町工場が新規取引先を増やすには、自社の強みを整理したうえで、今の時代に合った複数のアプローチを組み合わせることが近道です。
「飛び込み営業を続けているが成果が出ない」「どこに営業をかければいいかわからない」——そんな悩みを抱える町工場の経営者・担当者の方に向け、この記事ではすぐに実践できる新規開拓の方法を、優先順位とともにわかりやすく解説します。
オフラインの営業手法から、Webを活用した集客、外部サービスの活用まで、自社の規模・リソースに合わせて選べる選択肢を幅広く紹介しています。ぜひ自社の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
町工場が新規取引先を開拓できない4つの理由

キャディ株式会社「町工場の販路開拓に関するアンケート調査」(2020年9月)では、町工場104社のうち71%が販路開拓に課題を感じていると回答しています。また中小企業白書(2015年版)でも、約60%の企業が「新規顧客・販売先の開拓」を第1位の経営課題に挙げました。
こうした課題の多くは、個人の努力不足ではなく構造的な問題に起因しています。4つの理由を整理することで、自社が抱える壁を客観的に把握できます。
- 営業ノウハウが社内に存在しない
- どの企業にアプローチすればよいかわからない
- 営業活動に使える時間・人員が確保できない
- 間違った方法を繰り返しているだけで改善されない
理由①:営業ノウハウが社内に存在しない
町工場の多くは「良いものを作れば取引が来る」という職人気質の文化が根強く、受け身の姿勢が定着しやすい環境にあります。
新規開拓に必要なターゲット選定・提案書作成・商談クロージングといった体系的スキルを持つ人材が社内にいないケースがほとんどです。あいち産業振興機構の営業支援マニュアルでも、「新規開拓をどうすればよいか考え始めても、複雑さと煩雑さから短時間で考えることを止めてしまう」という状態が多くの中小企業に共通すると指摘されています。
製造現場の技術者が営業を兼任するケースでは、技術は流暢に語れても、調達担当者に刺さる提案ができないという問題が生じやすくなります。
理由②:どの企業にアプローチすればよいかわからない
キャディ株式会社の調査では、コロナ前後で主要顧客の業界数が「変化なし・減少」と答えた合計が97%に達しており、業界を跨いだ販路開拓の難しさが浮き彫りになっています。
自社の加工領域に合うターゲット企業(業種・規模・調達ニーズ)を特定する方法が確立されていないことが、アプローチの出発点で躓く原因です。
ハンモック社の新規営業実態調査(2022年、322名対象)によると、営業リストの質・量・鮮度に課題を感じている企業は約9割にのぼります。さらに「ターゲットを絞ったリスト作り」が新規開拓の成功に最も必要と回答した割合は52.8%でした。
口コミや紹介に頼るだけでは、取引先の幅はほぼ広がりません。アプローチ先を体系的に選ぶ仕組みがなければ、営業活動は始まりません。
理由③:営業活動に使える時間・人員が確保できない
製造業では少人数体制が一般的で、経営者や現場責任者が製造・品質管理・工程管理を兼務しています。営業に割けるリソースが慢性的に不足するのは、構造的な必然と言えます。
新規開拓には既存顧客対応の5倍のコストがかかるとされる「1:5の法則」もあり、どうしても既存顧客対応が優先されがちです。一方で、日本政策金融公庫の調査(Sales Crowdコラム引用)では、経営基盤強化のために注力すべき分野として「営業・販売力の強化」と答えた企業が62.0%に達しています。
重要だとわかっていても手が回らない——この矛盾が、後回し習慣を生み出す根本原因です。営業専任者を置けない規模感の町工場では、トライ&エラーを繰り返す時間的余裕もなく、問題が先送りされ続けます。
理由④:間違った方法を繰り返しているだけで改善されない
「とりあえずやっている」状態に陥ると、活動量は増えても成果につながる仕組みにはなりません。あいち産業振興機構の解説でも、この状態が多くの中小企業に見られると指摘されています。
