企業情報や企業のリアルを積極的に発信する採用広報活動において、「KPIはどう設定すべきか」「手法が多すぎる」と頭を悩ませる企業は少なくありません。
採用広報活動を行うことで自社の認知度の向上による応募者数の増加や、母集団形成の質を高める効果が期待できます。しかし実際には、成果を得られなかったり伸び悩んでいたりと、好ましい結果が得られないケースは多く見られるのが現状です。
そこで本記事では、採用広報の事例をもとに、採用広報の設計の仕方、フレームワークについて解説します。
また、スカウト媒体にお悩みの人事のために、33個のスカウト媒体を解説した資料をご用意しております。
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慶應義塾大学卒業後、株式会社リクルートキャリアにて累計100社以上の採用コンサルティングに従事。現在はサクルートにて様々な企業のダイレクトリクルーティングを支援。
成功するための採用広報|企業の事例13選
採用広報とは、採用の成功率を上げることを目的とした発信です。
採用広報活動を行うことで、①応募者数の増加、②母集団の質を高めること、③選考中の離脱の予防、④早期離職率の低下の4つの効果が期待できます。
まずは実際に採用に良い影響を及ぼした採用広報活動の事例を、13社ピックアップして紹介します。
ビジネスSNSや通常のSNS、採用オウンドメディア、リモートインターンなどあらゆる手法で成功した事例をまとめました。具体的な数値も掲載しているため、自社の採用広報活動にお役立てください。
キャディ株式会社
業種・業務内容 | ITサービス業 製造業特化受発注プラットフォーム「CADDi」 |
採用広報戦略 | ・コンテンツ発信(ビジネスSNS/メディアプラットフォーム/など) ・求人を最新情報に更新(最適化) ・チャネルの相互連携 |
結果 | 自然応募数昨対比2倍!Wantedlyランキング上位記事多数獲得 |
「キャディ株式会社」は、ビジネスSNS・Wantedly、メディアプラットフォーム・noteの他、X(Twitter)、テックブログを活用しコンテンツ発信を行いました。それぞれの媒体で相互連携を行い、相互作用による認知度の向上も図っています。
求人内容を最新情報に更新も行い、自然応募数昨対比は2倍という結果を残しました。
PR担当者による振り返りがnoteで行われているので、詳細は以下をご確認ください。コンテンツ発信の参考になります。
参考:Maki Asano「Wantedlyランキング1位、自然応募数昨対比2倍にした採用広報ふり返り」
- コンテンツの発信をコンスタントに行うことで、認知度が格段に向上
- リアルを届けることで応募者数が増加
- 常に最新の情報を届けることで「生きている」サイト化
ディップ株式会社
業種 | 広告・インターネット関連業・人材サービス業 インターネット求人広告サイト「バイトル」「はたらこねっと」 |
採用広報戦略 | ・自宅でも地方でも参加できるリモートインターン ・オウンドメディアの運用 ・ビジネスSNSなどを利用した発信力の強化 |
結果 | Wantedlyにて6,000人近いエントリーを獲得 |
ディップ株式会社はリモートインターン、オウンドメディアの運用、ビジネスSNSの活用によりエントリー数を増やしました。広報活動として特筆すべきは、フルリモートで参加が可能なインターンの実施です。
地方からの優秀な人材に気軽にインターンに参加してもらうことで、より会社に興味を持ってもらうことに成功したといえます。
- 地方からも参加が可能なリモートインターンで優秀な応募候補者と繋がる
- ビジネスSNSを使用し会社のリアルを届ける
- オウンドメディアのコンスタントな運用で「生きている」サイトを作成
ライソン株式会社
業種 | 家電・アウトドア製品の企画・販売 |
採用広報戦略 | ・YouTubeへの動画発信による認知度の向上 ・YouTube専任社員の採用 ・SNSの運用により、より消費者と関係を確固たるものにする |
結果 | 登録者数35.5万人以上とカスタマーに対する認知度が急上昇 |
ライソン株式会社は従業員数がわずか25~30人ほどの中小企業ですが、YouTubeの登録者数は35.5万人以上と有名企業へと発展しました。YouTube専任社員の採用に踏み切り、大きな成功をおさめています。
