2022.09.27
営業戦略の立て方全6ステップを徹底解説|営業戦術との違い、役立つフレームワークもご紹介
どんなに良い商品・製品・サービスがあっても、買ってもらわないことには利益があがりません。自社の商品・製品・サービスを買ってもらうためには、営業が必要です。
そして、営業は戦略的に行うことで、飛躍的に効果がアップします。したがって、営業戦略は事業を成功させるための大変重要な指針です。
しかし、営業戦略をどのように作ればよいのか、全く分からないという方も多いでしょう。
この記事では、営業戦略の策定方法や考え方、営業戦略策定に必要な分析方法などを詳しく説明しています。
最後までお読みいただければ、「営業戦略とは何か?」「どうすれば、よい営業戦略が立てられるのか?」といった疑問が氷解すること、請け合いです。
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目次
営業戦略とは?
営業活動の目的は売上を増やすことにあります。また、より効率的に、少ない労力で売上増を達成することも重要です。
ただがむしゃらに営業活動を頑張っても、思うような業績をあげることは困難です。
営業戦略とは、営業活動を効率的に行うための指針のこと。具体的には以下のような事柄を煮詰めるのが営業戦略の策定につながります。
- 売上高アップのためにどのような方向性で営業を行うのか。
- 効率的な営業活動のために現状と課題を見つけ、解決の指針を見定める。
営業戦略と混同しやすい概念として、「営業戦術」「マーケティング戦略」の2つがあげられます。
それではこれから、営業戦略とこれらの類似用語との違いを説明していきます。営業戦術やマーケティング戦略との違いを知ることで、営業戦略とは何かをしっかりと理解しましょう。
営業戦略と営業戦術の違いは?
営業戦略は営業活動の指針を定めるもの。対して、営業戦術は、営業戦略を実行に移す具体的な施策のことを言います。
例えば、営業戦略の一環として「営業担当者の事務作業時間を10%減らし、効率化を図る」という指針を策定したとしましょう。
これを実行するための具体的な方法を定めるのが営業戦術です。上の例では「書類のフォーマットを簡素化し、スマホで書類の入力・送信ができるようにする」などが営業戦術となります。
営業戦略とマーケティング戦略の違いは?
マーケティングは、顧客の要望を見定め、その要望に応えること。マーケティング戦略はそのための指針を策定することに他なりません。
したがって、マーケティング戦略には顧客のニーズを把握するための市場調査、ニーズを満たす商品企画・開発、販売戦略までが含まれます。
営業戦略は、マーケティング戦略の中の販売戦略と矛盾しないように策定しなければなりません。マーケティング戦略は、営業戦略よりも上位にある企業戦略と考えてよいでしょう。
営業戦略の立て方全6ステップをご紹介|これで戦略策定はOK!
営業戦略とは何かが掴めたところで、次に営業戦略の立て方について学んでいきましょう。
営業戦略は、有効な指針であることと、実現可能な指針であることが大切です。正しい営業戦略の立て方を踏襲することによって、営業戦略の有効性と実現可能性を担保することができます。
このような裏付けのある営業戦略であれば、実施する営業担当者も前向きに取り組むことが出来るでしょう。
営業戦略は、大まかに、次の6つのステップを踏んで策定します。
- 市場調査
- 自社の営業の現状を数値化・可視化する
- 自社の営業の現状を分析する
- 自社の営業課題を把握し明確化する
- コアコンピタンスを把握する
- コアコンピタンスを活かした営業戦略を立案する
項目を見ただけでは少し難しい印象がありますが、心配はいりません。以下、それぞれの内容について分かりやすく説明していきます。
市場調査
営業戦略策定における市場調査では、販売しようとする商品・サービスについて市場の状況・動向を調査・把握します。
顧客・ターゲットはどんな層で、どこにどれくらいの数がいるのか。該当商品・サービスの市場は競争過多の状況か、それとも競合はあまりいないのか。
こういったことを、客観的・定量的に把握するようにしましょう。
「◯エリアは競合が多い」という分析よりも、「◯エリアは、ターゲット△件に対し競合は▢社」の方が優れていることは言うまでもありません。
市場調査が詳細であればあるほど、営業戦略策定において頼もしいデータとなります。
自社の営業の現状を数値化・可視化する
営業の現状を数値化・可視化するのは、次の「自社の営業の現状を分析する」ための準備です。
営業にかかっている時間・営業の件数・営業のための経費など、数値化出来るものをまとめて集計します。
