鍼灸院の集客方法13選｜患者が来ない理由やリピートを生むためのポイントもご紹介

鍼灸院を経営していると、「広告費をかけても集客につながらない」「新患が定着しない」など悩みは尽きません。

本記事では来院が伸び悩む原因を整理し、オンラインとオフラインを組み合わせた13の具体策に加え、リピート率を高める導線設計までを網羅的に解説します。

初めて対策に取り組む方でも段階的に実践しやすいよう順序立てて紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

鍼灸院の来院が伸びない理由

まず、鍼灸院の来院数が伸び悩む代表的な原因を確認しましょう。技術や立地の問題以外にも、認知不足や差別化不足など、集客がうまくいかない要因が考えられます。当てはまる点がないか確認してみましょう。

認知が足りていない

地域の人に鍼灸院の存在自体が知られていなければ、どれほど技術に自信があっても来院にはつながりません。開業から日が浅い場合や宣伝をほとんど行っていない場合、まずは地域の方々に存在を知ってもらう取組みが必要です。

特に新規開業の時期は近隣への周知が不十分になりがちです。チラシ配布やSNSでの情報発信、通りに目立つ看板設置など、まずは地域での認知度を高めることが第一歩です。

他の院との差別化ができていない

サービス内容が他の鍼灸院と似通っていて「どこに行っても同じ」と思われてしまうと、患者さんに選んでもらうのは難しくなります。他院と差がつかない場合、価格や立地などで比較されてしまい、強みが伝わらないと新規患者の獲得が難しくなります。

誰のどんな悩みに応えられる鍼灸院なのか、自院の強みや特徴を明確に打ち出しましょう。「○○に強い鍼灸院」「プライベート空間で施術が受けられる」など、選ばれる理由を作ることが差別化につながります。

患者のニーズの把握ができていない

患者さんが何を求めて来院しているのかを正しく把握できていないと、提供するサービスがニーズとズレてしまうことがあります。例えば、痛みの早期改善を期待している方にリラクゼーション中心の施術を提供してしまうと、満足度が下がり次につながりません。

カウンセリングで悩みを十分に聞き取らないまま施術を進めてしまうと、患者さんは「わかってもらえない」と感じてしまいます。ターゲットとなる患者層の悩みや要望を調査し、それに応えるメニューや対応を心掛けることが大切です。

予約導線が整備されていない

興味を持った患者さんが「予約しよう」と思ったときに、スムーズに予約までたどり着けない状況は機会損失につながります。電話予約のみで受付時間が限られていたり、ホームページに予約方法が記載されていなかったりすると、患者さんは面倒に感じて他院へ流れてしまう可能性があります。

24時間利用できるオンライン予約システムや、Webサイト・SNSから予約につなげる導線を整備し、予約のハードルを下げましょう。

口コミ等の拡散がされていない

鍼灸院の集客において、患者さんからの口コミや紹介は非常に重要です。検索で見つけた際に口コミ件数が極端に少ないと「信頼できるかわからない」と不安に思われてしまいます。

また、誰かに良いと勧められれば来院のハードルが下がるため、既存患者からの紹介がないことも来院が伸びない要因です。施術後に感想をお願いして口コミ投稿につなげたり、紹介特典を用意して患者さん同士のクチコミを促したりして、評判を広げましょう。

オンラインでの集客施策

インターネットでの情報発信は現代の集客に欠かせません。検索やSNSで情報収集する人が多いため、オンラインを制する者が集客を制すると言えます。Webを活用し、潜在患者に幅広くアプローチしましょう。

WebサイトとSEO対策

集客の基本として、自院のWebサイト（ホームページ）はぜひ用意しましょう。所在地や施術内容、料金などの情報がまとまっているホームページがあれば、患者さんは安心して来院を検討できます。また、ホームページを検索上位に表示させるSEO対策も重要です。

地域名や症状名と組み合わせたキーワードでヒットするように工夫し、鍼灸院を探している人に見つけてもらいやすくしましょう。特にスマートフォンで見やすく、予約や問い合わせがしやすいサイト設計にすることで、集客効果が高まります。