新規開拓には「アプローチ数(量)× 提案内容(質)」の両輪が必要ですが、量のみ・質のみに偏った営業活動を繰り返しているケースが目立ちます。
ハンモック社の調査では、飛び込み営業が最も減少した業種の1位が製造業(33.3%)という結果も出ており、旧来の手法を踏襲するだけでは効果が出にくい現実があります。さらに営業フローが属人化・属経験化していると、うまくいった理由・失敗した理由が記録されず、PDCAが一切回りません。
- 成功・失敗の要因が記録されず、次に活かされない
- 量か質のどちらか一方しか改善しない
- 時代に合わない旧来手法をそのまま続けている
- 営業フローが一人の経験に依存している

SakuSakuは、採用倍率70倍を勝ち抜いた営業アシスタントが問い合わせフォームに営業文を送付する、人による問い合わせフォーム営業代行サービスです。AIではなく人が一件ずつ送信するため、フォーム入力エラーや送信できない企業が少なく、1通40円から問い合わせフォーム営業を始められます。
SakuSakuの特徴は以下の通りです。
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- すべて人が送信することによる高い送信成功率
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部品メーカー、加工業者、機械製造業など町工場経営者が抱える「営業人員の限界」「既存顧客頼みの経営」といった課題に対し、業界特性を理解した提案文で発注企業の問い合わせフォームに届けられます。
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新規取引先開拓を始める前に準備すべき3つのもの

闇雲に企業リストへアプローチしても、成約率はなかなか上がりません。まず自社の加工実績を棚卸しし、ターゲットを具体的に絞り込むことが第一歩です。準備なしに動き始めると、アプローチ数だけ増えて成約ゼロという典型的な失敗パターンに陥りやすくなります。
以下の3つを整備してから動き出すことで、限られた時間とリソースを無駄にしません。
- ターゲット企業の選定と優先順位づけ
- 技術力を伝える製品事例集の作成
- 商談用提案書のフォーマット化
準備①:ターゲット企業の選定と優先順位づけ
ターゲット選定の基本は、「業種・エリア・企業規模」の3点を最初に決めることです。(参考:公益財団法人あいち産業振興機構「新規開拓営業の全体像」)。まず過去の受注案件を棚卸しして、「どの業種・どんな加工内容で受注できているか」を可視化するところから始めましょう。
優先度が高いターゲットの目安は次の3タイプです。
- 自社の設備・加工精度とマッチする業種の企業
- 既存取引先と同業・競合関係にある企業
- 補助金採択や設備投資報道など、投資フェーズにある企業
これらを「業種適合度×企業規模×地理的近接性」でスコアリングし、上位50社程度から着手するのが現実的な出発点です。帝国データバンクや日刊工業新聞、製造業マッチングサービスの発注ニーズも、リスト作成の参考になります。
準備②:自社の技術力を伝える製品事例集の作成
製造業の技術は「口頭で説明しにくい」という特性があります。(参考:山善「製造業の新規取引先開拓でお悩みの方必見!営業課題を解決する手法とは?」)。だからこそ、加工品の写真・材質・公差・納期実績をセットにした事例ページを用意することが、商談の質を大きく左右します。
事例集に盛り込むべき情報の構成例はこちらです。
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 加工種別 | 切削・プレス・溶接・板金 など |
| 対応素材 | SUS・アルミ・鉄・チタン など |
| 精度・公差 | ±0.01mm、IT6級 など |
| 写真・図面 | 守秘義務に配慮した形で掲載 |
| 数量・納期 | 量産ロット数、リードタイム実績 |
