企業ブランディング手法10選！成功事例やおすすめの本も紹介

企業のブランド価値を高め、競合との差別化を図りたいとお考えの経営者・マーケティング担当の皆様、自社の「企業ブランディング」に課題を感じていませんか？

「ブランディングに取り組みたいが、具体的な手法がわからない」「これまで独自で試みたが、思うような効果が得られなかった」と悩んでいるケースも多いのではないでしょうか。

企業ブランディングは、顧客からの信頼を獲得し、企業価値を長期的に高めるための重要な戦略です。しかし、専門的な知識や最新の手法が必要となるため、どのように始めれば良いのか迷ってしまうことも少なくありません。

そんな皆様に向けて、本記事では以下のような内容で解説します。

• 企業ブランディング手法10選
• 企業ブランディングの種類
• 企業ブランディングの手法を学べる成功事例

この記事を参考にして、貴社に最適なブランディング戦略を見つけ、ブランド価値の向上につながる一歩を踏み出しましょう。

企業ブランディング手法10選

企業ブランディングの手法として、以下をピックアップしました。

• 組織でブランディングの必要性を共有し合う
• ターゲットペルソナの設定を行う
• ミッション・ビジョン・バリューの明確化を図る
• ロゴデザインとコーポレートカラーを統一する
• PEST分析やSWOT分析を用いた環境分析を行う
• ストーリーを意識して発信する
• SNS・Web活用によるブランド発信を積極的に行う
• 社員を積極的に巻き込む
• 顧客満足度の向上を図る
• 業界イベントや展示会でのPRを行う

それぞれの手法を学んで、自社でも実践してみましょう。

1.組織でブランディングの必要性を共有し合う

ブランディングの成功には全社員がその重要性を理解し、共通の認識や目標を持つことが不可欠です。定期的なワークショップやミーティングを通じて、ブランドの目的や価値観を共有し、全社的な一致団結を促しましょう。

例えば、企業では月に一度、ブランド戦略に関する全社員参加のセッションを開催し、意識の統一を図るのがおすすめです。全社員が意思統一を図れていないと、軸足が揃えられないので、定期的なコミュニケーションを図りましょう。

2.ターゲットペルソナの設定を行う

理想的な顧客像を明確にすることで、マーケティング戦略を具体化できます。顧客の課題やニーズを深く理解し、共感を得るストーリーを構築することが重要です。

まずはデータ分析やアンケート調査を基に、根拠あるペルソナを設計する必要があります。たとえば20代女性向けの化粧品ブランドであれば、都市部在住のキャリアウーマンをペルソナとして設定し、広告や商品開発に反映させるといった手法が良いでしょう。

3.ミッション・ビジョン・バリューの明確化を図る

企業のミッション、ビジョン、バリューを明文化し、内部・外部に伝えることは、ブランドの一貫性を保つ上で重要です。3つを軸にしたブランディング施策を展開し、公式ウェブサイトや資料に一貫して反映させる必要があります。

例として「技術で世界を変える」というミッションを掲げ、全てのコミュニケーションに反映するのも1つの手段。伝えたいメッセージはミッション、ビジョン、バリューの軸で整理し、顧客に伝わりやすいように明確な言語化を図りましょう。

4.ロゴデザインとコーポレートカラーを統一する

視覚的な統一感は、企業を一目で認識させる効果があります。ロゴやカラーの心理的効果を分析し、ターゲットに与える印象を考慮してデザインを決めましょう。

質の高いデザイン作成のために、外部の専門家に依頼することもおすすめです。例として、世界的に人気のあるスターバックスでは緑色のロゴで自然や落ち着きを連想させ、ブランドイメージを強化しています。

自社でデザインを専門としていない場合は外注を図り、自社のイメージを伝えられる内容にしましょう。

5.PEST分析やSWOT分析を用いた環境分析を行う

PEST分析やSWOT分析を活用し、企業を取り巻く外部・内部環境を整理します。経済動向や社会的トレンドを取り入れたブランド戦略を策定し、分析結果を基に差別化ポイントや市場機会を明確にするのが重要です。

食品メーカーであれば健康志向の高まりを捉え、低カロリー製品のラインナップを強化するのも施策として考えられるでしょう。必ず、内部や外部の環境を理解したうえで、施策を考えて実施するように心がけましょう。

6.ストーリーを意識して発信する

ブランドの背景や創業者の想いを物語として伝えることは、顧客の共感を得るために有効な手段です。具体例として、動画やブログを用い、商品の開発秘話やブランドが目指す未来を物語として紹介する方法があります。

創業の歴史をテーマにした動画をYouTubeで公開し、多くの共感を得るなどが例として挙げられるでしょう。ただし、情報発信を行う場合はどの媒体でも一貫性を保ちながら、メディアごとに最適化された伝え方を工夫することがポイントです。

