Web制作会社が安定して案件を獲得し続けるには、技術力だけでなく、再現性のある営業の仕組みが欠かせません。しかし「どの手法が自社に合うのか」「何から始めればいいのか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フォーム営業・テレアポ・SNS活用・紹介獲得など、Web制作会社が実践できる営業手法を比較しながら、準備から実行までの進め方をわかりやすく解説します。営業代行の活用ポイントも合わせて紹介するので、自社リソースが限られている方にも役立つ内容です。
Web制作会社が能動的な営業で案件を獲得すべき理由

「紹介が来たら受ける」というスタイルは、一見安定しているように見えます。しかし実態は、受注量が完全に相手任せの構造です。紹介が途絶えた瞬間、売上はゼロになるリスクがあります。市場の競争が激化している今、能動的な営業なしに安定受注を維持することは、ますます難しくなっています。
競合は10年で約1.5倍に増加している
Web制作会社の数は、2010年度の約11,000社から2020年度には約17,000社へと急増しました。(出典: COUNTER株式会社「Webサイト制作市場の最新動向と市場規模【2026年版】」)
さらに近年はノーコードツールやAIを活用した制作サービスの台頭により、参入障壁が大幅に低下しています。制作スキルがなくても低価格で競合できる事業者が増え、価格競争は以前と比較にならないほど激しくなっています。
市場は拡大しているのに「待ち」では埋もれる
市場全体の需要は増えています。国内Web制作市場の規模は2022年時点で1兆円を超え、デジタルマーケティング市場は2024年に約3,443億円・前年比14%増と拡大傾向が続いています。(出典: GLOBAL・CREATIVE「2024年Web制作市場規模の最新動向」)
にもかかわらず、発注先を探すクライアントは能動的に営業してくる会社に目が向きやすく、「待ち」の姿勢の会社は検討すらされないことが多いのが実情です。需要はあるのに取りこぼしている、という状態が起きています。
紹介に頼る構造の最大のリスクは「再現性がないこと」です。紹介者との関係が変わるだけで、翌月の売上予測が立たなくなります。
能動的な営業が「安定受注サイクル」をつくる
能動的な営業とは、単に「飛び込みで売り込む」ことではありません。見込み顧客を自分でコントロールし、案件が継続的に生まれる仕組みを設計することです。
この記事では、Web制作会社・フリーランスが実践できる営業手法を体系的に整理します。オンライン・オフラインそれぞれのアプローチから、自社に合った組み合わせを見つけることを目的としています。
- Web制作会社数は10年で約1.5倍に増加し、競争は激化している
- ノーコード・AIの普及で参入障壁が下がり、価格競争も深刻化
- 市場規模は拡大中だが、能動的に動かない会社は案件を取りこぼす
- 紹介依存は「紹介が途絶えた瞬間に売上ゼロ」になるリスクがある
- 能動的な営業=安定受注サイクルの設計が、今後の競争力の鍵

SakuSakuは、採用倍率70倍を勝ち抜いた営業アシスタントが問い合わせフォームに営業文を送付する、人による問い合わせフォーム営業代行サービスです。AIではなく人が一件ずつ送信するため、フォーム入力エラーや送信できない企業が少なく、1通40円から問い合わせフォーム営業を始められます。
SakuSakuの特徴は以下の通りです。
- 完全オーダーメイドでの文面作成とリスト精査
- 定例の戦略会議を通じたPDCAサイクルの運用
- すべて人が送信することによる高い送信成功率
- アポイント創出までを二人三脚で伴走するサポート体制
制作実績はあるのに新規案件の流入が安定しない、営業リソースを確保しにくいといったWeb制作会社の課題に対し、発注ニーズのある法人へ的確にアプローチする文面を作り込んでご支援します。
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営業を始める前に準備しておくべきもの

「とりあえず連絡してみよう」という状態で営業を始めると、問い合わせが来ても対応しきれず、むしろ信頼を損なうリスクがあります。営業効果を最大化するには、ポートフォリオ・料金メニュー・ターゲット設定の3点を先に整えることが前提です。