1事例につきA4・1ページにまとめ、PDF版(メール添付・商談持参用)とWeb版(HP・マッチングサービス登録用)の両方を用意するのが理想です。専門用語には平易な補足を添えることで、調達担当者が社内で共有しやすくなります。
準備③:商談で使う提案書のフォーマット化
提案書をフォーマット化する目的は、属人化の排除・商談品質の均質化・短時間での準備の3点です。毎回ゼロから作るのは時間もかかり、担当者によって内容がバラつく原因になります。
提案書に最低限含めるべき要素は以下のとおりです。
- 自社の加工領域と強み
- 対応可能な素材・精度・ロット規模
- 品質管理体制(ISO取得有無など)
- 代表的な加工事例3〜5点
- 見積り・試作の問い合わせ窓口
さらに、先方の調達課題をヒアリングした後に差し替えられるモジュール型(差し込み式)にしておくと、相手企業に合わせた提案をすばやく作れます。
提案書は紙1〜2枚のA4サイズに収めましょう。購買担当者が持ち帰りやすく、上司への回覧もスムーズになります。情報を詰め込みすぎると逆効果です。
- 業種・エリア・規模の3軸スコアリングによる上位50社への着手
- 加工種別×素材×精度を一覧化したPDF・Web両形式の事例集
- A4・1〜2枚のモジュール型提案書の設計
町工場が使える新規取引先開拓の方法6選

新規開拓のアプローチは大きく「アウトバウンド営業(こちらから働きかけるプッシュ型)」と「インバウンド営業(問い合わせを引き寄せるプル型)」の2種類に分けられます。どちらか一方に頼るより、両方を組み合わせることで効率が高まります。
法人営業担当者322名への調査(株式会社ハンモック「新規営業に関する実態調査」2022年)によると、新規開拓手法として「テレアポ53.1%・営業メール42.9%・紹介39.4%・飛び込み営業33.9%」の順で活用されています。以下では、各手法のメリット・デメリットと町工場への適合性をご紹介します。テレアポの具体的な手順と商談の進め方は後続のセクションで詳しく解説します。
- テレアポ(電話営業)
- オープン調達・ビジネスマッチングサービスの活用
- 展示会・商談会への出展
- 自社ホームページ・Webコンテンツの活用
- 紹介営業(既存顧客・取引先からの紹介)
- 営業代行サービスへの外部委託
方法①:テレアポ(電話営業)
テレアポは、移動コストをかけずに短期間で多数の企業に直接アプローチできる手法です。知名度が低い段階でも担当者に直接声を届けられる点が、町工場にとっての大きな強みになります。
断られる率が高く、担当者に取り次いでもらえないケースも多いのが現実です。また、トークスクリプト(話す内容の台本)の品質が成果に直結するため、事前の準備が欠かせません。
方法②:オープン調達・ビジネスマッチングサービスの活用
製造業マッチングサービスとは、「発注したい企業と受注したい企業を結ぶBtoBサービス」です(出典:テクノア「製造業マッチングサービスとは?仕組みと利用メリットを解説」)。国内BtoB-EC市場規模は2024年に514.4兆円・EC化率43.1%まで拡大しており(出典:Mallento「製造業マッチングサービスおすすめ11選」)、製造業でも調達のオンライン化が進んでいます。
受注側は自社の設備・得意分野・実績をプロフィールに掲載し、案件を受ける形が基本です。得意加工領域を絞り込んで見せることが、問い合わせ獲得のコツになります。
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
| Mitsuri | 金属加工に特化 |
| カナメタ | メーカーと町工場を直結 |
| IPROS | 165万人超の会員・6万社超が登録 |
| リンカーズ | ものづくり分野に特化 |
| 比較ビズ | 複数業者の見積もり比較に対応 |
掲載費用が発生するサービスもあり、効果が出るまでに一定の時間がかかります。プロフィールの作り込みなど、初期設定への投資は必要と考えておきましょう。
