テレアポで病む理由は?病まないための対処法や向き不向きの特徴は?

テレアポは多くの企業が取り入れる有効な営業方法です。しかし、一般的に成功率が低く、顧客から厳しく対応されることも珍しくありません。

働く人によっては、メンタルを病んでしまう人もいるでしょう。ただし、対処法を知ることで、心のダメージを少しでも緩和できるかもしれません。

本記事では、テレアポで病まないために以下を解説します。

テレアポで落ち込むことが多い人は、これらを参考に気持ちを切り替えてみてください。

しかし、無理は禁物です。強いストレスを感じる人は休みを取りましょう。

テレアポでメンタルが病む理由とは

テレアポでメンタルが病む理由は以下が考えられます。

  • アポイントが取りにくいから
  • 相手の感情がわかりにくいから
  • 理不尽なクレームや暴言を受けることがあるから
  • ノルマが厳しい場合があるから
  • モチベーションの維持が難しいから

それぞれを解説します。

アポイントが取りにくいから

テレアポの目的はアポを取り付けることです。しかし、そう簡単にアポは取れません。一般的に初心者のテレアポ成功率は0.1〜0.5%と言われています。

つまり、1000件に1件アポが取れるかという業務なのです。失敗率の高さゆえに、焦りが出ることが多いでしょう。

さらに、架電先から断りのネガティブな言葉を聞くことが多く、それが気持ちの落ち込みにつながります。

相手の感情がわかりにくいから

テレアポは電話を使用した営業です。つまり、相手の顔が見えません

顧客の感情を声だけで読み取る必要があり、自社のサービスに好意的なのか否定的なのか非常にわかりにくいです。

また、顧客が相槌を打たなくなると、自分の話を聞いているのか不安になることもあるでしょう。そういったことが何度も積み重なって、精神的に疲弊するのです。

理不尽なクレームや暴言を受けることがあるから

テレアポは時に理不尽なクレームや暴言を受けることがあります。

断りの言葉だけでなく、そういった悪意ある言葉をかけられると、精神的に大きなダメージにつながります。

さらに、話の途中で顧客が電話を切る「ガチャ切り行為」もストレスの原因です。話を聞いてもらえないと知らず知らずに、自己肯定感が下がる場合もあるでしょう。

ノルマが厳しい場合があるから

テレアポは会社によって「アポイントの獲得」や「架電件数」「担当者につないだ件数」などのノルマがあります。

厳しいノルマはテレアポをする上で、大きなプレッシャーにつながります。

また、同期入社の同僚と比較し、自分だけノルマ未達成の場合、肩身が狭い思いをするでしょう。そうなると、社内にいるだけで大きなストレスを感じます。

モチベーションの維持が難しいから

テレアポにとって、1日に100件以上の架電は珍しくありません。話す内容もトークスクリプトに沿ったものなので、同じ会話を繰り返します。

単調な作業なので、モチベーションの維持が難しくなりがちです。

また、基本的に断られることが多いため、成功体験が少なく、自分の業務に意味を見出せない人もいるでしょう。そして、やる気が削がれ、ストレスを感じやすくなるのです。

テレアポで病まないための対処法5つ


テレアポで病むかもしれないと悩んでいる人は、以下5つの対処法を試してください。

  • 成功率を上げる
  • 断られるのが当たり前だと割り切る
  • リフレッシュの時間をとる
  • 顧客のメリットを考える
  • いつ辞めてもいい気持ちを持つ

これらは今からテレアポを始める人が病まないためにも、必要な事柄です。

それぞれを解説します。

成功率を上げる

テレアポの成功率が上がれば、自然に自信がつき、前向きに業務を進められます。

テレアポの成功率を上げるためのコツは以下です。

  • 最初にサービスについて簡潔に説明する
  • 顧客目線でメリットを提案する
  • サービスに詳しくなる
  • トークスリプトを見直す

長々とサービスの説明をすると顧客に鬱陶しがられ、クレームをつけられるかもしれません。時間もかかり、非効率的です。

簡潔に説明することで、見込みのない顧客を早く選別し、架電件数を増やせます。

また、顧客目線でメリットを提案することも重要です。顧客にとってメリットが多ければ、「話を聞いてみよう」と感じやすいからです。その時に詳しいサービスの説明ができれば、信頼度もアップします。

