アポイントの返信メールを書くポイントは?承諾やお断り時の例文も紹介

営業活動において、クライアントとのメール連絡は非常に重要です。特に、第一印象の良さは後々の取引きをスムーズに進めます。

取引きの初期段階で送るメールといえば、アポイントに対する返信です。新人社員や営業職に慣れていない人は、どう返信したらいいか迷うところでしょう。

今回はアポイントの返信について、以下を解説します。

例文も含めて解説するので、オリジナルテンプレを作る時の参考にしてください。

わかりやすくマナーを守ったメール返信で、クライアントとの信頼度アップにつなげましょう。

アポイントメールに返信する時の基本構成


アポイントメールに返信する時の基本構成は、以下の通りです。

  • 件名
  • 宛名
  • 挨拶・名乗り
  • 本文
  • 結び
  • 署名

どれも書き忘れると、失礼につながる重要な項目です。特に、宛名と挨拶、本文に気をつけましょう。

それぞれを詳しく解説します。

件名

まず、確認したいのが「件名」です。

自分からメールを送信する時は必ずわかりやすい件名を入力します。しかし、先方からのメールに返信する時は相手が記入した件名を変更してはいけません。

件名を変更すると、どのメールの返信かわかりにくくなるからです。さらに、ほとんどのメーラーで、同じ件名をスレッドにして表示する機能がついています。

例えば、以下のように表示されます。

〇〇に関する打ち合わせについて日程調整のお願い
┗Re:〇〇に関する打ち合わせについて日程調整のお願い
スレッド表示は過去のメールのやり取りを簡単に把握でき、多くの営業担当者が活用している機能です。

しかし、件名を変更するとスレッドとしてまとまらず、全く別のメールとして表示されます。そうすると、メール管理に手間がかかり、返信の見落としや過去のやり取りに誤解が生じるかもしれません。

できるだけメール件名は変更せず、そのまま返信するようにしましょう。

宛名

メールの冒頭に記載するのが先方の「宛名」です。会社名や担当者名を記載します。

例えば、以下のように並べます。

株式会社〇〇 企画営業部 佐藤様
会社名を省略せず、部署名も含めると丁寧に見えるでしょう。もし担当者名が不明な場合は「ご担当者様」を宛名にします。

ここで重要なのが、宛名に「様」をつけ忘れないことです。相手に対して非常に失礼になるため、注意が必要です。

挨拶・名乗り

宛名の次に記載するのが「挨拶」です。

以下がビジネスシーンで使用する基本の挨拶例です。

  • いつもお世話になっております。
  • 大変お世話になっております。
  • ご連絡ありがとうございます。

基本的に馴染みのあるクライアントの場合は、「いつもお世話になっております」などの気軽な挨拶で問題ありません。

しかし、初めて対応するクライアントの場合は、「初めてメールさせていただきます」などを含めると初対面の相手だとわかりやすく、丁寧です。

また、数年ぶりに対応するクライアントの場合は、「ご無沙汰しております」と記載すると礼儀正しく感じられます。

挨拶の次にくるのが「名乗り」です。

「株式会社〇〇の佐藤と申します」のように会社名と共に名前を名乗るようにします。会社規模が大きい場合や、よくある名字の場合、部署名も含めるとより伝わりやすいです。

特に、初めてメールする場合は、挨拶の後に必ず自分の名前を記載しましょう。名前が末尾のみだと、一瞬で誰からのメールかわからないからです。手間を取らせない配慮があると、相手に好感を与えます。

本文

「本文」は短くわかりやすい文章を心がけます。アポイントの返信では特に、日程を正確に共有する必要があります。

例えば、以下に気をつけましょう。

  • 希望の日程に曜日も含ませる
  • 日程部分を改行し、見やすくする
  • 時間の記載も忘れない

先方との勘違いを防ぐため、日付だけでなく曜日も記載していると丁寧です。

また、時間の記載も忘れずに行います。「◯時〜◯時」のように打ち合わせの所要時間も含めるとその後の予定も立てやすく、先方も安心して打ち合わせに望めるはずです。

結び

本文は「結び」で締めましょう。

要件のみで急にメールが終わると、まだ続きがあるのでは?と相手を不安な気持ちにさせます。また、素っ気ない印象を与える可能性もあります。

例えば、以下の文章を加えると良いでしょう。

  • お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
  • 日程についてご連絡いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。