Googleビジネスプロフィール

Googleビジネスプロフィール（旧称Googleマイビジネス）への登録は、ローカル集客には欠かせません。Googleマップや検索結果に鍼灸院の情報が表示されるようになり、近隣で鍼灸院を探すユーザーの目に留まりやすくなります。

営業時間や住所、電話番号などを正確に登録し、写真や施術メニュー、紹介文も充実させましょう。口コミへの返信や最新情報の発信を行うことで、信頼感も高まり集客効果が上がります。

SNS（Instagram / X / Facebook）

InstagramやX（旧Twitter）、FacebookなどのSNSも集客に活用できます。施術の様子や院内の雰囲気、健康情報やセルフケアのアドバイスなどを定期的に発信すれば、フォロワーとの信頼関係を築きながら認知拡大につながります。

写真や動画を通じて施術者の人柄や院の雰囲気が伝わると、初めての方でも安心感を持ちやすくなります。また、キャンペーン情報や休業日のお知らせを投稿すれば、既存患者さんへのリマインドにもなります。

動画（YouTube）

YouTubeなどの動画コンテンツも集客に有効です。施術の流れやビフォーアフター、セルフケア方法などを動画で紹介すれば、文章だけでは伝わりにくい鍼灸の良さをアピールできます。

鍼やお灸に馴染みがない人でも、動画を見ることで施術への不安が和らぎ、来院へのハードルが下がるでしょう。定期的に有益な動画を発信すれば、ファンが増えて口コミ的に広がる効果も期待できます。

Web広告

インターネット広告（Web広告）は即効性のある集客手段です。GoogleやYahoo!の検索広告では「地域名 鍼灸」などで検索したユーザーに自院の広告を表示できます。

また、FacebookやInstagramの広告機能を使えば、地域や興味関心を絞って鍼灸に関心がある人にアプローチ可能です。広告は費用がかかりますが、短期間で集客数を増やしたいときに有効な施策です。ただし、予算に応じて効果を検証し、無理のない範囲で活用しましょう。

ポータルサイト登録

鍼灸院向けのポータルサイトや口コミサイトに自院を登録することも集客に役立ちます。例えば、「しんきゅうコンパス」や「エキテン」など、治療院を探すユーザーが多く訪れるサイトに掲載することで、露出を増やせます。

ポータルサイトは検索エンジンでも上位に表示されやすいため、自院のホームページだけでなくポータル経由で見つけてもらえるチャンスが広がります。プロフィール情報や写真、口コミを充実させ、ポータルサイト上でも選ばれる工夫をしましょう。

オンライン予約・LINE連携

予約システムを導入してオンラインで24時間予約を受け付けられるようにしたり、LINE公式アカウントと連携して予約や問い合わせに対応したりすることも効果的です。電話が苦手な方や忙しい方でも気軽に予約できるため、取りこぼしを防げます。

また、LINEで友達登録してもらえれば、予約のリマインドメッセージやキャンペーン情報を配信でき、再来院のきっかけ作りにも役立ちます。営業時間外でも自動応答で予約対応が可能になるなど、利便性向上による集客効果は大きいです。

オフラインでの集客施策

続いて、インターネット以外のオフライン集客施策も確認しましょう。地域に根ざした方法で認知度を高めたり、直接アプローチしたりすることは、デジタル全盛の時代でも依然として効果的です。

チラシ配布・ポスティング

地域の住宅や店舗にチラシを配布したりポスティングしたりする方法は、昔ながらですが今も有効です。特にご年配の方などインターネットを積極的に利用しない層にも直接アプローチできます。

チラシには施術内容や料金、初回限定割引など魅力的な情報を盛り込み、目に留まった人が「行ってみようかな」と思える工夫をしましょう。配布エリアを鍼灸院から通いやすい範囲に絞ることで、効率よく集客が期待できます。

看板・店頭POP

鍼灸院の看板や店頭のポップは、通行人に存在をアピールする大切なツールです。視認性の高いデザインで「鍼灸院」とひと目で分かるようにし、夜でも見える照明をつけるなど工夫しましょう。