また、商談やクレームの内容など、普通には数値化できないものもデータとして収集します。こういうデータも、例えばクレームをタイプ別にまとめて件数を集計するなど、数値化してより分かりやすくした方がよい場合もあるでしょう。
自社の営業の現状を分析する
数値化・可視化ができたら、それらをもとに営業の現状を分析します。
分析とは、数値化したデータを解釈するということ。
「このデータを見てこう考えた」というだけでは不十分です。「このデータが意味するところはこうである。なぜなら…」というところまでやって初めて分析の名に値します。
といっても、数値やデータを分析する方法を知らなければ、なかなかしっかりとした分析は難しいもの。本記事の後半では、データの分析方法についても丁寧に説明していますので、どうぞ最後までお読みください。
自社の営業課題を把握し明確化する
営業の現状を分析すると、自ずと自社の営業課題が浮かび上がってくるはずです。それをピックアップして、書面に落とし込みましょう。
何にせよ文書化・データ化することが大切です。はじめはメモ書きでも、最終的にはある程度きちんとした書面にして下さい。
その過程で、必ずと言っていいほど、新たな発見があります。
また、課題の抽出では、必ずしも営業部門の努力では解決できないことも書き出すようにしましょう。製品・サービスそのものに不備があるとか、法律上の縛りである種の顧客に営業活動がかけられないといったことです。
これらは、営業戦略策定には直接関係なくとも、他部署と連携をとって解決すべき問題です。こうした問題を他部署や上役と共有して、全社的な問題解決に役立てましょう。
コアコンピタンスを把握する
コアコンピタンスとは、簡単にいうと「自社の製品・サービスに特有の強み」のことです。
機能・価格・デザイン性など、商品そのものに強みがあれば、それらを書き出します。
「自社製品には〇〇という機能がある」「他社の商品に対して◯%割安である」など、できるだけ具体的に把握することが大切。アフターケア、購入時に公的支援金を受ける手続きのサービスなどもコアコンピタンスの一角を担う事があるでしょう。
コアコンピタンスを活かした営業戦略を立案する
これまでのステップで得た情報をもとに、いよいよ営業戦略を立案します。
営業戦略の策定で最も重要なのは「強みを活かす」ことと「弱点をカバーする」ことです。
言い換えると、「コアコンピタンスを最大限に発揮し、営業課題を解決する」営業戦略こそが、すぐれた営業戦略であるといえます。
更に、効率性や実現可能性が必要なのはこれまで見てきたとおりです。ここまでのステップをきちんと行っていれば、自然に、効率性・実現可能性を意識した営業戦略の立案が出来ることでしょう。
営業戦略の具体的な進め方4ステップとは?
ここまで、営業戦略の立て方について学んできました。
しかし、最初に説明したとおり、戦略はあくまで指針でしかありません。営業戦略は、適切に実行されることによってはじめて意味を成すのです。
営業戦略を実行に移すための具体的な進め方は、以下に紹介する4つの順で行うのがよいでしょう。
- 立案した営業戦略を実行するための営業戦術を決める
- 各施策のKPIを設定する
- 各施策の進捗を可視化する
- 分析・改善する
項目だけでは難解ですが、これから順次、詳しく説明していきますのでご安心ください。
それでは、それぞれのステップについて見ていきましょう。
立案した営業戦略を実行するための営業戦術を決める
記事の最初の方で説明したように、営業戦術は、営業戦略を実行に移す具体的な施策のことです。
営業戦略が決まったら、それをどう実現するのか、その方法を具体的に決定します。これが、営業戦術です。
営業戦術を決める際のコツとして、「スケジュールを区切る」ことがあげられます。
営業戦略は中・長期的(年間・半期など)な戦略です。営業戦術策定では、短期的なゴールを設定し、それらを次々にクリアすることで、最終的に営業戦略が達成できるように組み立てます。
各施策のKPIを設定する
KPIは、「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」と訳されます。簡単に言うと「最終目標を達成するための中間的な目標」のことです。
営業戦略で定めた最終目標が「受注件数10件プラス」だとしたら、「商談回数50件増」「成約率10%増」などがKPIに該当します。
適切なKPIを設定するためには、市場調査や自社分析において客観的・定量的なデータ収集が欠かせません。
欲しい結果から逆算してKPIを定めるだけではなく、課題解決や効率化も考えて、実現可能な指標設定を心がけましょう。
各施策の進捗を可視化する
上記で説明したKPIの達成度を確認するために、データを収集して可視化します。