署名

メールの最後は、「署名」を記載しましょう。

会社名、部署名、名前だけでなく、返信しやすいように電話番号やメールアドレスなど連絡先を含みます。

例えば、以下の情報です。

  • 会社名
  • 部署名
  • 名前
  • 会社の住所
  • 電話番号
  • FAX番号
  • 自分の会社用携帯番号
  • メールアドレス
  • 会社ホームページのURL

署名は毎回必要なので、その都度入力せずに済むようにメーラーに登録するのがおすすめです。ラインなどで飾るとメリハリが出て見やすくなりますが、派手にならないように気をつけましょう。

【例文あり】アポイントメールに返信する時の書き方

アポイントメールの返信には、さまざまなパターンがあります。例えば、以下が考えられます。

  • アポイントを承諾する場合(先方から日程提示あり)
  • アポイントを承諾する場合(先方から日程提示なし)
  • アポイントの日程を調整したい場合
  • アポイントを断る場合

ここからは、それぞれを例文付きで解説します。

アポイントを承諾する場合(先方から日程提示あり)

アポイントを承諾する場合は、簡潔に打ち合わせ日程を返信します。他の用件がない限り、シンプルに済ませた方が見やすいでしょう。

以下は、すでに先方から日程候補の提示があり、こちらから打ち合わせ日程を指定する場合の例文です。

株式会社〇〇
△△様

この度はお世話になります。株式会社××の◎◎です。

新商品の打ち合わせについて、候補日のご連絡ありがとうございます。
では、以下の日時でお願いいたします。

●月●日(月)14:00~15:00

こちらから貴社へお伺いいたします。
当日お目にかかれることを楽しみにしております。

何卒よろしくお願い申し上げます。

アポイントを承諾する場合(先方から日程提示なし)

アポイントの承諾する際は、先方から日程の提示がない場合もあります。その場合は、こちらから候補日を3〜5つほど提示しましょう。

さらに、返信忘れを防ぐために「〇〇までにご返信ください」と期日を伝えるようにします。期日の設定があれば、過ぎた場合にこちらから催促しやすくなります。

以下が例文です。

株式会社〇〇
△△様

この度はお世話になります。株式会社××の◎◎です。

新商品のご案内について、面談の承諾をくださり、誠にありがとうございます。
つきましては、以下のいずれかの日程でお伺いできればと思います。
ご都合いかがでしょうか。

●月●日(月)14:00~15:00
●月●日(火)10:00~11:00
●月●日(木)15:00~16:00

日程が合わない場合は、別日で調整いたします。
遠慮なくお申し付けください。

お忙しいところ恐れ入りますが、明後日の16時までに返信いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

アポイントの日程を調整したい場合

先方から日程提示があったものの、こちらの都合がつかない場合もあるでしょう。その場合は再度日程調整してもらうように返信します。

そこで気をつけたいのが、こちらが都合のつく日程をいくつか伝えることです。そうすることで無駄なやり取りを減らし、先方にも手間をかけません。

以下が例文です。

株式会社〇〇
△△様

この度はお世話になります。株式会社××の◎◎です。

候補日のご連絡ありがとうございます。
提示いただいた日程ですが、すでに別の予定が入っており、都合がつかない状況です。
恐れ入りますが、以下でご都合いかがでしょうか。

●月●日(月)14:00~15:00
●月●日(火)10:00~11:00
●月●日(木)15:00~16:00

お手数おかけし、申し訳ございません。
何卒ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

アポイントを断る場合

アポイントメールで最も困るのが、打ち合わせ自体を断る場合です。先方に失礼のないようにクッション言葉を適度に使用しましょう。また、断る理由を記載するのもポイントです。