方法③:展示会・商談会への出展
展示会は短期間で多数のバイヤー・購買担当者と対面でき、実物サンプルや試作品を直接見てもらえる貴重な場です。名刺交換で見込みリストを一気に構築できる点も魅力です。
一方で、小間料(ブースの区画料)や装飾費など出展コストが高く、準備工数もかかります。商談に繋がらないケースも少なくないため、費用対効果の見極めが重要です。
地域の商工会議所や産業支援機関が主催する「商談会(バイヤーとサプライヤーのマッチング型)」は、展示会より商談確率が高く、中小規模の町工場が初めて参加するには取り組みやすい形式です。
方法④:自社ホームページ・Webコンテンツの活用
現在の購買担当者は、営業担当者に会う前にインターネットで情報収集を済ませていることが多く、ホームページが営業の第一接点になる時代です(出典:バリューファックス「製造業の営業を成功させる効果的な手法」)。
24時間365日稼働する見込み客獲得の仕組みを構築できる点が最大のメリットです。ただし、SEO(検索エンジン最適化)の効果が出るまでに数ヶ月〜1年以上かかることや、コンテンツの継続更新が必要な点はデメリットとして把握しておきましょう。
優先して整備すべきページは次の4つです。
- 加工技術・対応領域の一覧ページ
- 写真付きの加工事例ページ
- 設備一覧・スペック一覧ページ
- 問い合わせフォーム
方法⑤:紹介営業(既存顧客・取引先からの紹介)
紹介営業は、新規開拓の中で最も取引に繋がりやすい手法です(出典:機械商社営業「新規開拓ターゲット先の探し方8選」)。紹介者の信頼がそのまま引き継がれるため、初回から警戒されることなく話を聞いてもらいやすい状態からスタートできます。先述のハンモック社調査でも、紹介は新規開拓手法の3位(39.4%)に挙げられています。
コストがほぼゼロで成約率も高い反面、既存顧客との信頼関係が大前提になります。自社主導でタイミングをコントロールしにくい点もデメリットです。
「紹介してほしい」と依頼するより、依頼される関係性を先に作ることが重要です。日々の取引における納期・品質・対応速度を高めることが、紹介の最大の前提になります。また、材料業者・設備業者など取引先のサプライヤーからの横展開も、見落とされがちな有効な紹介ルートです。
方法⑥:営業代行サービスへの外部委託
営業代行とは、自社の代わりにアポ獲得や新規開拓を行う外部サービスです。営業専任者を雇用するリスクなしに即戦力の営業機能を確保でき、特定期間・特定ターゲットへの集中した開拓が可能になります。
ただし、製造業・金属加工業に特化した知識や経験がない代行会社では成果が出にくい点に注意が必要です。費用体系は月額固定型と成果報酬型があり、初期は成果報酬型を選ぶとリスクを抑えやすいです。
- 即効性のあるテレアポと紹介営業
- ホームページやマッチングサービスの活用
- 展示会出展や営業代行などの予算型手法
テレアポで新規取引先にアポを取るための具体的な手順

テレアポは移動の手間なく短期間に多くのターゲットへ直接アプローチできるため、営業専任者がいない町工場に向いた手法です。ただし、闇雲に電話するだけでは成果が出ません。ここでは「担当者の特定→強みの伝達→課題引き出し」という3ステップの手順を解説します。
- 本社電話による購買部直通番号の特定
- 購買部への加工領域と強みの端的な伝達
- 調達課題の引き出しによる商談への誘導
STEP1:本社代表に電話して購買部の直通番号を特定する
最初から購買部へ直接電話できるケースは多くありません。まず代表番号に電話し、「部品の調達や外注に関してご相談したいのですが、担当部署をお教えいただけますか」と伝えることからはじめましょう。
受付・秘書などのゲートキーパーには、「加工外注の件」「資材部のご担当者」のように用件を簡潔かつ具体的に伝えます。曖昧な言い方は断られる原因になるため、一言で業種・目的がわかる表現を選んでください。