- ポートフォリオ・実績ページの整備
- 料金メニューと提案書のテンプレート作成
- ターゲット市場と訴求軸の言語化
ポートフォリオ・実績ページの整備
担当者がポートフォリオを見る時間は数秒です。コーポレートサイト・LP・EC・採用サイトなど制作物の種類ごとに分類して掲載し、「自社に近い事例か」を一瞬で判断できる構成にしましょう。
数字で語れる実績があれば積極的に記載してください。「リニューアル後の問い合わせ件数が月10件増加」「表示速度を4秒→1.5秒に改善」のような具体的な成果は、制作費への納得感を大きく高めます。
実績がまだ少ない段階は、許可を得たモックアップや自社サイトを掲載することから始めましょう。クラウドソーシングで1件受注して掲載するという方法も有効です。形式はWebサイト(独自ドメイン推奨)とPDFの両方を用意すると、メール営業・対面商談のどちらにも対応できます。
料金メニューと提案書のテンプレート作成
料金を非明示にしていると、問い合わせの前に離脱されるケースが少なくありません。コーポレートサイト・LP・ECサイトなど種別ごとに参考価格帯を明文化しておくことが重要です。
価格帯の整理は、以下の3層が目安になります。
| 価格帯 | 主な成果物・内容 |
|---|---|
| 50万円以下 | LP・小規模コーポレート(5ページ前後) |
| 50〜150万円 | 中規模コーポレート・採用サイト・基本的なEC |
| 150万円以上 | 大規模EC・システム連携・フルリニューアル |
見積もりテンプレートには、ページ数・機能数・写真撮影の有無・保守費用などの根拠を含めておきましょう。提案スピードが上がり、顧客の「なぜこの金額なのか」という疑問を先回りして解消できます。
法人向けの提案書では、価格だけでなく制作後のサポート体制・納期保証を明記することが受注率を左右します。また、Webサイト上には特定商取引法に基づく表記(事業者名・所在地・担当者名・料金・キャンセルポリシーなど)を整備しておくことも忘れずに確認してください。
ターゲット市場と訴求軸の言語化
「どの業種・規模・地域の法人を狙うか」が決まっていないと、営業リストも文面も広がりすぎて効果が出ません。ターゲットの絞り込みが、すべての営業チャネルの設計に直結します。
ターゲット設定の軸は主に4つです。
- 業種(飲食・医療・士業・製造業など)
- 規模(従業員数・売上規模)
- 地域(自社の対応可能エリア)
- フェーズ(新規作成・リニューアル・EC化)
中小零細企業はまだ開拓余地が大きい市場です。総務省「令和6年 通信利用動向調査報告書(企業編)」では自社ホームページ開設率が全体で93.2%とされていますが、これは常用雇用者100人以上の企業が対象の数値です。従業員5人以下の小規模事業者ではホームページを持たない企業がまだ多く残っており、Web制作会社にとって有望な市場となっています。
(出典: 総務省「令和6年 通信利用動向調査報告書(企業編)」)
ターゲットが定まったら、自社の強みを1文で言語化する「訴求軸」を決めましょう。スピード・業種特化・マーケティング知識・手厚い保守サポートなど、競合との差別化ポイントを短い言葉で表現できると、テレアポの第一声・メール文面・SNS発信のすべてに一貫性が生まれます。
- ポートフォリオは業種別・成果数値付きで整備し、Web+PDF両方を用意する
- 料金は3層の価格帯で明文化し、見積もりテンプレートで提案スピードを確保する
- 業種・規模・地域・フェーズの4軸でターゲットを絞り、訴求軸を1文で言語化する
Web制作会社が使える主な営業手法5選

Web制作会社が新規案件を獲得するには、自社の状況に合った手法を選ぶことが大切です。予算・リソース・会社規模によって最適な営業手法は異なります。まずは5つの手法の全体像を把握し、自社に合うものを組み合わせましょう。
- テレアポ・メール営業による新規開拓
- SNS(X・Instagram・LinkedIn)を活用した集客
- クラウドソーシング・ビジネスマッチングサービスへの登録
- オウンドメディア・SEOによるインバウンド集客
- セミナー・交流会への参加による人脈形成
テレアポ・メール営業による新規開拓