そして、成功例や失敗例をもとに、トークスクリプトを何度もブラッシュアップし、成功率向上につなげるのです。

断られるのが当たり前だと割り切る

テレアポの成功率は上級者でも数%と高くありません。顧客にとって必要かわからないサービスを唐突に提案するから当然です。

つまり、断られるのが当たり前なのです。

断りの言葉は初心者にとって辛く感じる場合もあるでしょう。しかし、それが当たり前だと割り切れば、ストレスも軽減できます。

もし断られても、自分を責めることはありません。多くのテレアポがそうだと安心して、次に進みましょう。

リフレッシュの時間をとる

業務終了後や休日はできるだけ、リフレッシュの時間をとることが大切です。

スポーツや食事、映画・音楽鑑賞、趣味に没頭するなど、自分の好きなことをすれば、ストレス発散になります。

また、テレアポで嫌なことがあった時は少し高めのスイーツを食べたり、欲しかったバッグを購入したり、自分にご褒美をあげるのもおすすめです。

そうすることで、心が癒され、精神的な負担が和らぎます。

顧客のメリットを考える

テレアポをしていると「忙しい時にかけて申し訳ない」「必要ないのに紹介して鬱陶しいだろうな」とネガティブに考えがちです。

しかし、それだとサービスを提案する意味を見出せず、精神的に辛くなるでしょう。

逆に、サービスの良さを自身でも深く理解し、顧客に対してメリットの大きなサービスを「提案してあげている」と考えると気持ちが楽になります。

自分はお得な情報を提供していると自信を持つことで、顧客に対しての申し訳なさがなくなります。

いつ辞めてもいい気持ちを持つ

仕事は自由に選ぶ権利があるため、どうしても辛い場合は辞めても問題ありません。会社によって規定が異なりますが、基本的に2週間前の申し出で退職が可能です。

たとえ、人手不足であっても社員には辞める権利があります。最近では、退職代行サービスもあり、退職のハードルが下がっています。

「どうしても辞められない」と思うと精神的に追い詰められますが、「いつ辞めてもいいんだ」と思うと気持ちが吹っ切れ、負担が軽くなるでしょう。

テレアポを続けるメリット


テレアポはメンタルが病みやすいとはいえ、続けるメリットも数多いです。

例えば、以下が考えられます。

  • 給料が高い
  • 勤務形態の自由度が高い
  • スキルアップできる

それぞれを解説します。

給料が高い

テレアポはストレスが多く、スキルが求められるため、給料が高い場合が多いです。

基本給に加え、インセンティブがつく会社であれば、成功すればするほど給料が上がります。

アルバイトや派遣会社でも、高めの時給が設定されていることが多く、効率的に稼げるでしょう。

ただし、会社によっては、給料が割に合わない場合もあります。一度、自分の給料と他企業の給料を比較し、割にあっているか検討すると良いでしょう。

勤務形態の自由度が高い

テレアポは在宅ワークとしても人気です。さらに、勤務時間はシフト制で選べる場合が多く、朝が苦手な人は昼から、夜にゆっくりしたい人は朝からなど、融通がききます。

つまり、勤務形態の自由度が高いのです。

子育てや介護などの家庭の事情で、働ける場所と時間が限られる人にとって、テレアポはメリットの高い仕事といえます。

スキルアップできる

テレアポを続けていると、ビジネスマナーや正しい言葉遣いはもちろん、顧客との会話力、説明力、提案力が身につきます。

トラブルがあっても慌てず冷静に対応する力も、テレアポで得られるスキルです。さらに、続けることでメンタルが鍛えられ、ストレスに強くなる場合もあるでしょう。

これらは全てビジネスパーソンにとって大きな強みになります。また、他の業務でも活かせるので、転職の際も有利に働くでしょう。

テレアポに向いている人の特徴


テレアポに向いている人は以下の特徴があります。

  • 電話が得意な人
  • メンタルが強い人
  • 臨機応変な対応ができる人

それぞれを解説します。

自身に当てはまる部分があるか、考えながらご覧ください。

電話が得意な人

テレアポは電話が得意な人でないと続けられません。

家族や友達との電話ではなく、初対面の人と緊張せず電話できるかが重要です。

普段から人とのコミュニケーションが好きで、人見知りしない人なら電話が得意な場合が多いでしょう。

また、電話は身振り手振りができず、声のみで説明しなければいけません。頭を整理しながら会話する力が必要です。

メンタルが強い人

前述している通り、テレアポはストレスの多い仕事です。そのため、元々メンタルが強い人が向いています

メンタルが弱いと自覚しているのにテレアポを始めると、すぐに精神の不調をきたすかもしれません。

これまでの経験から自身のメンタルが強いかをよく検討した上で、テレアポを始めることをおすすめします。

臨機応変な対応ができる人

テレアポでは、臨機応変な対応ができる人が向いています

テレアポには、マニュアルやトークスクリプト(台本)があるため、それに従えば大丈夫と思う人もいるかもしれません。

しかし、時にはマニュアルに載っていないトラブルや顧客からの要望もあります。特に、顧客が怒っている場合、適切な対応をしないと大ごとに発展しかねません。

さまざまなパターンに対応できる応用力が必要です。

テレアポに向いてない人の特徴