担当部門名・担当者名・直通番号を記録し、次回からは直通へ電話できる状態にしましょう。電話する前には、相手企業のHPの問い合わせページや帝国データバンクなどの企業データベースを参照して、ターゲットリストを事前に整備しておくと効率が上がります。
STEP2:購買部に自社の加工領域と強みを端的に伝える
購買担当者は多忙です。冒頭30秒以内に「誰が・何を・どんな強みで・なぜ電話したか」を完結させることが鉄則です。以下の構成でスクリプトを準備しておきましょう。
- 社名・自己紹介(約5秒)
- 加工領域の一言説明「○○加工を専門とする町工場です」(約5秒)
- 実績・強みの一点突破「◯◯素材の難削材を精度±0.01mmで対応できます」(約10秒)
- 用件「一度、御社の外注状況をお聞きしたく」(約10秒)
購買担当者が知りたいのは「自社の調達課題を解決できるか否か」です。自社アピールより課題発見に重きを置いたトークのほうが響きます。
電話では商品説明や価格の話に踏み込まないことが重要です。「訪問のアポイントを取ること」を最優先目標に設定し、詳細は対面で伝えましょう。
STEP3:先方の調達課題を引き出して商談につなげる
強みを伝えたあとは、短い質問で相手の課題を引き出します。「現在、◯◯の加工で既存外注先に不満はありますか?」「特急対応が必要になるケースはありますか?」のような質問が有効です。
断り文句には柔軟に対応しましょう。「今は外注先が足りている」と言われたら、「今後の増産やスポット対応の際に候補として覚えておいていただけますか」と返し、資料送付の許可を求めます。
アポ獲得後は、日時・場所・参加者(購買責任者の同席も依頼)・当日持参する資料を事前に共有しておくと商談がスムーズです。アポに至らなかった場合も、資料送付の許可が得られた企業は「見込みリスト」として管理し、定期フォローの対象に加えましょう。
- 冒頭で会社概要を長々と話し、担当者に電話を切られる
- 電話中に価格・納期の具体的な話に踏み込みすぎて商談機会を失う
- 断られた企業を即「失注」扱いし、フォローリストに入れずに終わる
- 担当者名・直通番号を記録せず、毎回代表番号から電話し直している
商談で新規取引先を獲得するための具体的な進め方
テレアポでアポを取れたとしても、商談を受注につなげるまでには別のスキルが必要です。商談まで進むのに成約に至らない場合は、アプローチのタイミングか、商談フローのどこかに問題が潜んでいることがほとんどです。
ここでは「試作・サンプル加工の依頼を獲得する」ことを初回商談のゴールに設定し、そこから逆算した3ステップの進め方を解説します。
- ヒアリングによる調達課題・困りごとの明確化
- 製品事例集を活用した技術力と対応実績の提示
- 試作・サンプル加工依頼への導線づくり
STEP1:調達課題・困りごとをヒアリングで明確にする
商談の冒頭は、自社紹介より先方のヒアリングから入りましょう。最初に話しすぎると相手の関心が薄れます。まずは相手の現状と困りごとを引き出すことに集中してください。
聞くべきテーマは主に3つです。「現在の外注先への不満・課題」「よく起きるトラブル(納期遅延・品質不良・急な依頼への対応不可など)」「今後の生産計画や新製品開発の予定」です。これらを自然な会話の中で確認していきます。
また、顧客の事業戦略を深く理解し、先回りした提案を行うことが重要です。(出典: 山善「製造業の新規取引先開拓でお悩みの方必見!」)
課題を聞くだけでなく、中期的な調達ニーズを想定した質問も用意しておくと、提案の幅が広がります。
- 加工内容(材質・形状・精度)
- 発注ロット・頻度
- 現在の外注単価(可能な範囲で)
- 意思決定者は誰か
STEP2:製品事例集を使って技術力と対応実績を示す
ヒアリングで課題が把握できたら、それに合う自社の事例を提示します。事例集の中から「類似の材質・精度の加工実績」を抜粋して見せることで、相手は「この会社なら対応できそう」と具体的にイメージしやすくなります。