アウトバウンド営業(自ら顧客に働きかける営業スタイル)の代表手法です。即日アプローチが可能で、初期予算が少ないフリーランスや小規模制作会社でも実績ゼロから始められます。
テレアポの基本的な進め方は次のとおりです。
- 業種×地域でターゲットリストを作成(Googleマップ・Baseconnect・業界専門サイトを活用)
- 担当者不在時の伝言方法も含めたトークスクリプトを準備
- 架電後に資料送付フォローを組み合わせる
一般的な新規テレアポのアポ獲得率は、リストの質や業種にもよりますが概ね1〜5%程度といわれています。件数を積み上げる前提で計画を立てましょう。
メール営業では、特定電子メール法(2002年施行・2008年改正)の適用範囲を理解することが重要です。「取引関係にある者」や「自己のメールアドレスを公表している営業を営む者」への送信は事前同意なしでも可能ですが、一般消費者・未取引先個人への広告メールは事前同意が必要です。
- 送信メールへの送信者の氏名・名称、受信拒否の通知先などの表示義務(特定電子メール法第4条)
- 違反時は最大1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人は3,000万円以下の罰金)
- 1日5,000通以上送信する場合はワンクリック解除の実装が必要(2024年2月〜Gmailポリシー)
- メール到達率を守るためにSPF・DKIM・DMARCの認証設定を事前に実施
送信メールの文面は、件名に受信者のメリットを明示し、本文は5〜7行に絞るのが基本です。実績・URLを1件添付し、返信しやすいCTA(行動喚起)で締めると反応率が上がります。
SNS(X・Instagram・LinkedIn)を活用した集客
制作事例・制作過程・業界知見を発信し、フォロワーからの問い合わせを獲得するインバウンド型の手法です。発信継続のコストが低く、フリーランスから5名規模の小規模制作者に向いています。
プラットフォームごとに特性が異なるため、ターゲットに合わせて使い分けましょう。
| プラットフォーム | 強み | 向いているターゲット |
|---|---|---|
| X(旧Twitter) | 制作過程・コード知識・業界トレンドの短文発信。Web制作者コミュニティとの接点が生まれやすい | Web制作者・エンジニア・スタートアップ |
| 完成デザインのビジュアル訴求に強い | 飲食・美容・インテリアなどデザイン重視の業種 | |
| 法人決裁者・経営者層へのリーチ。BtoB営業でのDM送付や実績発信に向く | 法人クライアント・BtoB企業の担当者 |
SNSはフォロワー増加まで時間がかかる中長期施策です。すぐに案件化する手法ではないことを前提に、継続投稿を習慣化することが大切です。
クラウドソーシング・ビジネスマッチングサービスへの登録
クラウドワークス・ランサーズ・ococonaraなど、案件が集まるプラットフォームに登録して、インバウンドと提案型を組み合わせる手法です。実績ゼロ〜初期フェーズのフリーランスやスタートアップに特に向いています。
クラウドワークスは登録者数・案件数が国内最大級で初心者が実績を積みやすく、ランサーズは法人クライアントが多く高単価案件を狙いやすい傾向があります。ただし手数料はいずれもワーカー側に約10〜20%程度(金額帯によって変動)が発生する点は把握しておきましょう。
競争率が高く低単価案件が多いため、実績がない段階は選ばれにくい点がデメリットです。初期は低単価でも評価を積み上げ、のちに単価交渉・直接取引移行を目指す戦略が有効です。
受注率を上げるためのポイントは次のとおりです。
- プロフィール(実績・得意業種・対応範囲)を充実させる
- 新着案件に即レスポンスで提案する
- 提案文の冒頭にクライアントの課題への言及を入れる
比較ビズなどのビジネスマッチングサービスにも並行登録することで、案件獲得経路を分散させリスクを下げられます。
オウンドメディア・SEOによるインバウンド集客
自社サイトやブログで「ホームページ制作 ○○市」「Web制作 業種名 費用」などのキーワードで検索上位を狙い、問い合わせを獲得する手法です。コンテンツ制作リソースがある中堅以上の制作会社、または継続投資が可能なフリーランスに向いています。