もともと「消費者の声を生で聞きたい」と考えてYouTube活動が始まったため、採用広報として運営されていません。しかし、認知度が向上したという点では採用広報としても役立つと考えられます。
現在は企業規模での活動はありませんが、個人のInstagram等での活動は続いています。YouTube(@LITHONchannel)には動画が残っているため、確認してみることがおすすめです。特にショート動画の人気が高い傾向にありました。
- YouTube専任社員を採用しSNS活動に注力
- ショート動画を上手く活用した楽しい動画を多数投稿
- 社員ひとりひとりにファンがつく運用
トゥモローゲート株式会社
業種 | ブランディング事業 企業・SNS・採用などのブランディング |
採用広報戦略 | ・YouTubeやティックトックでのブランディングに成功 ・X(旧Twitter)でバズる運用 |
結果 | ニュースサイトに掲載されるほどのバズるツイートなどで認知度向上 |
ブランディング事業を展開するトゥモローゲート株式会社は、「ブラックな社長」といったブランディングをしたSNS発信で一躍有名になりました。営業に関するノウハウを発信しています。
社員40人程度の中小企業ですが、X(旧Twitter)のフォロワーは10万人越え、YouTube登録者数は19万人越えです。
「Yahoo!ニューススポーツニュースランキング」に取り上げられる投稿などもあり、良い採用広報であるといえます。
- 自分自身や会社をブランディングしたSNS発信
- BtoB広告にも力を入れている(日本BtoB広告賞受賞)
株式会社グローバル・リンク・マネジメント
引用:株式会社グローバル・リンク・マネジメント・採用公式HP
業種 | 不動産業 レジデンスの一棟販売および区分販売など |
採用広報戦略 | ・採用サイトの運用/採用パンフレットの設計 ・自社の強みを活かした発信 ・社内の魅力をアピール |
結果 | 採用設計の改善により採用に苦労した年の3倍の実績! |
株式会社グローバル・リンク・マネジメントは採用戦略を根本から見直した採用広報活動を行い、採用活動の改善の成功を遂げた企業です。
ブラックなイメージが強い不動産業で、毎年5人採用するだけでも大変な労力を要していました。しかし「経営に興味がある」「成長意欲が高い人」を採用する方針に変更したところ、内定者は3倍以上の17名に。
自社の強みに沿ったコンセプトを選定し、それに合わせた運用を行うことで採用広報に成功しました。
- 採用設計を根本から見直すことで採用広報に成功
- ブラックなイメージが強い不動産業でも実績を残す
- 採用サイトやパンフレットもコンセプトに沿って改善
株式会社メルカリ|
業種 | 情報・通信業 スマホ決済サービス「メルペイ」、フリマアプリ「メルカリ」 |
採用広報戦略 | ・オウンドメディアの運用 ・Twitter、Facebook、ポッドキャストで導線作り ・リアルを伝える |
結果 | オウンドメディアのPV数は月間30~35万! |
株式会社メルカリの採用広報としては、オウンドメディア「merucan」があげられます。採用活動やブランディングに関係する活動を発信しており、月間30~35万(※2018年時点)のPVを獲得しています。
採用活動に関係する情報発信をオウンドメディア上だけではなく、TwitterやFacebook、ポッドキャストでも発信していることが成功の秘訣でしょう。オウンドメディアに導く導線づくりを行うことで採用広報活動を成功に導いているといえます。
- リアルを伝えるオウンドメディアの運用
- オウンドメディアへの導線づくり
株式会社ベッセル|
業種 | ホテル業、飲食業など |
採用広報戦略 | ・採用設計を根本から改善 ・アピールするターゲットを変更する ・自社の強みを考えたコンセプト作成 |
結果 | 内定者が6~7名だったところが、25〜28名と約4倍の実績! |
もともと地元である広島県福山市の私立大学で採用を行っていた、ホテル業・飲食業をメインに営むベッセルグループ。しかし全国展開であるため、「福山以外の土地に勤務したくない」などの理由から内定辞退が多いことが課題でした。
そこでターゲットを、全国の大学に変更。全国の大学の福山出身の人をターゲットを絞り、「福山にも貢献したいが世界にも貢献したい」と考える人材にアプローチしたことで内定者4倍の実績を作りました。
- 地元の私立大学から全国の大学にいる地元出身者にターゲットをシフト
- コンセプトやターゲットに合わせて採用キャッチコピーや活動内容を変更
