2022.11.28
休眠顧客掘り起こしのポイント|タイミングやアプローチ方法も解説
今までに自社の商品やサービスを購入してくれたお客様であっても、商品に対する不満などが原因で購入を続けてくれるとは限りません。また、一度でも商品の購入を検討してくれた、いわゆる見込み客であっても全員が購入に至る可能性は低いでしょう。
BtoCビジネスとは違い、商品やサービスが次に必要になる期間が長く、一度の取引額が大きくなりがちなBtoBビジネスでは休眠顧客が増える傾向にあります。本記事では、そんな休眠顧客への効率的なアプローチや、掘り起こし方などを詳しくご紹介していきます。
休眠顧客の掘り起こしで困っておられる方は下記のボタンからお問い合わせください。
目次
休眠顧客とは?
休眠顧客とは、今までに商談や取引のお付き合いがあったけれど、何らかの理由によって今は全くお付き合いのない「休眠状態」になってしまった顧客を指します。前述の通り、BtoBビジネスはBtoCビジネスと違い、商品の取引金額が大きく商談成立までの検討時間が長引くため休眠顧客が多くなる傾向があります。
例えば、資料請求や商談などによる検討段階から、様々な企業各部署の社員が関わるのでどうしても取引成立まで時間が掛かりがちです。取引金額も大きくなると、社内稟議が通らないなどが理由で休眠化してしまうケースが出てきてしまいます。
だからといって、休眠顧客を放置して新規顧客ばかりを狙うのは得策ではありません。なぜなら、新規顧客を獲得するのは簡単なことではなく、休眠顧客を掘り起こして資産化する方が効率的な場合があるからです。ただ、休眠顧客を掘り起こすことは簡単なことではなく、しっかりと原因を分析して対策することが営業課題といえるでしょう。
休眠顧客掘り起こし5つのポイント
休眠顧客の掘り起こし方で大事な5つのポイントをお伝えします。
- 長期間休眠顧客にしない
- 休眠顧客への理解を深める
- 休眠顧客の選定をする
- アプローチ方法を使い分ける
- 顧客情報管理の徹底
長期間休眠顧客にしない
休眠顧客になってしまった場合、こちらからアクションを取らない限り、まず再購入には至りません。イベントやセール、キャンペーンの告知や最新情報の発信など、何かしらのアプローチを続けていく必要があります。商品やサービス自体に不満があり、値上げがきっかけで休眠顧客になることもあります。
常に新しいアプローチを続けていくことで、休眠顧客になっている期間を減らしていくことは可能ですが、やみくもに情報発信するだけでは効果は期待できません。
休眠顧客への理解を深める
休眠顧客は、一度は商品やサービスを購入してくれた方です。どういった理由でリピートしてもらえなかったのか、何が原因だったのかを特定して分析・対策することで、今後発生する可能性のある休眠顧客を大幅に減らすことができます。商品やサービスの品質向上には、休眠顧客への理解を深めることが必要不可欠となります。
休眠顧客の選定をする
休眠顧客の選定(ターゲットを絞る)必要があります。なぜなら、全ての休眠顧客にアプローチをかけるときは、どうしても当たり障りのない内容になってしまうからです。それでは離反した顧客が戻ってくる理由にはなりません。
- 1度だけ購入し、リピートがない
- 複数回購入していたけど、最近購入がない
など、セグメント(区分)に分けてより密なコミュニケーションをとる事で、休眠顧客の掘り起こし効果が見込めます。また、休眠顧客を選定することで費用も抑えられるので費用対効果も上がります。
アプローチ方法を使い分ける
休眠顧客へのアプローチ方法は主に「eメール送信」「ダイレクトメール(dm)」「電話(テレアポ)」があります。
- 値上げしてから休眠状態になった場合はキャンペーンや割引情報のメールやdmを送る
- 文字では伝えきることが難しい場合は、電話で直接話す
など、顧客属性や関係性を見極め、アプローチ方法を使い分けていきましょう。
顧客情報管理の徹底
顧客情報の管理を徹底することで、なぜ一度だけの取引で利用されなくなったのか、そもそも検討のみで終わってしまったのかという理由や原因を把握することができます。休眠状態になるまでの購入回数・購入頻度・購入金額の情報をしっかりとまとめておくことで、優先すべき顧客なのか、切り捨てる顧客なのかがわかります。
セグメント分けや休眠顧客向けのセミナー開催などの判断材料として役立てましょう。
休眠顧客掘り起こし3つの方法
休眠顧客を掘り起こす3つの方法をお伝えします。
- 休眠顧客へのメール配信(例文あり)
- 休眠顧客へのテレアポ
- 休眠顧客へのダイレクトメール(例文あり)
休眠顧客へのメール配信(例文あり)
顧客が商品やサービスから離反する大きな理由は3つあります。
- 商品やサービスへの不満
- 他商品やサービスへ移行
- 自身の変化
商品やサービスへの不満
商品やサービスの不満内容が、理解不足によるものだと推測できる場合は、オススメの使い方やメリットを再度訴求して伝えることが大事です。メール本文に、「率直なご意見やご不満をお聞かせください」というメッセージを記載して下さい。