SEO市場は2018年の約500億円から2024年には800億円超に拡大し、年平均成長率は約9%とされています。オウンドメディアへの投資需要は今後も高まる見通しです。(出典: GLOBAL・CREATIVE「2024年Web制作市場規模の最新動向」)
「大阪 歯科医院 ホームページ制作」のような地域×業種に特化したキーワードは、ビッグワードより競合が少なく成果が出やすい傾向があります。まずは地域・業種を絞ったコンテンツから着手するのがおすすめです。
セミナー・交流会への参加による人脈形成
商工会議所・異業種交流会・IT系勉強会・Xスペースなどに登壇・参加し、見込み顧客との関係を構築する手法です。代表者自らが動けるフリーランス・小規模制作会社に特に向いています。
交流会では「Web制作会社です」と名乗るだけでなく、「どんな悩みを解決できるか」を一言で伝えるエレベーターピッチを事前に準備することが大切です。「飲食店のWeb集客が苦手なオーナーをサポートしています」のように、具体的な課題解決を示すと記憶に残ります。
セミナーへの登壇は一度に多数の見込み顧客へリーチでき、信頼構築が加速します。オンラインセミナー(Zoom・YouTube Live)と組み合わせることで地域限定を超えたリーチも実現できます。
| 手法 | 難易度 | 成果が出るまで | 向いている規模 |
|---|---|---|---|
| テレアポ・メール営業 | 低〜中 | 短期(即日〜) | フリーランス・小規模 |
| SNS活用 | 低〜中 | 中長期(3〜12ヶ月) | フリーランス・5名以下 |
| クラウドソーシング | 低〜中 | 短〜中期 | フリーランス・スタートアップ |
| SEO・オウンドメディア | 高 | 中長期(3〜12ヶ月) | 中堅以上・継続投資可能 |
| セミナー・交流会 | 中 | 中長期(半年〜) | フリーランス・小規模 |
法人向け営業で受注率を上げる提案のポイント

法人営業でよくある失敗は「ヒアリング不足のまま提案する」「価格だけで比較される」「担当者が上司に説明できず稟議が止まる」の3つです。
これらを防ぐには、事前リサーチ・ROI提案・価格の透明化・クロージングフォローという4つの視点を実践することが重要です。
- ターゲット企業のニーズと課題を事前にリサーチする
- 価格ではなく成果・ROIで提案書を構成する
- 見積もり・価格設定で信頼を損なわない伝え方
- クロージングで顧客の不安を解消するフォロー方法
ターゲット企業のニーズと課題を事前にリサーチする
初回アプローチ前に、最低限4つの情報を確認しておきましょう。現在の自社サイトの状況(有無・更新頻度・スマホ対応可否)、競合他社のサイトとの比較、企業の事業規模・ターゲット顧客、そして採用・EC展開などの追加ニーズの有無です。
- Googleビジネスプロフィールで店舗情報・評判を確認
- SNSアカウントで発信内容・更新頻度をチェック
- プレスリリース・求人情報で事業の方向性を把握
ヒアリングでは「サイトを作る理由」ではなく、「サイトを作った後に何を達成したいか」を中心に聞くことが重要です。問い合わせ増・採用強化・EC売上向上など、目的を具体化するほど提案の精度が上がります。
また、業種特有の課題を事前に把握しておくと、初回提案の的中率が格段に高まります。飲食なら予約導線の最適化、医療なら信頼訴求、BtoB製造業なら技術力の可視化といった視点を持ち込むだけで、「この会社は自社のことを理解している」という印象を与えられます。
価格ではなく成果・ROIで提案書を構成する
法人担当者は「いくらかかるか」よりも「投資対効果が説明できるか」を重視します。稟議を通すためには、ROI(投資対効果)の視点が不可欠です。
提案書は以下の流れで構成すると、意思決定者にとって説明しやすい資料になります。
- 現状の課題
- 解決策(制作内容)
- 期待できる成果(問い合わせ数・採用数・売上などの目標値)
- 費用と工期
- 制作会社の実績・信頼性
「SEOで月○件の問い合わせ増が見込める」「採用コスト○○万円削減につながる可能性がある」といった数字を使った成果イメージを示しましょう。数値は実績または業界平均値を根拠に提示し、根拠の明示を忘れないことが信頼につながります。