媒体ごとに大きく異なった内容やトーンになっていると、ブランディング効果が薄れるので注意しましょう。

7.SNS・Web活用によるブランド発信を積極的に行う

企業ブランディングを行うには、ターゲットに合わせたプラットフォーム選定と運用が重要です。具体的には、Instagramではビジュアル重視の投稿、Twitterでは即時性の高い情報発信を行うなど、メディアごとの特性を活かしましょう。

特にSNSやWeb発信では、製品紹介やストーリーを意識した発信、顧客の声を取り入れた投稿が効果的です。具体的なストーリーやエピソードに基づいた発信を行って顧客の共感を誘い、拡散を狙いましょう。

8.社員を積極的に巻き込む

社員は、自社の「顔」となる存在です。社内イベントやコミュニケーションツールを活用して、ブランドへの理解を深める施策を実施する必要があります。

ブランド理念をテーマにした社内研修やミーティングを定期的に実施し、社員の意識を高められると理想的です。社員から発信される情報が外部へのイメージに貢献するため、この取り組みは外部ブランディングとも密接に関係します。

9.顧客満足度の向上を図る

顧客満足度の向上により、顧客のリピート率や信頼性が高まるだけではなく、顧客が自然と良い口コミを広めてくれるようになります。より企業の評判が高まり、企業ブランディングの向上につながります。

また、新規顧客の獲得にもつながるのが嬉しいポイントです。商品やサービスのクオリティ向上、問い合わせやサポートのスムーズな対応、購入ページの改善など、顧客満足度の向上につながる部分を網羅的に改善できると理想的です。

10.業界イベントや展示会でのPRを行う

業界内での存在感を高めるには、展示会やイベントでのブースデザインやプレゼン戦略が重要です。展示会やイベントでブースを設置し、製品のデモを行うことで多くの新規顧客と接点を持てます。

業界イベントや展示会でも自社ならではの成功事例、成功にまつわるエピソードを展開すると、相手の印象に残りやすくなります。その後、名刺交換や資料配布を効果的に行い、イベント後にはすぐにフォローアップすることが、リード育成につながるでしょう。

企業ブランディングの種類

企業ブランディングの種類として、主に以下が挙げられます。

1. アウターブランディング
2. インナーブランディング
3. プロダクトブランディング

企業ブランディングの種類について、理解を深めていきましょう。

1.アウターブランディング

アウターブランディングは、企業が顧客や社会全体に向けてブランド価値を訴求する手法です。広告やPR活動、イベントなどを通じて企業イメージを広く伝え、ブランドの認知度を高めることを目指します。

たとえば、大規模なテレビCMや話題性のあるプロモーションイベントを活用し、消費者の心に残るメッセージやビジュアルを設計し、放映します。このような施策により、企業に対する信頼感を醸成し、ブランドを強く印象づけることが可能です。

2.インナーブランディング

インナーブランディングは、従業員やパートナー企業に向けてブランド理念や価値観を共有する活動を指します。社内イベントや研修を通じて、従業員がブランドの意義を深く理解し、自発的にその担い手として行動する文化を醸成します。

例として、社員参加型のワークショップや定期的なブランド研修を実施することで、社内の結束力が高まり、外部へのメッセージも一貫性を持たせられます。ブランドの内側から強化することで、企業全体の方向性が統一され、社内の士気の向上が期待できるでしょう。

3.プロダクトブランディング

プロダクトブランディングは、特定の製品やサービスに焦点を当て、その魅力や特徴を強調するブランディング手法です。競合との差別化を明確にし、顧客の購買意欲を引き出すことを目指します。

独自のデザインや高品質を訴求する広告戦略を展開し、パッケージや製品名に特徴を持たせることで、ターゲット層に強くアピールできます。こうした施策の展開で、顧客の記憶に残る製品を作り上げ、企業の知名度向上を図るのがポイントです。

企業ブランディングを成功させるポイント

企業ブランディングを成功させるポイントとして、以下が大切です。

1. 社内の意思統一を図る
2. 顧客目線で物事を考える
3. 各媒体で一貫性のあるメッセージとデザインを心がける

どのようなポイントなのか、1つずつ解説します。

1.社内の意思統一を図る

社内でブランド価値や目標を全社員が共有することは、何よりも大切です。これを実現するためには、定期的な研修やコミュニケーション施策が求められます。従業員がブランド理念を深く理解し、自らの行動に反映できるような環境を整えましょう。

ブランドに関連する社内イベントや、経営層からの定期的なメッセージを発信することで、従業員がブランドの一員であることに誇りを感じる機会を提供できます。社内の意思統一を上手く行うことで、社外でのブランド価値の発信につながります。

2.顧客目線で物事を考える

企業ブランディングで成功するには、顧客のニーズや価値観を理解し、それをブランド戦略に取り入れる姿勢が欠かせません。製品やサービスが顧客の生活にどのような価値をもたらすの、明確に示すことが必要です。

