します。地域の観光協会や飲食店との共同企画にすることで、互いの顧客リストを活用したクロス送客も実現しやすくなります。

さらに「早割30・60・90日前割引」などレベニューマネジメント(需要予測に基づく価格最適化)的な価格設定と組み合わせると、閑散期でも稼働率をコントロールしやすくなります。価格と企画の両輪で閑散期対策を設計するのが効果的です。

差別化アイデアを選ぶときの視点
  • 既存の設備・強みを活かせるプランか
  • ターゲットが明確でOTA検索に引っかかるか
  • SNSで拡散される「絵」になるか
  • 平日・閑散期の稼働率改善につながるか
  • 非宿泊需要から宿泊予約への導線があるか

直販強化で収益を最大化する施策

直予約を増やす3施策の流れ

OTAへの掲載は集客手段として有効ですが、予約のたびに15〜20%以上の手数料が発生します。稼働率が高まるほど手数料コストも膨らむため、直予約(自社サイト経由)の比率を高めることが、収益を本質的に改善する鍵です。このセクションでは、直予約を増やす仕組みづくりに特化した3つの施策を解説します。

直販強化の3つの施策
  • 自社予約システム(ブッキングエンジン)の導入で手数料を削減する
  • 顧客データを活用したメール・LINEマーケティングの実践
  • レベニューマネジメントで料金戦略を最適化する

自社予約システム(ブッキングエンジン)の導入で手数料を削減する

自社サイトにブッキングエンジンを導入すると、OTAを介さずに予約を受け付けられるようになります。OTA手数料は1予約あたり実質15〜20%以上かかるケースが多く、直予約に切り替えるだけでその分がそのまま利益に残ります。

直予約を促す基本ルールが「最低価格保証(ベストレート保証)」の明示です。自社サイトの料金がOTAより高くならないよう徹底することで、宿泊者が「公式サイトで予約するのが一番お得」と判断しやすくなります。

さらに、Googleビジネスプロフィールの予約リンクにブッキングエンジンを連携させると、Google検索結果から直接自社予約ページへ誘導できます。検索ユーザーがOTAを経由する前にキャッチできるため、手数料削減に直結します。

国内主要のブッキングエンジン(TL-Lincoln・temairazu・各宿泊予約エンジン)は機能・月額費用が異なります。自社の規模・PMS連携の有無を確認したうえで、各社公式サイトで比較検討してください。

顧客データを活用したメール・LINEマーケティングの実践

一度利用してくれた宿泊者へのアプローチは、新規集客より費用対効果が高い傾向があります。宿泊履歴や属性情報をCRM(顧客管理システム)で管理し、セグメント別に最適なメッセージを届けることがリピート直予約の増加につながります。

特に効果的なのがLINEを活用したシナリオ配信です。チェックアウト後に「次回ご利用時のLINE限定クーポン」を自動送信する仕組みを組むと、タイミングよく再来店を促せます。LINEはメールマガジンと比べて開封率が高く、ダイレクトに顧客へ届けられる点が強みです。

対象セグメントの例としては以下のような切り口が有効です。

  • 過去の宿泊者(初回・複数回利用者を分けて訴求)
  • 誕生日月の顧客(バースデー特典での再来)
  • 高単価プラン利用者(アップグレード提案)
  • 閑散期に絞った限定プラン対象者

顧客データの収集・利用には個人情報保護法への準拠が必要です。取得目的の明示・適切な同意取得・安全管理措置を整備してから運用を開始してください。

レベニューマネジメントで料金戦略を最適化する

需要予測に基づいて客室単価を動的に調整する「ダイナミックプライシング」は、収益最大化の基本戦略です。繁忙期は単価を引き上げ、閑散期は早割・特価プランで稼働率を確保することで、年間を通じた収益の底上げが可能になります。

この戦略の有効性はデータでも裏付けられています。上場ホテル13社の2024年10〜12月期の客室単価は平均1万6,289円で、前年同期比+17.8%の大幅上昇を記録しました。適切な料金設定が収益に直結することを示す好例です。(出典: 東京商工リサーチ「ホテル業界 インバウンド需要と旅行客で絶好調」)

OTA複数チャネルの料金・在庫を一元管理するには、サイトコントローラーの導入が有効です。チャネルをまたいだ料金の矛盾(レートパリティ違反)を防ぎ、管理工数も削減できます。

SiteMinder・Cloudbeds等のレベニューマネジメントツールは、連携できるOTA数・PMS対応状況・月額費用が異なります。導入前に各社公式サイトで自社規模に合うプランを確認することをおすすめします。

直販強化のポイントまとめ
  • ブッキングエンジン導入でOTA手数料(15〜20%以上)をカット
  • ベストレート保証の明示で「自社サイトが最安」を訴求
  • Googleビジネスプロフィールと予約リンクを連携してOTA前に捕捉
  • CRM+LINEで過去宿泊者にセグメント別リピート訴求
  • ダイナミックプライシングで繁閑に合わせた単価最適化