見積もり・価格設定で信頼を損なわない伝え方
見積もりが曖昧なほど「後から費用が増えるのでは」という不安を生みます。デザイン費・コーディング費・CMS設定費・ライティング費・修正回数の上限など、費用内訳を明示することが信頼の第一歩です。
見積もり提示は2段階が法人には合いやすい構成です。ヒアリング後に概算を出し、詳細ヒアリング後に正式見積もりを提示することで、顧客も社内調整のスケジュールが立てやすくなります。
「安さで選ばれた制作会社は追加費用でトラブルになりやすい」という市場認知があります。明朗会計を強みとして打ち出すことで、価格競争から抜け出せます。
値引き要求には「削れる部分(ページ数・機能)を一緒に検討する」という形で応じましょう。品質と信頼を守りながら柔軟な姿勢を見せることで、長期的な関係構築にもつながります。
クロージングで顧客の不安を解消するフォロー方法
法人の意思決定には複数の決裁者が関与するケースが多く、担当者が「上司に説明しやすい資料」を持っているかどうかが成約率を左右します。提案後は、担当者が社内で動きやすい環境を整えることを意識しましょう。
提案後のフォローは以下をプロセスとして標準化しておくと効果的です。
- 1週間以内に類似実績・Q&Aを追加送付
- 決裁者向け要約資料の提供を申し出る
- 見積もりに有効期限を設定して意思決定を促す
断られた場合でも、理由の確認をフォローに含めることが重要です。価格なのか、タイミングなのか、担当者変更なのかを把握することで、次回提案の精度が上がります。
- 業種・規模・目的に合わせた事前リサーチで提案精度を高める
- ROI視点の提案書構成で稟議が通りやすい資料を作る
- 費用内訳の透明化で「後から増える」不安を払拭する
- 提案後のフォローを標準プロセス化して成約率を底上げする
受注後のクライアント関係構築でリピートと紹介を増やす方法

納品が完了した時点で、多くのWeb制作会社は次の案件探しへ移ってしまいます。しかし、安定した受注の土台は既存顧客との関係にあることを見落としてはなりません。納品後の運用フェーズこそ、リピートと紹介を生む最大のチャンスです。
納品後のアフターフォローと定期接触の仕組み化
納品直後の1〜2週間以内に、「公開後の動作確認・不明点ヒアリング」の連絡を入れることを標準プロセスにしましょう。この一手間が、顧客の安心感を大きく高めます。
さらに、納品1ヶ月後・3ヶ月後・半年後のフォロー連絡をカレンダーに事前登録しておくことで、「その後いかがですか?」という定期接触を仕組みとして回せます。担当者の記憶や気分に頼らない体制が大切です。
定期接触の際は、単なる挨拶ではなく価値ある情報を届けましょう。以下のようなネタが有効です。
- Googleアナリティクス・サーチコンソールの簡易レポート送付
- 業界トレンド情報の共有
- アクセシビリティ対応・個人情報保護法など法改正に関するアドバイス
リピート受注・追加案件を生むアップセルのタイミング
納品後3〜6ヶ月は、追加提案の黄金期です。サイトへの反応(問い合わせ数・アクセス数)が見え始め、「もっと改善したい」という意欲がクライアント側に生まれやすい時期だからです。
追加提案の切り口は複数あります。
- SEO記事コンテンツの追加制作
- LP(新商品・キャンペーン)の制作
- 採用サイト・別店舗サイトへの展開
- 保守・更新サポート契約(月額での安定収益化)
特に保守契約への移行は、月次の安定収益を生むと同時に、紹介が発生したタイミングでの稼働余力を確保できるメリットがあります。
紹介案件を自然に生み出す顧客体験の設計
紹介は「お願い」で生まれるものではありません。顧客が自然に「知人に勧めたい」と思う体験を積み重ねることが先決です。
紹介したくなる顧客体験には、次の3要素が欠かせません。
- 期待を上回る納品品質
- プロセスの透明性(進捗共有・レスポンスの速さ)
- 納品後の適切なフォロー
紹介依頼を伝えるタイミングとしては、納品完了報告のメール末尾や、3ヶ月後フォロー時が自然です。「もし同じ悩みをお持ちの知人がいれば、気軽にご紹介いただけると嬉しいです」という一文を添えるだけで十分です。