以下が例文です。

株式会社〇〇
△△様

この度はお世話になります。株式会社××の◎◎です。

〇〇のご提案ありがとうございます。

社内で精査いたしましたが、現在弊社では複数のプロジェクトを抱えており、リソース不足の状態です。そのため、大変申し訳ございませんが、今回は見送らせていただきたく存じます。

非常に魅力的なご提案で不本意ですが、どうかご理解くださいますようお願い申し上げます。

また機会がございましたらご一緒できれば幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

アポイントメールへ返信する時の7ポイント

アポイントメールへ返信するには、以下の7ポイントを抑えるようにしましょう。

  • 早く返信する
  • 返信パターンを用意する
  • 場所の記載を忘れない
  • 読みやすさ・見やすさを重視する
  • 宛名や内容に誤り・漏れがないか確認する
  • 「Re:」は消さずに送信する
  • お礼を入れる

それぞれを解説します。

早く返信する

ビジネスメールにおいて、返信の早さは非常に重要です。素早いレスポンスはクライアントからの信頼度を高めます。

特に、アポイントメールの日程調整に関しては、先方も早く予定を確定させたいため、できれば当日中に返信するようにしましょう。遅くても翌日中には必ず返信します。

即決できない内容の場合は、返信が遅くなる旨を伝えます。長期休暇に入る場合も同様です。

後回しにすると、返信を忘れて先方を不快にさせる可能性があります。事情があって返信を遅らせる場合は、タスク管理ツールへの記入やパソコンに付箋を貼るなど、忘れない工夫をしましょう。

返信パターンを用意する

アポイントメールの返信を毎回ゼロから作るのは、手間がかかります。そのため、返信パターンを用意しておくのがおすすめです。

状況に応じた基本パターンをいくつか用意します。

毎回全く同じメールを使用すると、同じクライアントにはメールの使いまわしがわかってしまいます。そのため、返信の都度、内容に合わせて調整するようにしましょう。

場所の記載を忘れない

アポイントメールの返信で日程調整に気を取られていると、場所の記載を忘れがちになります。先方と誤解が生じないためにも、送信前に場所の記載がされているか必ず確認しましょう。

先方の会社で初めて打ち合わせをする場合、念のため住所の確認も行っておきます。企業によっては支店や営業所が複数ある場合があり、誤って別の場所へ訪問すると先方に迷惑をかけてしまいます。

反対に、自社で初めての打ち合わせをする場合も住所を記載し、先方が迷わないように配慮しましょう。

読みやすさ・見やすさを重視する

ビジネスメールは、読みやすく、見やすい内容を心がけます。

ポイントは以下です。

  • 適度な改行
  • 内容が長くなる時は箇条書きにする
  • 回りくどい文章は省く

悪い例と良い例を比較します。

【悪い例】

打ち合わせの日程は●月●日(月)14:00~15:00、●月●日(火)10:00~11:00、●月●日(木)15:00〜16:00のいずれかはいかがでしょうか。また、打ち合わせ時に△△の資料を用意していただけると非常にわかりやすく有り難く存じます。一緒に⬜︎⬜︎の資料もお願いいたします。