店頭にブラックボードやポスターを設置して、施術メニューや料金、キャンペーン情報を掲示すれば、興味を持った人が立ち寄るきっかけになります。また、駅からの道順や駐車場案内などを表示しておくと、初めての方にも親切です。

地域誌・フリーペーパーへの掲載

地域情報誌やフリーペーパーに鍼灸院の広告や記事を掲載することも有効です。地元の読者層に直接リーチでき、特にシニア層などネットをあまり見ない方にも情報を届けられます。

地域の特集記事として取り上げてもらえれば信用度が増し、認知拡大につながります。広告出稿には費用がかかりますが、発行部数や読者層を考慮して効果が見込める媒体を選びましょう。なお、掲載された記事のコピーなどを院内に掲示すれば、来院者への信頼アピールにもなります。

地域イベントや出張施術の対応

地域のイベントや催しに積極的に参加し、鍼灸の体験ブースを出すなどの取り組みも効果的です。健康関連のイベントやお祭りで簡易な鍼灸体験や相談会を行えば、多くの人に興味を持ってもらうきっかけになります。

また、企業や高齢者施設への出張施術を行うのも一手です。直接足を運んで施術や説明を行うことで、鍼灸を身近に感じてもらい、新規患者の獲得につながることがあります。実施の際は名刺やパンフレットを用意し、後日の問い合わせにつなげましょう。

紹介カード・紹介制度の導入

既存の患者さんから新しい患者さんを紹介してもらう仕組みを作ることも効果的です。紹介カードを作成し、紹介した側と紹介で来院した側の双方に特典を提供すれば、患者さん同士で自然と口コミが広がりやすくなります。

例えば、「友人を紹介すると双方に施術割引」などの制度を導入することで、紹介のハードルを下げられます。患者さんに「良かったら知り合いにも紹介してくださいね」と声をかけるだけでも、紹介が生まれるきっかけになります。

近隣事業者との連携

周辺の店舗や施設と連携して集客につなげる方法もあります。例えば、整骨院やフィットネスジム、介護施設などと提携し、お互いの利用者に相互に紹介し合う取り組みです。近隣の薬局や整形外科と連携し、症状に応じて鍼灸を勧めてもらうようにするケースも見られます。

相互にチラシを置いたり割引券を配布したりすることで、双方の顧客にアプローチできるでしょう。地域のコミュニティの一員として顔が広くなることで、信頼感が高まり、新規患者の来院機会が増えることが期待できます。

新規顧客をリピーターに繋げる施策設計

一度来院してくれた新規患者さんに、継続して通ってもらえるようにする工夫も大切です。リピーターが増えれば安定した経営につながるため、初回来院から再来院までの流れを意識して施策を設計しましょう。

特典・体験設計を行なって初回来店を促す

まずは新規の患者さんに一度来院してもらうため、初回限定の特典や体験プランを用意しましょう。たとえば、初診料を無料にしたり、初回のみ割引価格で施術を提供したりすると、試しに来院しやすくなります。

また、「お試しコース」や短時間の体験施術を設ければ、鍼灸が初めての方も気軽に受けてみようと思いやすくなるでしょう。初回来院のハードルを下げる特典を設計することで、新規顧客の獲得につながります。

再来店のためのフォローを行う

新規患者さんが初めて来院した後、しっかりフォローを行うことで再来院につなげましょう。施術後にお礼のメールやLINEメッセージを送って体調を気遣ったり、次回の提案をしたりすると、「大切にしてくれている」と感じてもらえます。

また、次回予約をその場で提案するのも効果的です。症状に応じて「次回は○日後に来てください」と具体的に伝えることで、患者さんも通うペースを掴みやすくなります。こうしたアフターフォローが、リピート率向上につながります。

会員制・回数券・継続プログラムを作成する

リピーターを増やすためには、通い続けるメリットを提供することも有効です。会員制度を導入して会員価格を設定したり、回数券を販売してお得に利用できるようにしたりすると、患者さんは継続して通いやすくなります。

例えば「5回分の施術回数券で1回分無料」といった特典をつければ、次回以降の来院を後押しできます。また、○ヶ月の継続ケアプログラムを提案し、定期的な通院計画を立ててもらうのも一つの方法です。無理のない範囲で継続利用を促す仕組みを作りましょう。