また、紹介してくれた顧客への感謝の返し方(次回更新作業の優先対応・丁寧な感謝連絡など)をあらかじめ決めておくと、紹介文化が育ちやすくなります。
- 納品直後・1ヶ月後・3ヶ月後・半年後のフォローを仕組み化する
- 定期接触には簡易レポートや法改正情報など「価値ある情報」を添える
- 納品後3〜6ヶ月が追加提案の最適タイミング
- 保守契約への移行で月次収益と稼働余力を両立できる
- 紹介はお願いでなく、顧客体験の質が生み出すもの
営業活動を継続させるKPI管理と運用の仕組み
営業手法を選んで実行するだけでは、成果が安定しません。どの手法がどれだけ機能しているかを数値で把握し、改善サイクルを回す仕組みが必要です。KPI管理と営業ツールの活用は、組織的・継続的に案件獲得を維持するための土台となります。
営業KPIの設定と進捗管理の基本
Web制作会社の営業活動に適したKPIは、手法ごとに設定するのが基本です。アウトバウンド施策では「架電数・送付数・アポ獲得数・商談数・受注数」の各ステップを追い、インバウンド施策では「セッション数・問い合わせ数・商談転換率・受注率」を管理します。
KPIを設定する際のポイントは以下のとおりです。
- 週次・月次で追える粒度に数値を分解する
- 結果指標(受注数)だけでなく行動指標(架電数・発信数)も管理する
- 手法ごとの成約率・コストを比較し、投資配分を定期的に見直す
「何件アプローチして何件成約したか」の転換率を手法別に把握することで、自社に合う経路が明確になります。感覚ではなく数字で判断する習慣が、営業活動の再現性を高めます。
CRM・営業ツールを活用した管理の効率化
見込み顧客の情報・商談進捗・フォロー予定をスプレッドシートだけで管理していると、対応漏れや優先順位の混乱が起きやすくなります。一定規模以上になったら、CRM(顧客関係管理)ツールの導入を検討しましょう。
小規模のWeb制作会社やフリーランスであれば、無料プランで使えるHubSpot CRMやNotion、Googleスプレッドシートでの簡易管理から始めるのが現実的です。商談件数が増えてきた段階でSalesforceやkintoneなどへの移行を検討するとよいでしょう。
ツール活用のポイントは次のとおりです。
- 見込み顧客リストを一元管理し、ステータス(未接触・提案中・フォロー中・成約・失注)を可視化する
- フォロー予定日をリマインダーで管理し、対応漏れをゼロにする
- 失注理由を記録・分類し、提案改善のインプットに活用する
- 手法ごとに行動指標と結果指標の両方をKPIとして設定する
- 週次・月次で転換率を確認し、投資配分を継続的に見直す
- CRM・管理ツールで見込み顧客の進捗と対応漏れを防ぐ
- 失注理由を蓄積し、次回提案の精度向上に活かす
Web制作向け営業代行が向いている会社の特徴
営業代行は「リソースが足りないから外注する」という発想で導入すると失敗しやすい手段です。まず「自社が商談・提案・クロージングまで対応できるか」を確認したうえで、アポ獲得を外部に任せるかどうかを判断する順序が重要です。
営業代行が効果を発揮するリソース状況
営業代行が効果を発揮するのは、「制作リソースはあるが、新規開拓に人を割けない」状況にある会社です。以下の項目に複数当てはまる場合、導入を検討する価値があります。
- 制作・デザインの担当者はいるが専任の営業担当者がいない
- 案件対応で手一杯で新規開拓に時間を割けない
- 営業ノウハウが社内に蓄積されていない
- 特定期間に集中してアポを獲得したい
一方で、向いていないケースもあります。単価が低い案件中心の場合、成果報酬型では費用対効果が合いにくくなります。また、営業ノウハウを社内に残したい場合は丸投げになりやすいため、固定型または内製との併用が適しています。
営業代行の費用相場と料金モデルの比較
料金体系は主に3種類あります。自社の予算規模と目的に合わせて選ぶことが大切です。
- 月額固定で営業活動を依頼する固定報酬型
- アポ獲得や受注件数に応じて費用が発生する成果報酬型
- 複合型(ハイブリッド型):月額固定+成果報酬の2段階
固定報酬型の場合
営業担当者1人あたり月額50〜60万円が相場で、専門性の高い商材では100万円以上になることもあります。予算管理しやすい一方、成果が出なくても支払いが発生するリスクがあります。