顧客データとして収集することができ、休眠状態の顧客側からは、「不満や意見を聞いてくれた」というメッセージにもなり、再購入のきっかけになることもあります。
他商品やサービスへ移行
いくつかの商品やサービスを利用されていた場合、自社の商品を購入・利用していたことを忘れられることがあります。メール本文に、商品やサービスの写真を挿入することで、視覚的に商品やサービスを思い出してもらえます。
また、購入履歴として、「〇〇をご購入いただきありがとうございます。その後困った事などございませんか?」という文章を挿入し、利用していたことを思い出してもらうことが可能です。
自身の変化
商品やサービスには愛着があるが、年齢や生活環境の変化によって商品やサービスが合わなくなってしまうことがあります。例えば加齢が原因で離反したことがわかる場合、年齢にあった別商品やサービスをアプローチしましょう。
また、長く利用して頂いた顧客は、その商品やサービスに愛着があると考えることができます。ご紹介キャンペーンなどを本文に挿入することで、自然に宣伝してくれる効果も期待できます。
休眠顧客掘り起こしメールの例文(BtoB)
件名:その後いかがお過ごしでしょうか|株式会社□□ 木村
△△株式会社 いつもお世話になっております。 先日は、弊社サービス〇〇の資料請求・導入のご検討をいただきましてありがとうございます。 その後のお取り組みの状況はいかがでしょうか。 以前ご相談をいただいた際に、 ・メールやSNSで案件を獲得していきたい というお話もございましたので、ご参考にしていただける「顧客関心度を高め、メールやSNSで案件を獲得する方法」pdfをご共有いたします。 また、多くのお客様からご要望をいただいておりました、▽▽の販売を開始いたしましたので別紙にてご案内させて頂きます。 弊社◇◇商品に関しましても、率直なご意見やご不満がございましたらお聞かせ願えますと幸いです。 ご相談やご質問等がございましたら、お気軽にお声がけ下さいませ。
それでは、引き続き宜しくお願いいたします。 |
休眠顧客へのテレアポ
電話だと、不達や未開封といってことがないので確実に休眠顧客にアプローチできたかがわかります。また、営業電話が掛かってくることに嫌悪感を抱く方もいます。電話に出てくれないこともあり、逆効果になってしまうことがあるので注意が必要です。
休眠顧客へのダイレクトメール(例文あり)
メールやSNSで連絡を取り合う中、形に残る封書で届くダイレクトメールも根強い人気です。印刷ではなく手書きにしたり、前回商談時に話した内容を盛り込んだりすることで親近感を持ってもらえます。なにより、ペーパーレスが主流の中、ダイレクトメールを送ることで特別な感情や感覚を持ってもらえる機会になり得ます。
費用は掛かりますが、eメールよりも休眠顧客の感情に働きかけることができます。ダイレクトメールの挨拶文では、
- 読んだ人が「親近・親密感」や「特別感」を感じる内容になっている
- 投函者の人柄が現れている文章にする
- お得情報をしっかりと訴求し、販促効果を狙う
上記3つのポイントを抑えるようにしましょう。
休眠顧客掘り起こしダイレクトメールの例文(BtoB)
△△株式会社
代表取締役社長 〇〇様以前ご契約いただいた貴社だけに、◇◇ご紹介キャンペーンのご案内となります! 朝起きるのがつらい季節になってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか? 先日は、弊社の〇〇をご購入いただきまして誠にありがとうございました。 □□について、お困りの点やご不満などございましたら、お気軽にお申し付け下さい。 めっきり冷え込んでまいりましたので、くれぐれも体調をくずすことのないようお気をつけください。
只今、弊社では〇〇をご使用いただいたお客様限定で、別紙◇◇ご紹介キャンペーンを開催中しております!! |
休眠顧客となる3つの理由
休眠顧客となる3つの大きな理由をお伝えします。
- 商品やサービスに不満を抱えていた
- 商品やサービス購入が不要だと思っている
- 他社の商品・サービスの方が魅力的だった
商品やサービスに不満を抱えていた
「商品やサービスを購入したけど思っていたものと違った」となると、再購入は見込めずに休眠顧客になる理由になりえます。キャンペーンやセール告知の内容よりも、商品やサービスの実際の使用感が良くないと再購入(リピート率)は減少します。顧客が望む効果や不満を明確にし、改善・対策をおこなって再購入につなげていきましょう。
また、購入時の接客の対応が悪いなど、商品やサービス自体はすばらしくても再購入はしないといった理由になってしまいます。社内・社外研修で、接客やホスピタリティーの質を高めることも休眠顧客を作らない一つの要因となります。
商品やサービス購入が不要だと思っている