状況別・予算別の施策の選び方

集客施策は多岐にわたるため、「何から手をつければいいかわからない」という声は少なくありません。全部やる必要はなく、まず自分のホテルの課題に合う施策を1〜2本に絞ることが重要です。ここでは状況軸と予算軸の2軸で、優先すべき施策を整理します。

自社予約を増やしたい場合に優先する施策

OTAへの手数料負担を減らしながら収益を改善するには、直予約の入口を整えることが先決です。まずは無料でできる基盤づくりから着手しましょう。

  • Googleビジネスプロフィール(MEO対策)の整備:無料で始められ、検索からの直予約流入を増やす最初の一手
  • 自社サイトへのブッキングエンジン導入+最低価格保証の明示:直予約の受け皿を作る
  • LINE公式アカウントで既存顧客に限定クーポン配信:リピーターの自社予約率を高める
  • Googleホテル広告(メタサーチ)への自社レート掲載:OTAと同じ画面に自社を並列表示させる

ブッキングエンジンとは、自社サイト上で宿泊予約を完結させるシステムです。OTAを介さないため手数料が発生しません。

閑散期・平日の空室を即効で埋めたい場合の施策

空室が続く閑散期は、スピードが命です。効果が出るまでに時間のかかるSEOより、掲載翌日〜数日で予約獲得が見込める即効施策を優先しましょう。

  • OTAの特集・タイムセール機能を活用した短期集中プロモーション
  • LINE配信で友だちリスト宛に「今週限定プラン」を告知し、既存接点への直接訴求でコストを抑える
  • Google・Meta広告のリターゲティング(過去にサイトを訪問した購買意向が高い層へ再アプローチ)
  • デイユース・日帰り温泉など非宿泊プランで空き時間帯の客室稼働率を補完する

リターゲティング広告は購買意向の高い層に絞って配信できるため、費用対効果(CPA=1件の予約獲得あたりの広告費)を抑えやすい反面、配信対象が少ない施設では母数不足になることがあります。自社サイトの月間訪問者数が少ない場合はOTAの即売機能から先に試すのが現実的です。

インバウンド集客を始めたい場合の最初の一手

訪日外国人旅行者の消費額は年々拡大しており、宿泊費はその最大費目を占めます。インバウンド集客では、外国人旅行者が実際に使う検索・予約・口コミのチャネルを押さえることが重要です。

  • Googleビジネスプロフィールの多言語設定(英語)の整備:外国人旅行者のゼロクリック集客の起点になる
  • Booking.com・Expedia・AgodaなどグローバルOTAへの掲載・プロフィールの多言語化
  • InstagramやTikTokの英語・多言語発信:ビジュアル重視の外国人旅行者への認知を広げる
  • トリップアドバイザーへの登録と口コミ対応:外国人旅行者が特に重視する口コミプラットフォームとして押さえる

Googleビジネスプロフィールは多言語設定が無料でできます。英語での施設説明・写真・Q&Aを整えるだけでも、外国人旅行者からの認知度は大きく変わります。

予算規模別の集客チャネル優先順位

どの予算帯においても、Googleビジネスプロフィールの整備は最優先の共通事項です。無料かつ効果が高い基盤として、すべての施策の土台になります。その上で、予算に応じて次の施策を積み上げていきましょう。

予算帯優先チャネル
低予算
月5万円以下
Googleビジネスプロフィール整備(無料)→OTAプロフィール最適化(手数料型)→LINE公式アカウント開設(基本無料)→SNS自社運用
中予算
月5〜30万円
上記に加え、Google・Meta広告(リスティング・リターゲティング)→SEO記事制作→プレスリリース配信
高予算
月30万円以上
上記に加え、Googleホテル広告(メタサーチ)→インフルエンサー施策→旅行メディア有料掲載→レベニューマネジメントシステム導入

レベニューマネジメントシステムとは、需要予測をもとに客室単価を自動最適化するツールです。高予算帯で稼働率と収益を同時に改善したい場合に有効です。

状況別・予算別の施策選びのポイント
  • まず「自社予約強化」「空室即時補填」「インバウンド」のどれが最優先課題かを決める
  • 予算帯に関わらず、Googleビジネスプロフィール整備を最初の一手にする
  • 閑散期の即効対策はOTAタイムセールとLINE配信が費用対効果が高い
  • インバウンドはグローバルOTAとトリップアドバイザーの登録から着手する
  • 施策は絞って実行し、効果を測ってから次の施策に進む

ホテル集客に関するよくある質問

以下のFAQは、FAQスキーマ(構造化データ)に対応した形式で記述しています。適切にマークアップを実装することで、Googleのリッチリザルトに表示される可能性があります。

Qホテル集客で最初に取り組むべき施策は何ですか?

A無料で始められるGoogleビジネスプロフィールの整備が最優先です。写真・基本情報・口コミへの返信を整えるだけで、MEO(マップ検索エンジン最適化)の効果が期待できます。

次に、OTAの写真・プロフィール・プラン説明の最適化を行いましょう。新しいチャネルを増やす前に、既存チャネルの「質」を高める順序が、費用対効果を高めやすい進め方です。

Qビジネスホテルと観光ホテルで集客方法は変わりますか?