戦略コンサルティングが含まれる場合は月額140万円〜が目安になりますが、Web制作特化の代行会社に個別で見積もりを取ることをおすすめします。
成果報酬型の場合
アポイント獲得の場合は1件あたり1万〜5万円が相場で、BtoBテレアポ代行のボリュームゾーンは1.5万〜5万円です。初期費用ゼロのケースが多くリスクを抑えて導入できます。
ただし、質の低いアポが混在するリスクや、アポが想定以上に獲得できた場合に費用が予算超過するリスクがある点に注意が必要です。受注まで代行する場合は売上の10〜50%のコミッションが相場ですが、対応できる代行会社は多くありません。
複合型(ハイブリッド型)の場合
月額固定10〜50万円+成果報酬の2段階構成です。質の高いアポを安定して供給したい場合に向いており、固定型と成果報酬型の中間的な選択肢として検討できます。
失敗しない営業代行会社の選び方
営業代行会社を選ぶ際は、「成果の定義」を契約前に明確にすることが最重要です。アポ獲得なのか、商談到達なのか、受注なのかによって費用設計がまったく変わります。2〜3社から見積もりを取り、月額固定費だけでなくトータルコストで比較してください。
ぜひ確認すべき項目は以下のとおりです。
- Web制作業界・IT・SaaS・デジタルサービスの支援実績があるか
- 架電数・送付数・アポ率などのレポート頻度と内容(透明性)
- 契約期間・最低保証・解約条件
- 初期費用・リスト作成費・ツール費などの付帯費用の有無
- ポートフォリオや実績資料を代行担当者に共有していない
- サービス内容・強みの説明・研修を省いて丸投げにする
- 商談フォロー体制を整えないままアポを獲得しはじめる
よくある質問
QWeb制作会社が営業活動をしないとどうなりますか?
A紹介・口コミだけに頼ると、受注量のコントロールが効かなくなります。紹介が途切れた月は売上がゼロになるリスクも現実的です。
Web制作会社数は2010年代から急増しており、競合が増え続ける環境で待ちの姿勢を続けると、指名されなくなる可能性が高まります。能動的な営業なしでは、自社の強みを伝える機会そのものが存在しません。
Q営業未経験のエンジニアでも自社営業はできますか?
Aできます。「営業=売り込み」ではなく「課題ヒアリング+提案」と捉えると、精神的なハードルが大きく下がります。
エンジニアの強みは技術的な信頼性と、具体的な実装説明ができること。提案書で技術的な根拠を示せる点は、営業職出身者にはない武器です。
最初のステップはクラウドソーシングへの登録やSNS発信が取り組みやすいでしょう。テレアポはスクリプトを準備したうえで少数試行から始めることをおすすめします。営業代行を一時的に活用しながら、自社での商談・クロージングのプロセスを学ぶ方法も有効です。
Qフリーランスと法人では営業方法に違いがありますか?
Aフリーランスは個人の信頼性・スピード・柔軟性を武器に、クラウドソーシング・SNS・紹介が主要チャネルになります。法人(Web制作会社)は組織としての実績や保守サポート体制を訴求できるため、テレアポ・メール営業・提案書営業が機能しやすいです。
ただし、「誰のどんな課題を解決できるか」のターゲット設定と訴求軸の言語化は、フリーランス・法人どちらにも共通して重要です。フリーランスが法人案件を狙う場合は、外注・提携などバックエンドの連携体制を示せると受注率が上がります。
Qホームページ制作の営業でテレアポは今でも有効ですか?
A有効です。総務省「令和6年 通信利用動向調査報告書(企業編)」によると、中小企業の中にはWebからのリーチが難しい層も依然として存在しており、電話が唯一の接点になるケースもあります。 (出典: 総務省「令和6年 通信利用動向調査報告書(企業編)」)
スクリプト・リスト・フォロー体制を整備しないと、アポ獲得率は極めて低くなります。架電だけで終わらず、その後のメール送付や資料提供とセットで運用することが重要です。
なお、固定電話への法人営業電話は現時点で特定電子メール法の適用外ですが、相手の業務時間・架電頻度・内容への配慮は必要です。 (出典: 総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」)
Q営業代行に依頼する場合、どのタイミングが適切ですか?