一度購入した商品に必要性を感じなくなり、再購入に至らない理由はさまざまです。前述で触れたように、加齢や生活環境の変化により商品やサービスが合わなくなると休眠顧客になることがあります。こういった顧客自身の変化によるものは、こちらからどんな訴求をしても休眠状態から掘り起こすことは困難です。
このような顧客には、変化した顧客の環境に合った商品やサービスを提供することで再購入を促すことができます。商品やサービスは、顧客の変化に伴って次の提案ができるようにしておくことが休眠顧客を作らない理由にもなります。
他社の商品・サービスの方が魅力的だった
自社の商品・サービスを購入してもらい、とても気に入って利用してもらっていたが、再購入までの時間が空いてしまい商品・サービスの良さもろとも忘れられてしまうことがあります。こういった、商品やサービスが悪いわけではない場合でも休眠顧客となる理由になってしまいます。
また、他社の商品・サービスに移行されていた場合の休眠状態の掘り起こしは簡単ではなく、とても困難なものになるでしょう。しかし、顧客にとってより価値のある新商品を作ることで、再購入を促す可能性が高くなります。前述した通り、「メール」「ダイレクトメール」「テレアポ」で新商品の存在を訴求することは、休眠顧客にとても効果があるといえます。
休眠顧客掘り起こしの3つメリット
休眠顧客掘り起こしの3つのメリットをお伝えします。
- 業務改善に繋がる
- 商談化しやすい
- 費用がかからない
業務改善に繋がる
休眠顧客にいたった理由を分析し、明確にすることで自社の不満や改善点・弱点が見えてきます。原因がわかれば、その情報を社内で共有して自社商品・サービスの改善・対策を講じることができるでしょう。また、再び休眠顧客にならないように仕組み化することで売り上げアップが期待できます。
商談化しやすい
今は休眠状態の顧客でも、過去に一度でも自社商品・サービスを利用してくれた見込み客となります。全く自社を知らない状態から、インバウンド・アウトバウンド営業をするよりも、顧客情報を保持しているので商談までの過程は短くなります。休眠顧客になった理由を調べ、その対策を講じてアプローチをすることで再び商談に持ち込むことが可能です。
「なぜ休眠状態になってしまったのか」、購買履歴や休眠期間などを把握し、休眠顧客の理解を深めることがとても大切です。
費用がかからない
休眠顧客は一度開拓済であるため、ゼロから顧客を開拓するよりも効率的に利益を創出できる場合があります。休眠顧客の掘り起こしに成功した場合、商品・サービスを再利用してもらえるので、新規顧客を獲得するよりも低コストで自社の売り上げを伸ばすことができます。
一概には言えませんが、「新規のお客様を獲得」するには「既存のお客様」の5倍のコストがかかるという「1:5の法則」があります。それによると、既存のお客様である休眠顧客を掘り起こす方が維持コストの軽減になり、LTV(顧客生涯価値)も高まる効果が期待できます。
休眠顧客掘り起こしの2つのデメリット
休眠顧客掘り起こしの2つのデメリットをお伝えします。
- 顧客情報が整理されていないと工数がかかる
- 優先順位が分からず非効率
顧客情報が整理されていないと工数がかかる
顧客情報が名刺のままデジタル化されてなく、会社ではなく担当者単位で顧客名簿を管理している場合などは、セグメント分けにとても時間がかかります。とても効率が悪く、経費もかかり売り上げにも影響するので要改善ポイントです。自社の顧客を分析し、休眠顧客になる可能性がある内容を洗い出し、その情報をいつでもソートできるように顧客情報をまとめておく必要があります。
顧客情報をもとに、年代・性別・居住エリアなどの属性情報でセグメント分けができます。また、「新サービスをよく利用してくれる人」「安価な商品を好んで購入してくれる人」「高額商品を好んで購入してくれる人」など、過去の購入履歴をヒントにソートできるとかなりの時間短縮になるでしょう。
優先順位が分からず非効率
数百~数千件となる全ての顧客状況を把握するのが難しく、顧客のニーズ・自社シーズが把握しきれない状態で営業をしていくことになりがちです。顧客がどんなサービスを求めているのかわからないと、適切にアプローチすることが難しくなり、とても営業効率が悪くなってしまいます。
顧客リストにやみくもにアプローチするだけでは、自社の強み・弱みを把握できる機会を損失しているのと同等となるでしょう。
まとめ
ここでは、休眠顧客掘り起こしの「ポイント」「方法」「理由」「メリット・デメリット」についてお伝えしました。休眠顧客は、自社に一度でも興味を示してくれているので、新規顧客を獲得するよりは掘り起こす方がハードルは低いでしょう。しかし、商品やサービス内容、休眠顧客の属性によってアプローチ方法はさまざまです。
ここでお伝えした内容を参考に、適切なアプローチをすることで休眠顧客を掘り起こせるようにしていきましょう。
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