数値をただ並べただけでは、その意味するところや問題点が分かりません。表やグラフなどを駆使してみてみると、進捗度だけでなく、施策の課題も浮き彫りとなってきます。
KPIを数値で示し、営業戦略の各段階での達成度をみることで、計画の進捗を確認することが出来ます。実現が困難な計画であると分かれば、修正することも必要となるでしょう。
分析・改善する
データの可視化ができたら、それを分析します。施策(営業戦術)は、分析結果をもとに改善されなければなりません。
どんな営業戦術も、最初から完璧というわけにはいかないので、ブラッシュアップが必要です。
そのために、可視化したデータを用いてPDCAサイクルによる分析・改善を行います。
PDCAとは、「Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)」の意味。
「綿密に計画して、まずはやってみる。それから成果を評価して、計画を調整する」その繰り返しということですね。
営業戦略を立てる際に役立つ分析方法・フレームワーク4選
ここまで、営業戦略の立て方とその実行方法について詳しく説明してきました。
その中で、頻出した「分析」というワードについて、「分析ってどうやればいいの?」という方も多いと思います。
ここからは、営業戦略を立てる際に役立つ分析の方法を説明します。
分析にはフレームワークといって、いくつかの決まった型があります。その型に当てはめていけば、営業戦略のための分析が簡単に出来ますので、ぜひお試しください。
本記事で紹介するのは、以下4つのフレームワークとなります。
- 3C分析
- 4P分析
- SWOT分析
- 5フォース分析
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
3C分析
3C分析は、おおまかな営業環境を把握するための分析。「Customer(市場環境)・Company(自社環境)・Competitor(競合環境)」の3つのCをとって「3C分析」と呼ばれています。
全体像の把握のために必須のフレームワークです。
営業戦略を策定するためには、必ず最初に、3C分析を実施しましょう。
3つのCの中では、Customer(市場環境)分析からはじめるのが常套手段です。
4P分析
4P分析では、4つのPすなわち「Product(商品・サービス)・Price(価格)・Place(販売場所・提供方法)・Promotion(販促活動)」を詳細に分析します。
「どんな商品・サービスを、いくらで、いつ・どこで、どうやって」売るのか、を明文化して他の分析や営業戦略策定に役立てます。
あまりにも基本的なことなので軽視しがちですが、こうした事柄をきちんと文章にすることによって、営業戦略が見えてくるのです。
SWOT分析
「Strength(強み)・Weakness(弱み)・Oppotunity(機会・チャンス)・Treat(脅威)」をそれぞれ列挙するのがSWOT分析です。
一般に、「強み・弱み」は社内や商品そのものに属し(内的要因)、「機会・脅威」は法制度や市場動向など(外的要因)に属するとされています。
営業活動にかかわるこれらの要素を整理し、課題を抽出したり、ターゲットを絞り込むことがSWOT分析の目的です。
5フォース分析
ここでいうフォースとは、力の意味。圧力と言った方が分かりやすいかもしれません。
そのフォースが5種類ある。つまり、5フォース分析は自社の営業にとって壁となる事柄を整理・分析することです。
具体的な壁・脅威としては、「既存の競合・新規参入・代替サービスや商品・仕入先・売り先」の5タイプに分かれます。
例えば、仕入先については、仕入価格のアップを要求される脅威。売り先では、売価を値切られるおそれがあります。
5フォース分析を行うことで、営業戦略の策定においての方向性が分かりやすくなります。
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営業戦略の策定は、売上をアップするためのものです。そのためには、営業活動の効率化も欠かせません。
そのためには、より受注可能性が高いターゲットにピンポイントで営業をかけることが最も効果的です。
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まとめ
本記事では、営業戦略を上手に策定し、実行する方法について、詳しく説明してきました。ここまでお読みいただいた方は、しっかりとご理解いただけたことと思います。
また、この記事で紹介した各種分析方法は、営業戦略だけでなく、営業戦術やマーケティング戦略の策定などにも応用可能なテクニックです。
本記事で得た知識を、企業様の業績アップにお役立ていただければ幸いです。