A訴求軸が異なるため、注力する施策も変わります。ビジネスホテルは「駅近・Wi-Fi・出張対応プラン」の訴求が中心で、法人契約・ビジネス特化型OTA・出張関連のGoogle広告が有効です。

観光ホテルは「体験・写真映え・季節感・地域連携」が軸になります。Instagram・TikTok・旅行メディアへの掲載・インフルエンサー活用が効果を発揮しやすいです。

一方、Googleビジネスプロフィールの整備・OTA最適化・LINE公式アカウント活用は、どちらの業態にも共通して有効な施策です。

Q閑散期・平日の集客を増やすにはどうすればよいですか?

AまずOTAのタイムセール・特集機能を使った即効型プロモーションを活用し、次にLINE公式アカウントで既存の友だちへ直接告知する流れが効果的です。デイユースプランで空き時間帯を埋める施策も合わせて検討しましょう。

「早割60日・90日前割引」などの先行予約価格設定も有効です。レベニューマネジメント(需要予測に基づく価格最適化)の考え方で、閑散期の需要を前倒しで獲得できます。

また、地域の花見・花火・地元祭りに合わせた限定プランで「旅の目的」を創出し、新たな需要を生み出すアプローチも効果的です。

QOTAに頼らず自社集客を増やすにはどうすればいいですか?

A直予約の受け皿となるブッキングエンジンと最低価格保証を整備し、Googleビジネスプロフィール・LINE・SEOで自社サイトへの誘導を強化するのが基本の流れです。

ただし、OTAを完全になくすのではなく「OTA比率を下げて直販比率を上げる」段階的アプローチが現実的です。OTAを新規顧客の発見窓口として活かしながら、直販でリピーターを囲い込むハイブリッド戦略が推奨されます。

宿泊者をLINE公式アカウントの友だちに誘導し、次回は直予約へ案内するサイクルを作ることが、直販比率を高める定番手法です。

Q旅館と共通して使えるホテル集客のアイデアはありますか?

AGoogleビジネスプロフィールの整備・OTA掲載の最適化・LINE公式アカウント活用・Instagramでの情報発信は、旅館・ホテルを問わず効果が見込める集客施策です。

旅館固有の強みである温泉・日本食・和室体験は、インバウンド訴求との相性が特に良く、多言語コンテンツの整備やBooking.comなどグローバルOTAへの掲載が有効です。

また、デイユース(日帰り温泉・ランチプラン)は旅館でも宿泊外の需要を開拓しやすく、平日・閑散期の収益補完として活用しやすい施策です。

まとめ:オンライン×オフライン×直販の三輪でホテル集客を最大化する

2024年の訪日外国人数は約3,687万人と過去最高を更新し、宿泊費消費も急拡大しています。今まさに集客強化への投資が最も報われる時期です。この追い風を自社の収益につなげるには、施策をバラバラに打つのではなく、「三輪の構造」として束ねることが重要です。(出典: 日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計

OTA(Online Travel Agent)経由の予約は全体の約半数を占める一方、手数料は15〜20%以上になるケースも珍しくありません。OTAに頼りきった集客は、稼働率が上がっても利益が伸びにくい構造を生みます。自社への直予約比率を高めることが、収益改善の本質的な鍵です。

三輪の役割を整理すると、次のようになります。オンライン集客でまず「見つけてもらう母数」を広げ、直販強化で「自社チャネルへの転換」を促し、オフライン集客で「地域・リピーター接触」を多層化する。この三つが噛み合ったとき、特定チャネルへの依存リスクが下がり、安定した収益構造が生まれます。

三輪それぞれの主な施策
  • Google・OTA・SEO・SNSで露出を最大化
  • ブッキングエンジン・LINE活用で自社予約転換
  • 観光協会・企業連携・DMで地域接点確保

施策を始める前に、まず手をつけるべきことは一つです。Googleビジネスプロフィールの整備とOTAプロフィールの写真・プラン最適化は、コストゼロで今日から着手できます。この基盤を整えてから、有料広告・直販強化・オフライン施策へと順次拡張していくのが、費用対効果の高い進め方です。(参考: Googleビジネスプロフィール 公式

施策を実施したあとは、KPIの定点観測が欠かせません。稼働率・客室単価・チャネル別予約数・直予約比率を継続的に追い、数字の変化を見ながら次の打ち手を決めるPDCAサイクルが、長期的な収益向上を支えます。(参考: 観光庁 宿泊旅行統計調査

今日から動くための最初の一手
  • Googleビジネスプロフィールにログインし、写真・営業情報・口コミへの返信状況を確認する
  • 主要OTAのプロフィールを開き、写真の品質とプラン説明を最新状態に更新する
  • 稼働率・直予約比率など現状のKPIを記録し、施策前のベースラインを設定する

三輪の構造は、どれか一つを完璧に仕上げてから次へ進む必要はありません。小さく始めて数字を見ながら改善を重ねることが、ホテル集客を着実に強化する最短ルートです。

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