反対に、テレアポに向いてない人の特徴は以下です。

  • 言葉を間に受けやすい人
  • 自分を責めやすい人

こちらもまた、自身に当てはまらないか考えながら、ご覧ください。

言葉を間に受けやすい人

テレアポを続けていると、サービスへのクレームだけでなく、自分の対応を否定される場合もあるでしょう。

理不尽なクレームは本来、気にしなくてもいいことです。しかし、性格によっては、言葉を間に受け、追い詰められる人もいます。

そういった人は、テレアポで他の人以上にストレスを抱える場合が多く、向いていません。

辛いだけなので、別の仕事を探しましょう。

自分を責めやすい人

自分を責めやすい人もテレアポに向いていません。

テレアポは成功率が低いのが当然です。しかし、自分を責めやすい人は「自分のせいで成功率が悪い」と自責の念に駆られます。

また、顧客に冷たい態度を取られると「自分が何かしたのでは?」と自分で自分を追い込みかねません。

テレアポはストレスが大きい仕事だと理解した上で、自分に合うかよく検討しましょう。

テレアポで病んでしまった時にすべきこと


テレアポで病まないように対策してもストレスが大きい場合、なかなか発散できず、限界を感じることもあります。

もしテレアポで病んでしまった時は以下を行うと良いでしょう。

  • 心療内科やカウンセリングを受ける
  • 休職して心身を回復させる
  • テレアポのない職場に転職する
  • コールセンターなどスキルを生かした転職をする

それぞれを解説します。

心療内科やカウンセリングを受ける

テレアポで働けないほどに病んでしまった場合、まずは心療内科を受診します。

それは、身体のためと仕事の休職に診断書が必要だからです。

また、心療内科に行くことで、ストレスからくる腹痛や頭痛、不眠などの不調に対する薬が処方されるかもしれません。ストレス反応が和らぐと気持ちも前向きになりやすいでしょう。

さらに、カウンセリングを受け、辛かった事柄や当時の気持ちを話すのもストレス軽減につながります。

診療方法は医師とよく相談し、自身にあったものを選択しましょう。

休職して心身を回復させる

病んでしまった時は、テレアポのことを忘れてゆっくり休みましょう。会社の規定に則って休職の手続きを行います。

休職すると一般的に「傷病手当」が受けられます。給料よりは減額されますが、無給より安心できるでしょう。

もし休職では気持ちが休まらない場合は、退職を検討します。その際は「失業手当」の申請を忘れずに行ってください。

とりあえず、身体を休ませることに専念し、その後のことは心身が回復してから考えます。趣味など自分の好きなことをして、健康を第一に過ごすことが大切です。

テレアポのない職場に転職する

テレアポのない職場に転職することで、ストレスが軽減できる場合もあります。

もし営業職を続けたいのであれば、テレアポの経験を生かした以下の業務がおすすめです。

  • リード(見込み顧客)へのフィールドセールス
  • メールやビジネスチャットで行うインサイドセールス

テレアポでは顧客が興味のないサービスを提案するため、迷惑がられることが多いです。

しかし、リードに対してのフィールドセールスであれば、顧客は自社のサービスに興味があるのが前提なので、当初から好意的に接してくれる場合がほとんどでしょう。

また、メールやビジネスチャットで行うインサイドセールスは、文章でのやり取りがメインです。直接顧客と接する機会が少ないため、テレアポよりストレスが減らせます。

これらは、テレアポで培った会話力や説明力、提案力などのスキルも活かせるため、ピッタリの転職先といえます。

コールセンターなどスキルを活かした転職をする

電話でのコミュニケーションは嫌いではないけれど、営業職は辞めたい人もいるでしょう。

そんな人には、コールセンターなど電話スキルを生かした転職がおすすめです。

テレアポはこちらから架電するアウトバウンド業務です。反対に、顧客から電話をもらうインバウンド業務であれば、迷惑がられることはありません。

例えば、各担当部署に電話を引き継ぐ「テレフォンオペレーター」やサービスの問い合わせに対応する「カスタマーセンター」が考えられます。

どちらも顧客の問題解決に役立つため、お礼を言ってもらえる機会が増え、やりがいを感じられるでしょう。

まとめ

本記事では、テレアポが病む理由やその対処法、向き不向きの特徴、病んでしまった時にすべきことなどを解説しました。

テレアポは顧客から迷惑がられることが多く、時に暴言を吐かれることもあります。そのため、病む人も少なくありません。

対処法は以下の5つが考えられます。

  • 成功率を上げる
  • 断られるのが当たり前だと割り切る
  • リフレッシュの時間をとる
  • 顧客のメリットを考える
  • いつ辞めてもいい気持ちを持つ

しかし、ストレスの多いテレアポはそもそも向き不向きがあり、向いていない人はより大きなストレスを抱えるため注意が必要です。

病んでしまった場合は、心療内科を受診し休職するなど、心身の回復に努めましょう。

もし転職することで解決する場合は、テレアポの経験を生かした転職がおすすめです。

リードへのフィールドセールスやメールなどのインサイドセールス、営業のないコールセンターなど、自身にあった新しい仕事を見つけてください。