2022.11.22
spin営業術とは?ヒアリングの流れや商談を成功させる3つのコツも解説
spin営業とは顧客から潜在ニーズを引き出し、自社の商品やサービスを提供する営業手法を意味します。顧客における潜在的な課題を発見することを目的として活用する場合が多く、市場開拓や新規顧客の獲得に最適な手法です。しかし、spin営業の浸透は進んでおらず、存在を知らないという方は数多くいるでしょう。
営業の効率化や生産性を高めるためにはあらゆる営業手法に関しての理解が必要です。そこで、本記事ではspin営業の概要や成功させるコツ、トレーニング方法などを解説します。spin営業のついて知見を深められるため、営業活動の参考にしてみてください。
Spin営業に悩んでいる方は下記のボタンからお気軽にSakuSakuまでご相談ください。
目次
spin営業術とは
spin営業とは以下にある4つの項目から成る造語です。
- Situation(状況)
- Problem(問題)
- Implication(示唆)
- Need payoff(解決)
担当者が上記4つの項目について顧客に質問して顧客自身の潜在ニーズを見出し、解決策を提案するという営業手法です。営業活動における数多くの実績や調査に基づいて構築された手法であり、潜在ニーズを引き出すことを目的として多くの企業で活用されています。
新しく生れた課題に対して適切な解決策を提案できるよう、担当者はヒアリングスキルや情報収集能力が必要です。潜在ニーズの解決は満足度にもつながるため、顧客からのロイヤリティ向上や信頼関係の構築が期待できます。
spin営業の流れ
spin営業には流れがあり、段階を重ねることで顧客の潜在課題に対して解決策を提案できます。spin営業の流れは以下の通りです。
Situation(状況質問)
Situationは相手がどんな状況にあるのか把握するための質問段階です。使用しているサービスや頻度、タイミングを伺い、顧客の特徴を把握します。営業活動では複数の質問を立て続けに行うため、相手の緊張や不信感を払拭する目的として最初に「これからいくつか質問をさせていただきます。」などの言葉を投げかけると効果的です。
Problem(問題質問)
Situationにおける顧客からの回答を軸として、課題がありそうな部分を想定したうえで質問を投げかけます。顧客の潜在ニーズを引き出し、課題に気付いてもらうことが目的です。
ただし、質問攻めしてしまうと顧客にストレスや不快感を与えてしまい、商品の販促につながらない可能性があるため、定期的に相手の回答や意見に耳を傾けましょう。また、Problemの段階では不信感を抱かれないよう、押し売り感を出すことには注意が必要です。
Implication(示唆質問)
Problemの段階で浮き彫りにした課題に対して、解決が必要であることを顧客に気付かせる段階がImplicationです。商品を売ることを優先的に考えて解決策の提案を急いでしまうと、顧客側は押し売り感を感じる傾向にあります。
しかし、押し売りは商品の販促にはつながらず逆効果であるため、課題の解決が必要であることを示唆してもらう姿勢が求められます。顧客の相談相手として冷静に立ち振る舞い、会話のなかで商品を販促できる機会が訪れた場合に解決策を提案することがポイントです。
Need payoff(解決)
実際に顧客へ課題の解決策を提案する段階がNeed payoffです。spin営業では自社サービスに興味を持ってもらい、顧客自身から進んで商品を購入する形が最適です。不信感や不快感を与えてしまわないよう、顧客が解決策の存在に気付く前に策を提案してしまう事態は避けましょう。
spin営業の具体例
spin営業の概要を把握しても具体的にどのような質問を投げかけるといいのか疑問に思う方は多いかもしれません。spin営業の具体的なイメージができるよう、ここでは具体例を紹介します。
Situation(状況質問)
Situationの段階で投げかける質問として挙げられる具体例は以下の通りです。
- 作業の生産性向上に向けて、普段どのようなサービスを使われていますか?
- 担当部署では、どのような作業に取り組んでいるのですか?
- 作業に取り組む担当者は何名ほどでしょうか?
まずは顧客との信頼関係の構築に専念することが大切です。潜在的な課題を引き出す前に、顧客がどのような立場にあるのか把握しましょう。
Problem(問題質問)
Problemの段階で投げかける質問として挙げられる具体例は以下の通りです。
- この作業に対して従業員5名で取り掛かっているのですね。作業時間はどれくらいでしょうか?
- 生産性向上に向けた取り組みを進めているとのことですが、ITツールは特に使用していないのでしょうか?
特に顧客が自身に課題があると気付かせられるような質問を投げかけることが大切です。担当者側から先に課題を切り出すのではなく、顧客自身から潜在課題に対する話題を切り出させることも重要です。
Implication(示唆質問)
Implicationの段階で投げかける質問として挙げられる具体例は以下の通りです。
- これだけの作業量を少人数で取り掛かっているのですね。従業員の負担は大きくないのでしょうか?