株式会社ギフト|
業種 | 飲食業 家系ラーメン |
採用広報戦略 | ・コンセプトを固める ・社名/ロゴ/スローガンの変更 ・ラーメン企業説明会 |
結果 | 内定者0人から内定者15人に! |
全国・全世界に家系ラーメンを広げている、株式会社ギフト。飲食業は人気があるわけではないため、予算を割いても内定者は0人~と好ましい結果を残せていませんでした。
そこで株式会社ギフトが行ったのは、社名とロゴ、スローガンを変更。ラーメンを食べながら企業説明を聞くという、ユニークな説明会を開催し内定者を15名ほどに一気に増やしました。
- 飲食業のブラックなイメージを払しょくするラーメン企業説明会
- ラーメンを食べながら企業説明を聞き世界展開を考えるワークショップを開催
- コンセプトを決めてパンフレット、サイトなどすべてを一新
株式会社ユーティル
業種 | Webサービス業、マッチング事業 |
採用広報戦略 | ・noteを活用した情報発信活動 ・業務委託ライターの募集 ・Google検索を利用した採用広報活動 |
結果 | わずか3ヶ月間で応募が殺到!20名以上の応募で10名と契約を結ぶ |
メディアプラットフォーム「note」を活用し業務委託ライターの募集を成功させた、株式会社ユーティル。Google検索エンジンで「ライター 募集 note」と検索した際に上位表示されるよう工夫し、そこから採用に繋げました。
業務委託といった正社員よりも身軽な契約内容であったのもあり、この方法がマッチしたのでしょう。
新卒採用や中途採用の場合はまた工夫が必要ですが、業務委託の採用広報を検討しているのであれば参考になります。
- Google検索上位を獲得して採用に繋げた斬新な採用広報活動
- noteを駆使することでGoogle上位を狙いやすくする工夫
LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社
引用:LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社・採用公式HP
業種 | Webサービス等の運営、インターネット業 コミュニケーションアプリ「LINE」、「Yahoo! JAPAN」 |
採用広報戦略 | ・リファラル採用制度の徹底周知 ・リファラル採用のポジションサーチに注力 |
結果 | エントリーから入社までの割合増加!人材派遣経由と比較し10倍 |
リファラル採用制度の周知徹底を行うなど、社内採用広報活動に力を入れたLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社。累計500人の社員が実際に制度に参加するなど、社内全体を巻き込んだ採用活動を開始しました。
リファラル採用制度においては、リファラル手当、入社祝い金などの制度も導入。導入からわずか1ヶ月ほどで、社員からの紹介が3倍以上にもなっています。
- リファラル採用制度を社内で徹底的に周知する採用広報活動を行う
- 人材派遣を利用した場合と比べて、エントリーから入社までの割合が10倍
- 入社祝い金などの導入を行いわずか1ヶ月で社員からの紹介が3倍に増加
アマゾンジャパン合同会社
業種 | 流通・小売業 通販サイト「Amazon」 |
採用広報戦略 | ・独自のテクノロジーやノウハウを公開 ・ランキングデータ、トレンドデータをテレビ等に共有 ・支社ごとの社員インタビューの掲載 |
結果 | 認知をあげ信頼を獲得!支社ごとの社員インタビューでリアルを届けることに成功 |
日本で人気の通販サイト・Amazonですが、以前は社員100名程度の赤字企業でした。しかし独自のテクノロジーやノウハウを公開したり、ランキングデータやトレンドをテレビ局に共有したりすることで認知度を格段に向上。Amazonといった名前が、日本人に定着するよう長期にわたり広報活動を行いました。
これらの広報活動は、採用広報にも影響を与えたと言っても良いでしょう。現在は支社ごとに社員インタビューをし、リアルを応募者候補に届けています。
本社のみではなく支社ごとにインタビューを行うことで、よりリアルを届けられます。現代においては、YouTubeで活動している著名人やInstagramなどの力を借りることで、このような結果が望めるかもしれません。
- 当時のマスコミやテレビの影響力を利用し認知度をグンと上げた
- ランキングデータなどの共有