【良い例】
打ち合わせの日程候補は以下です。ご都合いかがでしょうか。

●月●日(月)14:00~15:00
●月●日(火)10:00~11:00
●月●日(木)15:00〜16:00

また、お話を伺う上で以下の資料を用意いただけると幸いです。
・△△
・⬜︎⬜︎

何卒よろしくお願いいたします。

改行や箇条書きを入れると、見やすさがアップします。さらに、読みやすくなるように重複した言い回しは除き、簡潔にまとめます。

ダラダラと長いメールは先方の負担になるため、注意しましょう。

宛名や内容に誤り・漏れがないか確認する

メールが完成したら宛名や内容に誤りと漏れがないか確認します。

アポイントメールを複数抱えていると、誤って内容が他企業と混同する可能性もあります。日程に誤りがないか、宛名に誤りがないかを1つ1つチェックしましょう。

また、企業名や担当者名に誤字があると大変失礼です。先方からのメールを見返しつつ、正確な内容で返信します。

「Re:」は消さずに返信する

メール返信の場合、件名の前に「Re:」という文字が自動的に付きます。

これは「Regarding(〜に関して、〜について)」という意味で、返信メールを表す印です。メール管理に活用できるものなので、消さずにそのまま返信しましょう。

もし返信が何度も続く場合、「Re:」が増えて、件名が見づらくなることがあります。その場合は2つ目以降を削除しても構いません。

ただし、アポイントメールにおいては返信が何度も続かないように簡潔さを心がけましょう。

お礼を入れる

ビジネスメールで大切なのが先方へのお礼です。

ビジネスには、相手を思う気遣いが大切です。例えば、「お時間調整いただき、ありがとうございます」など一言添えるだけで印象が変わります。

文字だけのメールは特に誤解が生じやすく、時に上から目線に感じさせることもあります。相手と良好な関係を築くためにも、お礼の言葉を伝えましょう。

なお、何度も感謝の言葉を入れると不自然なので、1メール1〜2つほどに抑えるのがおすすめです。

アポイントメールで使えるビジネスフレーズ6選

アポイントメールを作るにはビジネスフレーズを覚えておくと便利です。
例えば、以下があります。

  • お手数おかけしますが〜
  • お時間いただければ幸いです
  • お目にかかれることを楽しみにしております
  • 〜いたしかねます
  • お役に立てず申し訳ございません
  • 返信は不要です

それぞれを詳しくご紹介します。

お手数おかけしますが〜

「手間をかけてすみません」という意味で、お願いする時などに使用するビジネスフレーズです。アポイントメールでは、日程調整や資料の確認をお願いする時に使えます。

以下が例文です。

  • お手数おかけしますが、以下の日程でスケジュールのご確認お願いいたします。
  • お手数おかけしますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

お時間いただければ幸いです

打ち合わせに応じてほしいことを柔らかく伝える時に使用するビジネスフレーズです。時間を作ってほしいという要望と、そうしてもらえると有難いという感謝の両方を表しています。

以下が例文です。

  • 上記のいずれかでお時間いただければ幸いです。
  • 打ち合わせは1時間ほどのお時間いただければ幸いです。

お目にかかれることを楽しみにしております

打ち合わせの日程が決まって「お会いできるのが楽しみ」という意味を、先方に丁寧に伝えるビジネスフレーズです。基本的に目上の人やクライアントに使用する言葉なので、アポイントメールでも活用できます。

以下が例文です

  • 当日はお目にかかれることを楽しみにしております。
  • お久しぶりにお目にかかれることを楽しみにしております。

〜いたしかねます

アポイントメールの返信には、先方からの要望を断る場面もあります。その時に使える言葉で、「できません」を柔らかく伝えられます。「できかねます」以上に丁寧な言い方です。

以下が例文です。

  • 大変申し訳ございませんが、そのお話はお受けいたしかねます。
  • 恐れ入りますが少し立て込んでおり、期日までには対応いたしかねます

お役に立てず申し訳ございません

アポイントメールを断る時は先方との関係を崩さないことが大切です。ただ謝るだけでなく「お役に立てず」をつけることで、「できたら役に立ちたかった」というニュアンスを伝えられます。

以下が例文です。

  • プロジェクトに参加できず、お役に立てず申し訳ございません。
  • 今回はお役に立てず申し訳ございませんが、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

返信は不要です

日程が決まって最終確認が終わった後、返信はいらない場合があります。その時は、返信が必要ないことを伝えると先方の負担を減らせます。細かいことですが、先方への気遣いを忘れないようにしましょう。

以下が例文です。
では、●月●日(月)14時からよろしくお願いいたします。返信は不要です。

まとめ

本記事では、アポイントメールの返信について例文つきで解説しました。

アポイントメールの基本構成を守って、返信はできるだけ早く送信しましょう。内容に誤りがないか確認し、件名は変更せず「Re:」の文字は消さないなどのマナーに気をつけます。さらに、お礼の言葉を含めると好印象です。

読みやすく見やすいメールパターンをいくつか用意していると、返信の手間を省けます。

本記事でご紹介した例文やビジネスフレーズを参考に、好感度の高い返信メールを作成しましょう。