例えば、顧客へのアンケートやインタビューを実施し、集めたフィードバックを基に改善策を講じることで、施策を打ちやすくなります。

企業目線での施策を打ち続けていると、顧客に刺さる施策を打てないことも多いので、必ず顧客目線で物事を考えるようにしましょう。

3.各媒体で一貫性のあるメッセージとデザインを心がける

ブランドの認知度を高めるためには、一貫性のあるメッセージとデザインが必要です。ロゴやカラー、文章のトーンなど、ブランドの要素を統一することで、顧客に強い印象を与えられます。

SNSの投稿や広告、Webサイトなど、すべての接点で同じ価値観やデザインを反映させることで、顧客はどの媒体に触れても一貫したブランド体験を得られます。この統一感がブランドへの信頼や印象を強めるので、意識的に取り組みましょう。

企業ブランディングの手法を学べる成功事例

企業ブランディングの手法を学べる成功事例として、以下をピックアップしました。

1. ユニクロ
2. 資生堂
3. ニトリ

具体的な内容について触れていきましょう。

1.ユニクロ

引用：ユニクロ

ユニクロは、手頃な価格と高品質を両立させた商品展開を通じて、世界的なブランドへと成長しました。その戦略の一つに、ライフスタイルを意識した広告キャンペーンがあります。これにより、顧客の共感を獲得し、ブランドへの親近感を高めることに成功しました。

引用：ユニクロ

また、独自の技術を活用した製品開発も特徴的です。たとえば「ヒートテック」や「エアリズム」のような機能性素材を用いた商品は、実用性と快適性を兼ね備えており、ブランド価値をさらに向上させました。このような独自の取り組みが、ユニクロのブランドを印象付けています。

2.資生堂

引用：資生堂

資生堂は「一瞬も一生も美しく」という明確なメッセージを掲げ、ブランド哲学を広く伝えています。YouTubeなどでも情報発信を行い、メッセージを伝え続けているのがポイントです。

引用：資生堂

さらに、グローバル展開においては、地域ごとの文化や価値観を尊重したブランディングを実施しています。この柔軟背の高い取り組みが、各国でのユーザーからの認知と支持を高める要因となりました。

3.ニトリ

引用：ニトリ

ニトリは、「お、ねだん以上。」というキャッチフレーズを通じて、コストパフォーマンスの高さを強く訴求しています。このメッセージは、顧客に対する明確な価値提供を示し、多くの支持を集めています。

引用：ニトリ

また、家具から小物まで幅広い商品展開により、生活全般を支えるブランドとして認識されています。どこまでも購入者目線を一貫しており、ユーザーから高い評価を得ることに成功しました。

企業ブランディングの手法を学べるおすすめの本

企業ブランディングの手法を学べる本として、以下がおすすめです。

1. デジタル時代の基礎知識『ブランディング』
2. ブランド戦略全書
3. ブランディング22の法則

これから本格的に企業ブランディングを学びたい場合は、ぜひ参考にしてみてください。

1.デジタル時代の基礎知識『ブランディング』

デジタル時代の基礎知識『ブランディング』では、デジタル環境におけるブランド構築の基本概念や実践方法を分かりやすく解説しています。ブランド体験、ブランド戦略など基本的な部分を網羅的に学ぶことが可能です。

さらに、初心者にも取り組みやすい具体例が豊富に掲載されているため、実践にすぐ役立つ知識を得られるのが特徴です。デジタルマーケティングや、企業ブランディングの入門書として役立つでしょう。

2.ブランド戦略全書

企業ブランディングの全体像を体系的に学べる一冊です。具体的な事例や理論を通じて、効果的なブランド戦略の立案方法を網羅的に解説しています。ブランド論の過去から現在まで学べるので、幅広い知識を身につけることが可能です。

また、BtoBブランドの展開、地域ブランド論など実践的な内容が多く含まれています。企業ブランディングについて、本格的に学ぶ際におすすめの1冊です。

3.ブランディング22の法則

この書籍では、成功するブランドを構築するために守るべき22の原則を体験談とともに紹介しています。競争の激しい市場で差別化を図るための実践的なノウハウが満載であり、マーケティングとブランディングを融合した戦略が学べる内容が魅力です。

特に、実例を交えて解説されているため、理論だけでなく具体的なアクションプランを描く際にも役立ちます。筆者の体験談に基づいているため、比較的読みやすいのも嬉しいポイントです。

まとめ：企業ブランディングの手法を学んで自社でも挑戦してみましょう

企業ブランディングを成功させるためには、基礎に忠実でなければなりません。基礎的な対策や手法を知らない限り、成功確率は大きく下がってしまいます。

今回の記事では、どの時代でも通用する基本的な企業ブランディング手法を10個紹介しました。企業の成功事例も載せているので、ぜひ参考にして取り組んでみてください。