メルマガは、20年前から普及し現在もなお、活用されている情報配信の方法です。
最近ではいろんなパターンのメルマガが出ていますが、ユーザーにクリックされるのはそう簡単ではありません。
また、毎回メルマガ内容を考えるのは大きな負担です。しかし、メルマガテンプレートがあればその心配はありません。
そこで今回は、クリックされるメルマガテンプレートの作り方を解説します。後半ではおしゃれな無料テンプレサイトを6つご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
これで負担だったメルマガ作成が簡単に済んで、他の業務に集中できますよ。
メルマガの基本構成は?
メルマガとは、メールマガジンの略で、企業などが定期的に顧客へ情報を発信するメールのことです。メルマガには「テキスト」と「HTML」の2つの形式があります。
テキストは、文字のみで構成されたメルマガです。
【メリット】
- 受信する環境を選ばない
- 専門知識がいらない
【デメリット】
- 文字だけでインパクトに欠ける
- メールの開封率・クリック率が測定できない
HTMLは、画像や動画を使ったり、文字の色を変えたりできるメルマガです。
【メリット】
- 視覚的にインパクトがある
- メールの開封率・クリック率が測定できる
【デメリット】
- 専門知識が必要
- 容量が重くなる
- 受信する側のメールソフトによって表示されない
最近では、視覚的なメリットと測定できることを理由にHTML形式のメルマガが人気です。知識がなくても簡単にHTMLメルマガを作成できるメール配信ソフトも増えています。
ただし、どんな形式のメルマガを作るにせよ、基本構成は抑えておく必要があります。
ここからは、メルマガの基本構成と作り方のポイントを紹介します。
タイトル(件名)
はじめに考えるのは、タイトル(件名)です。
ユーザーが最初に目にする部分なので、開封したくなる魅力的なタイトルが必要です。
ユーザーは1日に何通ものメルマガを受信するため、埋もれないように一瞬で理解できるようなもの、かつインパクトのあるタイトルを考えます。
以下のポイントを参考に開封したくなるタイトルを考えましょう。
- 文字数は20〜30字程度
- 締切日や限定という言葉で緊急性を出す
- 具体的な数字や内容を入れる
- ユーザーに役立つ情報だとアピールする
スマホユーザーが多いことを考えて、文字数は長すぎないようにしましょう。無駄な内容は削除してまとめる、知らせたい情報を文頭に持ってくるなどの工夫が必要です。
締切日や限定という言葉を入れると、メルマガに緊急性が出て早く開封してもらいやすくなります。
また、具体的な数字や内容を入れるとユーザーの目に止まりやすくなります。例えば「50%OFFクーポン配布!」「〇〇市に住んでいる方必見!」などです。
それに加えて、ユーザーに役立つ情報をアピールすると開封率が高くなるでしょう。
例えば「家を売りたいあなたにお得な情報…」など、ユーザーが自分にとって役に立ちそうだと感じられる内容を強調します。
ヘッダー・リード文
ヘッダー・リード文はメルマガを開封した時に最初に目に入る文章です。
以下のポイントを参考にして作成しましょう。
- 結論から書き、簡潔な文章にする
- 宛名を入れる
- 会社ロゴを入れる
最初からダラダラと長い文章が続くと、メルマガの離脱率が高くなってしまいます。このメルマガには何が書かれているのか、結論から書き出し、さらに簡潔にまとめましょう。
文頭に「〇〇を利用中の〇〇様」のように宛名を入れることも効果的です。自分の名前を呼びかけられたような親近感が湧き、ユーザーにとって特別感が出ます。
また、HTML形式で会社のロゴを入れると一目でどこからのメルマガか把握できるため、安心して読み進められるでしょう。
見出し・本文
見出しはメルマガ内容を表した短い文章です。
タイトル以上に簡潔に、一目で内容が理解できるように書きます。キャッチコピーのように目を引く内容にしてもいいでしょう。
HTML形式なら目立つようにフォントを変える、文字に色をつける、画像と組み合わせるなどの装飾を行うとより効果的です。
本文はメルマガの中で、より具体的な内容が記される部分です。
タイトルや導入文に反応したユーザーが購入に向けて読み進める大切な部分なので、読んでいて購買意欲がそそられるように工夫しましょう。
以下のポイントを参考にしてください。
- 短い文章にする
- 改行して余白を入れる
- 画像を入れる
- 画像サイズは統一する
- 画像は整理して配置する
- 見やすいように装飾する
メルマガはじっくり読むより、流し読みする場合が多いです。1文が長い文章よりも短い文章のほうがユーザーにとって読みやすいでしょう。目安は1文40〜60字以内を心がけます。
また、改行して余白を入れることも大切です。長い文章を読まなくなっている現代では、詰まっている文章だと読む気が失せてしまい、離脱率が高くなります。
HTML形式の場合、わかりやすい画像を入れるなどの工夫をしましょう。その際は、画像サイズは統一する、整理して配置するなど、見やすさに考慮します。
他にも、目立たせたい文字のフォントを変えたり、色をつけたり、太字にしたりと装飾することも大事です。
ただし、装飾し過ぎてどれが大事な文章なのか見失わないように注意が必要です。
CTAボタン
CTAとは、Call To Action(コールトゥアクション)の略で、行動喚起を意味します。そして、CTAボタンはユーザーが欲しいと感じた時にすぐに行動に移せるボタンのことです。
例えば、「ご注文」「お問い合わせ」「詳しくはこちら」などと書かれたボタンで、押すと該当するリンクに飛べます。
CTAボタンは、ユーザーが「その商品が欲しい」と感じたら、すぐに押せるように複数個配置します。例えば、本文の最初、途中、最後に入れると効果的です。
ボタンそのものも目立つように、色をつけるなど装飾しましょう。
エンディング
メルマガの最後には、内容をまとめた文章を入れます。
冒頭から目を通してくれたユーザーへ、最後にもう一度情報を念押しします。この部分にもCTAボタンを入れ、注文などのクリックを促すようにしましょう。
文章は長くならないように箇条書きがおすすめです。
フッター
フッターには、配信元や会社情報、問い合わせ先などを入れるようにします。
特に大切なのは、配信停止方法を入れることです。これは特定電子メール法で決められているため、忘れないように注意しましょう。
メルマガテンプレートのメリットは?