製造業では実際の製品を見て触れることが重要です。(出典: バリューファックス「製造業の営業を成功させる効果的な手法」) 可能であれば、サンプルや実物部品を持参して手に取ってもらうと印象が格段に変わります。
提示する内容は欲張らず、競合との差別化ポイントは1〜2点に絞って明確に伝えるのが効果的です。「◯◯の加工は弊社の得意領域で、精度◯◯μmを安定して出せます」のように、数字を使って具体的に示しましょう。
- 類似材質・精度の加工実績
- 品質管理体制(測定器・検査体制)
- 納期実績(特急対応の有無)
STEP3:試作・サンプル加工を依頼させる導線をつくる
初回商談で「いきなり受注」を狙うのは現実的ではありません。まずは試作・サンプル加工の依頼を獲得することをゴールに設定しましょう。
相手にとってのメリットも明確に伝えます。「試作なら発注リスクがなく、実際の品質・精度を確認してから判断できる」と伝えることで、先方が動きやすくなります。
図面を受け取る際は、NDA(秘密保持契約)の締結を忘れずに行うことが信頼構築の第一歩です。その後の見積りは2〜3営業日以内に返すことを目標にしてください。スピードが信頼感に直結します。
試作後は納品しっぱなしにせず、「品質・精度・納期はいかがでしたか」と確認の連絡を入れます。フィードバックを次の提案に活かすことで、関係が深まっていきます。
- 試作・サンプル加工の依頼を獲得する
- 品質・納期の評価をもらい小ロット量産へ移行する
- 定期発注・安定取引へと関係を深める
新規取引先開拓の成功率を高める4つのコツ

個別の営業手法を実践するだけでは、継続的な成果にはつながりにくいのが現実です。ここでは「やりっぱなし」にならないための構造的な改善ポイントを4つ整理します。市場環境の変化も追い風になっているため、タイミングを活かした動き方も確認しておきましょう。
- 加工種別×素材・精度による自社の強みの言語化
- 営業フロー標準化による属人化の防止
- 既存顧客フィードバックの提案への継続的反映
- 廃業増加・サプライチェーン再編タイミングの活用
コツ①:自社の強みを「加工種別×得意な素材・精度」で言語化する
キャディ株式会社の調査によると、町工場の多くが「ニッチな分野を得意としているため、自社の強みと顧客ニーズの合致が難しい」と感じています。強みが言語化されていないと、ターゲット選定もトークも提案書もすべてが曖昧なままになってしまいます。
(出典:キャディ株式会社「町工場の販路開拓に関するアンケート調査」(2020年9月))
言語化の手順は以下の3ステップです。
- 現在受注している加工品を一覧にする
- 素材・加工方法・精度・ロット規模で分類する
- 受注が多い・利益率が高いカテゴリを「得意領域」として定義する
こうして言語化した強みは、事例集・HP・マッチングサービスのプロフィール・テレアポスクリプトに一貫して反映させることが重要です。営業全体に統一感が生まれ、問い合わせの質も上がっていきます。
コツ②:営業フローを標準化して属人化を防ぐ
営業専任者がいない町工場では、「社長が気合で動いている」状態になりがちです。しかしフローが属人化したままでは、担当者が変わるたびに成果がリセットされてしまいます。
標準化しておきたい主な要素はこちらです。
- テレアポスクリプト
- ターゲットリストのフォーマット
- 商談チェックリスト
- 事例集・提案書テンプレート
- フォローアップのタイミングと内容
加えて、成果が出た理由・出なかった理由をぜひ記録し、定期的に見直すPDCAサイクルを回すことが属人化解消の第一歩です。フロー・テンプレートさえ整備されていれば、社長・工場長・事務スタッフでも一定水準の営業活動が可能になります。
コツ③:既存顧客のフィードバックを提案に反映し続ける
新規開拓に注力するあまり、既存顧客との関係が薄くなるのは本末転倒です。品質だけでなく、納期・コスト・対応速度についても継続的に改善し、顧客にとって欠かせないパートナーの地位を確立することが重要です。