- こちらの作業にツールを導入するとのことですが、運用コストの負担は特に問題ないのでしょうか。
課題の解決が必要であるということを顧客自身に気付かせるための質問を投げかけます。
Need payoff(解決)
Need payoffの段階で投げかけるフレーズとして挙げられる具体例は以下の通りです。
- 作業時間を削減して生産性向上を実現したいのであれば、弊社にあるITシステムを導入すると低コストで課題を解決できます。
- 弊社のサービスを導入すると1人あたりの負担が軽減され、人手不足を解決できますがいかがでしょうか?
課題を解決するためには、どのような行動を起こせばいいのか顧客に気付かせることが大切です。
spin営業を成功させる3つのコツ
spin営業を成功させる3つのコツは以下の通りです。
- 入念に準備をしておく
- 顧客に課題を気づかせられるようにする
- 訪問後のアフターフォローは忘れない
それぞれのポイントを把握したうえで営業活動に取り組むと成果が得られます。
入念に準備をしておく
spin営業では、商談の前に入念な準備をしておくことが大切です。準備としては情報取集やヒアリングスキルの習得・向上などが挙げられ、万全の状態で見込み顧客にアプローチをかけることで商品やサービスを販促できます。
営業活動では話の流れを自社のサービス販促までにどう進めるかが重要であり、導線設計が強固である必要があります。質問を投げかけたらどんな返答が返ってくるのか予想しておくことで、急な質問に対して焦るシーンも少なくなるでしょう。そのため、準備を念入りに行い、サービスを販促できるよう努めることが重要です。
顧客に課題を気づかせられるようにする
潜在的な課題を発見するためには顧客自身が抱える悩みや問題を引き出す必要があります。潜在課題とは本人が自覚せずに抱えている問題を意味するため、顧客自身では存在に気付くことは難しいかもしれません。そのため、課題の存在に気付いてもらえるようヒアリングスキルやコミュニケーション力が必要です。
また、顧客は営業担当者から解決策を提案してもらうよりも、自身の課題に気づき解決策を探すほうが意欲的になる傾向があります。そのため、spin営業では押し売りのような営業体制でなく、顧客自らサービスを購入する形で進行することで売上を引き伸ばすことができます。
訪問後のアフターフォローは忘れない
営業でアプローチをかけた後は、信頼関係の構築や商品の販促に向けてアフターフォローを心掛けることが大切です。アフターフォローとしては商談後のお礼や資料送付などが挙げられ、顧客に好印象を与えることができます。
サービスを購入する側からすると、気持ちの良いコミュニケーションができ、良好な関係性を築ける企業のサービスを利用したいと考えるはずです。特にspin営業においては潜在課題の解決策を提案するため、顧客の満足度向上などから信頼関係を構築しやすい傾向にあります。アフターフォローを徹底し、より良い関係を築きましょう。
spin営業の知識を身につけるトレーニング方法
spin営業は練習もせずに活用できる営業手法ではなく、定期的なトレーニングが必要です。spin営業の知識を身につけるトレーニング方法は以下の通りです。
- 段階別に反復練習する
- ロールプレイングを何度も行う
段階別に反復練習する
spin営業におけるSituation、Problem、Implication、Need payoffの4つの段階を実践に向けて反復練習することで、ヒアリングスキルや課題の発見能力に磨きがかかります。ただし、段階ごとに練習しないと実力が中途半端に終わってしまう可能性があるため、Situationの段階、Problemの段階といったように、それぞれにおける営業スキル向上を目指す必要があります。何度も繰り返し練習を行うことで、本番でも自然にアプローチを進行できる状態になるため、努力を続けることが大切です。
ロールプレイングを何度も行う
ロールプレイングとは実際の営業活動を想定したうえで、スキルの向上を目指すトレーニング手法を意味します。本番を想定した実践に取り組むことで、ヒアリング力や提案力などのスキル向上が期待できるため、多くの営業マンが活用するトレーニング手法です。上司や同僚とロールプレイングを行うことで、客観的な意見を吸収できたり、短所を改善できたりするため、何度も繰り返して最適な営業パターンを見つけ出しましょう。
まとめ|営業業務の効率化はプロに相談しよう
spin営業とは顧客の潜在ニーズを引き出したうえで、解決策として自社サービスを提供する営業手法のことです。潜在ニーズの引き出しを目的としており、事前準備やアフターフォローをおこなうといったコツをおさえることで営業の成果は大きく変化するでしょう。
しかし、自分たちの取り組みだけでは不安である場合は、営業のプロに相談することをおすすめします。SakuSakuでは商談の獲得を目標に営業代行を行っておりますので、営業活動にお悩みの方は下記のボタンからぜひ弊社にご相談ください。