メルマガの基本構成を見るとわかるように、その都度作成するには手間がかかります。そこでおすすめしたいのが、メルマガテンプレートを事前に用意することです。
ここからはメルマガテンプレートのメリットについて紹介します。
時間が節約できる
メルマガテンプレートを作ることで、毎回構成を作成しなくて済み、時間が節約できます。
メルマガ配信を利用する企業は多いですが、それはあくまでマーケティングの1つとしてです。メルマガにばかり時間をかけるのは効率的ではありません。
しかし、テンプレートがあれば、その作成時間を大幅にカットできます。季節ごとやイベントごとにテンプレートを分けて作ると、より一層便利に使えます。
印象に残りやすい
メルマガをテンプレートにすることで統一感が出て、印象に残りやすくなります。見覚えのあるメルマガだと、タイトルや本文を見るだけで「ここの会社のメルマガかな」と思い出してもらえます。
また、本文の配置もテンプレートだと、メルマガユーザーに「いつもここにおすすめが載っている」と覚えてもらえるかもしれません。
逆に、毎回違ったメルマガを配信すると印象に残りにくく、覚えてもらえる確率は下がるでしょう。
効果の検証がしやすい
メルマガテンプレートを利用すると、メルマガの効果が検証しやすくなります。テンプレートなので構成やデザインはいつも同じで、配信ごとに内容や画像の一部を変更して使います。
もし前回の配信よりも今回のほうがクリック率や開封率が高くなれば、その理由は内容や画像が変更されたからだとすぐにわかります。
しかし、テンプレートを利用していない場合、デザインや構成も変化するため、どこが理由で反応が良くなったのかわかりにくくなります。
このように、テンプレートの利用で効果の検証が容易になるのです。
メルマガテンプレートを作る際の注意点は?
メリットが多いメルマガテンプレートですが、最初はいろんな点に注意して作成しなければいけません。
ここからは、メルマガテンプレートを作る際の注意点を紹介します。
ターゲットを決める
配信するメルマガのターゲットを決めます。
ターゲットは、より具体的に絞ると効果が高くなります。なぜなら、それぞれの立場で魅力に感じることが違うからです。
例えば、企業向けサービスを紹介をする場合では、役職ごとにメルマガ内容を分けましょう。
社員は業務効率が良くなるなどの直接的な便利さに魅力を感じますが、管理職や社長などの上層部は業績アップやコスト削減などの経営視点で魅力を感じます。
それぞれに魅力に感じる部分を強調したメルマガを配信すると効果が高まります。
また、一般ユーザー向けであっても年齢や性別、家族構成などでメルマガの内容を分ける必要があります。
さらに、「潜在層」「準顕在層」「顕在層」のターゲットに分けてメルマガを作成するのもおすすめです。
「潜在層」とは
- 商品やサービスに興味がない、知らないユーザー
- 知ってもらうことが目的
「準顕在層」とは
- ニーズがあるが、商品やサービスに興味がない、知らないユーザー
- 購入の候補にしてもらうことが目的
「顕在層」とは
- ニーズがあり、商品やサービスを知っているユーザー
- より具体的に他社との比較をし、購入してもらうことが目的
以上の内容を参考に、ターゲットに合ったメルマガを考えましょう。
配信時間を決める
メルマガを作成したら、最適な配信時間を決めます。これもターゲットに合わせると効果的です。
例えば、企業向けであれば朝8時や9時の就業時間に合わせて、一般向けであれば昼休みの12〜14時または帰宅時間の夕方などです。
配信頻度を決める
メルマガを配信する頻度も大切です。これはサービスや商品によって合わせましょう。
例えば、セールや期間限定クーポンなどの鮮度の高いサービスや商品の場合は毎日〜週2〜3回、購入頻度が低く値段が高いサービスや商品の場合は週1回などです。
頻度が高過ぎても、ユーザーが不快に思うかもしれません。しつこくならないように気をつけましょう。
端末ごとに見え方を確認する
メルマガテンプレートが出来上がったら、端末ごとに見え方を確認します。
企業向けはパソコンで、一般向けはスマホ、タブレットなどからの見え方をチェックしましょう。一般向けでは、スマホから見るユーザーがほとんどです。スマホで見やすいことを優先しましょう。
また、HTML形式なら文字化けする可能性も考えられます。環境依存文字などが入っていないかも確認が必要です。
配信停止方法・配信元を入れる
最後は、配信停止方法・配信元が入っているか必ず確認しましょう。