A「制作リソースはある・営業リソースがない」という状態になった時点が基本的なタイミングです。既存顧客のリピートだけでは成長が頭打ちになってきた、新規開拓を本格化したい時期も適切なサインといえます。
一方、自社の商材説明・提案資料・ターゲット設定が整っていない段階で代行に依頼しても成果は出にくいです。まず営業の準備を整えてから依頼するのが基本です。
固定費負担が不安な場合は成果報酬型から試し、効果が確認できたら固定型または複合型に移行する方法が低リスクで取り組みやすいでしょう。
状況別・今すぐ動けるアクションプラン
営業手法は状況によって優先順位が大きく変わります。以下を参考に、自分のフェーズに合ったアクションから着手してください。
フリーランス・1人制作者の場合
まずはクラウドソーシングへの登録とSNS発信を並行してスタートしましょう。既存のクライアントへの定期フォローも忘れずに。紹介・リピートは最も成約率が高い経路です。
- クラウドソーシング(ランサーズ・クラウドワークス)への登録・プロフィール充実
- XまたはInstagramで制作実績・過程を週1〜2回発信
- 過去クライアントへのサイト更新・改善提案のメッセージを送る
中小Web制作会社(3〜10名)の場合
ターゲット業種を絞り込んだうえで、テレアポまたはフォーム営業を試験的に始めましょう。並行してオウンドメディア(ブログ・事例記事)の制作にも着手すると、中長期で問い合わせの流入が安定します。
- ターゲット業種・エリアの明確化
- テレアポまたはフォーム営業で週単位の送客数を設定
- 月1〜2本の事例・ノウハウ記事をサイトに公開
営業代行の導入を検討中の場合
代行会社に依頼する前に、ポートフォリオ・料金表・ターゲット設定の3点を整えることが先決です。
まずは成果報酬型で小さく試験導入し、成果を確認してから体制を拡大するのが費用リスクを抑えるコツです。
- 提案できるポートフォリオ・料金体系の準備
- ターゲット企業の規模・業種を言語化
- 成果報酬型の代行会社で小規模スタートし、成約率を検証

SakuSakuは、採用倍率70倍を勝ち抜いた営業アシスタントが問い合わせフォームに営業文を送付する、人による問い合わせフォーム営業代行サービスです。AIではなく人が一件ずつ送信するため、フォーム入力エラーや送信できない企業が少なく、1通40円から問い合わせフォーム営業を始められます。
SakuSakuの特徴は以下の通りです。
- 完全オーダーメイドでの文面作成とリスト精査
- 定例の戦略会議を通じたPDCAサイクルの運用
- すべて人が送信することによる高い送信成功率
- アポイント創出までを二人三脚で伴走するサポート体制
制作実績はあるのに新規案件の流入が安定しない、営業リソースを確保しにくいといったWeb制作会社の課題に対し、発注ニーズのある法人へ的確にアプローチする文面を作り込んでご支援します。
\ リード獲得を課題とする200社超が導入 /
まとめ:Web制作会社が案件獲得を安定させるための営業戦略
ここまで、Web制作会社が新規案件を安定して獲得するための営業手法を幅広く解説してきました。最後に、記事全体の要点を整理します。
- Web制作の営業はプッシュ型(テレアポ・メール)とプル型(SEO・SNS)を組み合わせるのが基本
- ポートフォリオと実績の整備が、あらゆる営業手法の土台になる
- クラウドソーシングやエージェントは最初の案件獲得に有効な入口
- メール営業・フォーム営業は特定電子メール法の規制範囲を確認しながら実施する
- 既存顧客へのフォローアップは、最も費用対効果の高い営業活動のひとつ
- 営業代行は「準備なし」で丸投げすると費用を回収できないため、素材と条件を先に整える
- どの手法も継続的に運用することで、問い合わせが自然に集まる仕組みへと育つ
「営業の仕組み」は一度作れば会社の資産になる
案件が途切れる最大の原因は、「受注が決まってから次の営業を始める」という後手の動き方にあります。
能動的な営業活動も、最初は手間に感じるものです。しかし一度仕組みを作ってしまえば、それ自体が会社の営業資産として機能し続けます。メディアへの記事蓄積、SNSのフォロワー基盤、既存客へのフォロー体制——どれも継続するほど効いてきます。
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