競合分析と差別化のポイント

周辺に同業の鍼灸院が複数ある場合、競合を分析して自院の強みを際立たせることが大切です。ただ闇雲に集客策を講じるよりも、他院との差別化を意識することで「この院を選ぶ理由」を明確にできます。

実際に検索して価格などを分析する

まず、インターネット検索や実地調査を通じて周辺の競合鍼灸院の情報を集めましょう。ホームページやGoogleビジネスプロフィールを確認し、施術メニューや料金体系、営業時間、雰囲気などを把握します。

特に価格帯や提供サービスが自院とどう違うかを分析することで、自院の立ち位置が見えてきます。また、口コミをチェックすれば他院の強みや弱みも見えてくるでしょう。競合を知ることが、差別化戦略の出発点です。

自院の強みを探す

競合を把握したら、次に自院の強みを洗い出しましょう。他院にはない専門分野や技術、豊富な経験、通いやすい立地や営業時間、リラックスできる雰囲気など、あらゆる角度から自院の魅力を考えてみます。自分では当たり前と思っていたことが、患者さんにとって価値あるポイントかもしれません。

家族経営でアットホームな雰囲気や、女性施術者が在籍しているといった点も強みになり得ます。見つけた強みは今後の集客で前面に押し出して差別化に活かしましょう。

患者の声を使って差別化をする

患者さんから寄せられた声（口コミやアンケート回答）は、他院との差別化に活用できます。「○○の症状が楽になった」「丁寧に話を聞いてくれた」など、実際の声には説得力があります。ホームページやチラシに患者さんの声を掲載すれば、読む人に具体的なイメージを持ってもらえます。

また、他院があまり強調していない点で高評価を得ている場合、それを自院のアピールポイントとして打ち出すことで独自性をアピールできます。患者さんの生の声は、何よりも信頼性の高い差別化要素です。

よくある質問

最後に、鍼灸院の集客についてよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。日々の運営で悩みがちなポイントについてQ&A形式でまとめました。

Webや地図検索で見つかりにくいのですが、まず何を整えれば良いですか？

まずはGoogleビジネスプロフィールへの登録と情報充実を優先しましょう。Googleマップで検索された際に確実に表示されるようになります。

また、自院のホームページがない場合は早めに開設し、院名や所在地、鍼灸に関連するキーワードで検索ヒットするよう基本的なSEO対策も施しましょう。これらを整えることで、Webや地図検索で見つけてもらいやすくなります。

新患は来るが二回目以降の来院が少ないです。リピートを増やすには何をすればいいですか？

まず、初回の施術でしっかりと効果を実感してもらい、信頼関係を築くことが大前提です。その上で、施術後にお礼の連絡を入れたり、次回予約を提案したりといったフォローを行いましょう。

また、回数券や次回割引クーポンを用意して「また来たい」と思える仕掛けをするのも有効です。継続して通うメリットを伝え、患者さんの不安や疑問にも丁寧に答えることで、リピート率が向上します。

周辺の他院と差がつかないと感じます。差別化はどこから手を付ければ良いですか？

まずは競合の鍼灸院をリサーチし、サービス内容や価格帯、強みを把握しましょう。その上で、自院ならではの強みや特徴を洗い出します。他院にない専門性や設備、雰囲気、営業時間の工夫など、小さなことでも構いません。

見つかった強みをホームページや広告で積極的に発信し、「○○ならこの鍼灸院」とイメージしてもらえるようにしましょう。また、患者さんの声を紹介して独自の良さを客観的に伝えるのも効果的です。

まとめ

鍼灸院の集客では、患者さんに選ばれ続けるための総合的な取り組みが求められます。来院数が伸びない原因を見直し、オンライン・オフラインの13の集客施策を適切に組み合わせて実践することが重要です。また、新規患者のリピート化や競合との差別化にも取り組むことで、安定した経営につながります。

一度に全てを完璧に行うのは難しいですが、できることから少しずつ改善を積み重ね、着実に来院数アップを目指しましょう。本記事で紹介した施策を参考に、自院に合った方法からぜひ取り組んでみてください。