2002年に施行された特定電子メール法で、広告や宣伝を目的としたメールに関して以下の表示義務があると定められています。
- メール本文に、送信者などの氏名又は名称
- メール本文に、受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレス又はURL
- 受信拒否の通知先の直前又は直後に、受信拒否の通知ができる旨
- 任意の場所に、送信者などの住所
- 任意の場所に、苦情・問合せなどを受け付けることができる電話番号、電子メールアドレス又はURL
(引用:特定電子メール法|迷惑メール相談センター)
これに違反したら、消費者庁や総務省から措置命令が出され、企業の情報が公開されます。
また、悪質な場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人の場合は3000万円以下の罰金)が課せられるため、注意が必要です。
【無料】おしゃれなメルマガテンプレートサイト6つを紹介!
メルマガテンプレートを作成するにも構成を考えたりHTMLを勉強したり、やはり時間がかかります。
そんな手間を省きたい方へ、最後におしゃれなメルマガテンプレートサイト6つを紹介します。日本語表記のサイトばかりなので安心して利用してください。
SATORI
引用元:SATORI
「SATORI」は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの開発・販売を行う会社です。
HTML形式とテキスト形式のメルマガテンプレートを無料で提供しています。特に、HTML形式はシンプルなデザインが15種類もあります。
ダウンロードしてソースコードを貼り付ける簡単な使い方なので、初心者でも利用可能です。サイト内に利用方法が記されているので安心ですよ。
Canva
引用元:Canva
無料で使えるビジュアルツールキットの「Canva」もHTML形式のメルマガテンプレートを提供しています。
そのままCanva上で手軽にカスタマイズが可能です。シンプルなビジネス向けからポップな一般向けまで種類も豊富なので、おしゃれなメルマガが作成できます。
普段Canvaを利用している人には作業しやすく、おすすめです。
メルマガdeco
引用元:メルマガdeco
メルマガdekoでは、HTML形式とテキスト形式のメルマガテンプレートを無料で提供しています。
女性向けのデザインが多いのが特徴です。イベント毎にテンプレートが用意されており、使い勝手の良いデザインが多数揃っています。
特に、テキスト形式のテンプレートはとても具体的ですぐに使用できます。HTML形式までは必要ないと考えている小規模企業や個人事業主におすすめです。
99designs
引用元:99designs
99designsは海外企業のサービスですが、日本語サイトでメルマガテンプレートを提供しています。
「ニュースレター」「プロモーション用」「メール通知」の3種類のメルマガテンプレートがあり、それぞれグリーン、ブルー、オレンジ、グレーの4色から選べます。
デザインはシンプルなので、どんなジャンルにも使用可能です。
高解像度のPSDファイルもダウンロードできるため、Photoshopで編集したい方にはおすすめです。
Benchmark Email
引用元:Benchmark Email
BenchmarkEmailは、HTML形式のメルマガテンプレートを500種類も提供しています。
すぐに利用できるテンプレートを無料でダウンロードできます。
自由にカスタマイズ可能で、さらにGmail、Yahoo!メール、Outlookに対応しており、使い勝手が良いのが特徴です。
BeeFree
引用元:BeeFree
BeeFreeは、デザインが豊富でなおかつ直感的に利用できるメルマガテンプレートサイトです。
海外企業のサイトなので英語表記ですが、比較的簡単にダウンロードできます。
無料でもカスタマイズが可能で、目的に合ったメルマガが作れます。
まとめ
メルマガはこれからの時代も顧客へ情報を発信するために必要な手法です。そして、見やすく、読みやすいものが求められます。
そのためには、基本構成を守って印象付けられるテンプレートを考えましょう。
テンプレートを利用すると、メルマガ作成の時間が節約でき、効果の検証もしやすくなります。
また、ターゲットを絞ったり、配信時間や頻度を検討し、特定電子メール法に則った表示義務にも注意します。ただし、ゼロからメルマガテンプレートを作るには手間がかかります。
その際はぜひ、この記事で紹介したメルマガテンプレートのサイトを参考にしてください。