具体的には、既存顧客から定期的にフィードバックを収集し、その改善点を新規顧客への提案に活用する流れを意識してください。既存顧客の満足ポイントは、そのまま新規顧客が知りたい情報でもあります。事例集に落とし込むことで、説得力のある営業ツールになります。
また、満足度の高い既存顧客は紹介営業の起点にもなります。強みの言語化・営業フローの標準化と組み合わせることで、開拓の効率がさらに高まります。
コツ④:廃業増加・サプライチェーン再編のタイミングを逃さない
市場環境の変化は、町工場にとって大きなチャンスでもあります。中小企業庁の2025年版中小企業白書によると、2024年の倒産件数は10,006件と増加傾向にあり、休廃業・解散件数も増加に転じています。そのうち小規模事業者が占める割合は一貫して9割超です。
(出典:中小企業庁「2025年版 中小企業白書 第8節 開業、倒産・休廃業」)
さらに帝国データバンクの調査によると、2024年の休廃業・解散企業では経営者の平均年齢が71.3歳と調査開始以来最高齢を更新。後継者不在による廃業が増加しており、既存サプライヤーが廃業した発注企業は急ぎ代替先を探す傾向があります。
(出典:帝国データバンク「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2024年)」)
このタイミングを活かすための具体的なアクションは次の通りです。
- 地域の工場廃業ニュースや日刊工業新聞をウォッチする
- 廃業する工場の既存取引先(発注企業)にタイムリーにアプローチする
- 大手メーカーのサプライチェーン見直し・国内回帰の動向を把握する
- 強みを「加工種別×素材・精度」で言語化し、営業全体に一貫して反映する
- テレアポ・商談・フォローのフローをテンプレート化し、属人化を防ぐ
- 既存顧客のフィードバックを事例集に落とし込み、新規提案に活用する
- 廃業・サプライチェーン再編の情報をウォッチし、代替先を探す発注企業に素早くアプローチする
よくある質問
Q新規取引先の開拓はどこへ連絡するところから始めればよいですか?
Aまず「自社が対応できる加工領域×ターゲット業種」を明確にしてから動き始めることが大切です。ターゲットが曖昧なまま連絡しても、成果につながりにくくなります。
最初のアクションとして参入障壁が低い順に挙げると、①既存顧客・取引先への紹介依頼、②製造業マッチングサービスへの登録、③テレアポリストの作成と架電開始の3つです。
連絡先の特定は、ターゲット企業のHP(お問い合わせ欄・代表番号)→本社代表→購買部の順でアプローチするのが基本です。リスト整備から着手するという原則を守ることで、無駄なアクションを減らせます。
Q仕入れ先・発注元の開拓にビジネスマッチングサービスは有効ですか?
A受注側の町工場にとって有効な手法です。自社の設備・得意分野・実績を掲載し、発注企業からの問い合わせを受ける「インバウンド型」の開拓として機能します。
サービスの種類によって特性が異なります。Mitsuriやカナメタなどの受発注マッチング型は即効性が高く、リンカーズのような技術探索型は高度技術・共同開発案件に向いています。
有効活用のコツは、プロフィールに「得意加工×素材×精度」を具体的に記載し、写真や加工事例を充実させることです。一方で、掲載費用が発生するサービスも多く、すぐに成果が出ない場合もあります。テレアポや紹介営業と並行して使うことをおすすめします。
Q営業専任者がいない町工場でも新規開拓できますか?
Aできます。ただし「営業フローの標準化」と「時間の意図的な確保」が前提条件になります。
まず週2〜3時間の「営業時間」をカレンダーに確保し、テレアポ・マッチングサービスへの対応・フォローアップに充てる習慣をつくりましょう。標準化されたスクリプトやテンプレートがあれば、社長・工場長・事務スタッフでも一定の営業活動が可能です。
ビジネスマッチングサービスへの登録や営業代行の活用は、「人員がいなくても仕組みで集客する」方法として特に有効です。自社のリソースに合わせて組み合わせてみてください。
Q営業代行を使う場合、どんな業者を選べばよいですか?
A最重要ポイントは、製造業・金属加工業の営業経験・実績があるかどうかです。業界知識がなければ技術的な会話ができず、購買担当者に響くアプローチができません。
契約前に確認すべき項目は次の4点です。①製造業クライアントの実績と事例、②料金体系(固定費型・成果報酬型・併用型)、③担当者の製造業知識レベル、④KPIの設定範囲(アポ数・商談数・受注数のどこまでコミットするか)。
初期段階では成果報酬型から試すとリスクを抑えやすくなります。また、「どんなスクリプトで・どんなリストに・どんな頻度で架電するか」を契約前に確認し、自社のターゲットと強みを正確に伝えることが成果の鍵です。
Qテレアポで断られ続けるのはなぜですか?改善するにはどうすればよいですか?
A断られ続ける主な原因は3つあります。①ターゲットリストの質が低い(自社の加工領域に合わない業種・規模に架電している)、②スクリプトが「自社アピール型」になっている(購買担当者が聞きたいのは「自社の課題を解決できるか」です)、③初回でのゴール設定が高すぎる(受注ではなくアポ獲得・資料送付の許可を最初のゴールにしましょう)。
改善の手順は、①リストの見直し→②スクリプトをヒアリング型に組み直す→③断り文句のパターンを記録して切り返しトークを用意→④架電数・アポ獲得率をKPIとして記録しPDCAを回す、という流れで進めてください。
断られ続ける場合は、手法自体が合っていない可能性もあります。一つの方法に固執せず、マッチングサービスやフォーム営業など別の手法も試してみることが大切です。

SakuSakuは、採用倍率70倍を勝ち抜いた営業アシスタントが問い合わせフォームに営業文を送付する、人による問い合わせフォーム営業代行サービスです。AIではなく人が一件ずつ送信するため、フォーム入力エラーや送信できない企業が少なく、1通40円から問い合わせフォーム営業を始められます。
SakuSakuの特徴は以下の通りです。
- 完全オーダーメイドでの文面作成とリスト精査
- 定例の戦略会議を通じたPDCAサイクルの運用
- すべて人が送信することによる高い送信成功率
- アポイント創出までを二人三脚で伴走するサポート体制
部品メーカー、加工業者、機械製造業など町工場経営者が抱える「営業人員の限界」「既存顧客頼みの経営」といった課題に対し、業界特性を理解した提案文で発注企業の問い合わせフォームに届けられます。
\ リード獲得を課題とする200社超が導入 /
まとめ:町工場が新規取引先を増やすために今すぐやるべきこと
記事全体を通じて、町工場の新規開拓が進まない理由は「営業ノウハウの不足」だけではないことをお伝えしてきました。ターゲットが曖昧なまま動いている、手法が固定化されている、標準化された仕組みがないといった構造的な問題が重なっていることが本質です。
一つひとつは解決可能です。正しい順序で整備すれば、専任営業がいなくても再現性のある新規開拓は実現できます。
- 開拓が進まない原因は「ノウハウ不足・ターゲット不明確・リソース不足・手法の固定化」の4つが複合している
- 準備の順序は「①強みの言語化(加工種別×素材×精度)→②ターゲット選定・優先順位づけ→③事例集・提案書の整備」
- まず着手すべきは「テレアポ」と「製造業マッチングサービスへの登録」の並行スタート
- 展示会・HP整備・紹介営業は中長期で積み上げていく施策として位置づける
- 営業フロー・スクリプト・事例集の標準化が、専任者不在でも動ける仕組みの核になる
- 2024年の休廃業・解散件数は約7万件(増加傾向)。代替サプライヤーを急ぐ発注企業へのタイムリーなアプローチが有効
2024年に休廃業・解散した企業数は約7万件にのぼり、増加傾向が続いています。
(出典: 中小企業庁「2025年版 中小企業白書 第8節 開業、倒産・休廃業」、帝国データバンク「全国企業『休廃業・解散』動向調査(2024年)」)
既存サプライヤーの廃業で代替先を急いで探している発注企業は、今この瞬間にも存在しています。タイミングを逃さず動き出すことが、新規取引先獲得の大きなチャンスにつながります。
- 自社の加工事例を3件以上、写真付きで整理する
- 製造業マッチングサービスに1社登録する
- テレアポリスト10社を作成し、まず1件架電してみる
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