- 支社ごとに社員インタビューを公開
株式会社セールスフォース・ジャパン
業種 | 顧客管理システム業 |
採用広報戦略 | ・X(旧Twitter)での採用広報活動 ・働くイメージを伝える投稿からカジュアルな投稿まで ・新卒や中途に限定しない採用活動 |
結果 | フォロワー数を順調に伸ばしている |
Salesforce キャリア(@salesforceJPjob)の運用を行っている株式会社セールスフォース・ジャパン。CRM業界ではセールスフォースが世界シェアNo.1を11年連続で獲得(2024年5月時点)しており、ビジネス界で大きな注目を集めている企業です。
そのためあらゆるメディアに取り上げられることが多く、メディア等の露出記事も活用した効率的な採用広報活動を行っています。
- 各メディアに露出した際の記事や動画を活用した効率的な採用広報活動
- 働くイメージを持てるハードなと投稿から社内設備を案内するカジュアル投稿まで
- 新卒・中途などに限定しない総括的な採用活動
株式会社SmartHR
業種 | ソフトウェア開発事業 クラウド人事労務ソフト「SmartHR」 |
採用広報戦略 | ・採用ピッチ資料の公開 ・採用ピッチ資料の閲覧数は40万回越え ・「情報をオープンに」をモットーに活動 |
結果 | 応募数5.3倍、採用ピッチ資料閲覧数は40万回! |
株式会社SmartHRは、採用ピッチ資料を公開したことで応募数5.3倍を記録しました。採用ピッチ資料とは、求職者向けの会社説明資料のことです。これらをインターネットに公開することで、興味を持つ応募者が続出。なんと閲覧回数は40万回。採用ピッチ資料の公開は採用広報として有効であることを示しました。
情報をオープンにすることで、企業に対しての信頼感が増します。これらを上手くした採用広報活動を行い、結果を出した事例です。
- 情報をオープンにすることをコンセプトに採用活動を開始
- 採用ピッチ資料を公開することで企業に興味を持ってもらう取り組み
- 閲覧数40万回、応募数5.3倍の実績
採用ピッチ資料の公開といった手段を利用した採用広報活動で成功をおさめた企業は、以下の記事で詳しく紹介しています。
採用広報の設計の流れ・コツ・フレームワーク
次は採用広報活動の設計について紹介します。設計の流れ、コツ、フレームワークまで詳しくまとめました。
まずは採用広報活動の流れについて以下のフローで確認したのち、詳細を解説していきます。
- 自社の課題を洗い出す
- 目的を選定する
- ペルソナを設計する
- 「Best/Better/Normal」のフレームワークを使う
- 企業のポジションを理解し魅力を洗い出し伝えたいことを決める
- コンテンツを企画する
- noteやWantedlyを活用する事例
- SNSや動画コンテンツを使用した採用広報の例
- 企業の課題をふまえて納得のできる目標を適宜決める
- フェーズにより異なるKPIを設ける
採用広報の目的を決める
採用広報活動のスタート、強化、改善を目論んでいる企業は、自社の採用状況に課題を感じているでしょう。企業の採用における課題を洗い出し、採用広報活動の目標・目的を決めていきます。
目的を決めることで軸の通った採用戦略の立案が可能となり、成功がグッと近づくはずです。
例えば飲食業や不動産業などブラックなイメージが付いている企業の場合は、「自社の実態は違う」といったことをアピールしなければいけません。また応募者数が多いが質が悪い場合は、ふるいにかけるような発信の方法がマストです。
目的を決めることで、よりスムーズな採用広報活動の設計が可能となります。なお以下の記事では、企業のよくある採用課題と、問題がおきる要因、解決方法まで詳しく解説しました。一度目を通すことで、新たな発見があるでしょう。
誰に何を伝えたいかを決め採用コンセプトを明確にする
誰に何を伝えたいのかを詳細に決めることで、企業の採用広報活動に一貫性ができます。企業が発信するメッセージに一貫性がなくなると信頼性が低くなり、採用広報活動の成功に繋がりません。
- ペルソナを設計する
- 「Best/Better/Normal」のフレームワーク
- 企業の魅力を洗い出す
ペルソナを設計する
ペルソナ設計とは求める人物像をより詳細に決める作業です。ペルソナを設計することで、どの媒体で採用広報活動を行うか、どのような内容を発信するのかが決まっていきます。
ペルソナを決める際は、年齢、性別、経歴、年収、保有スキル、居住地、部活、趣味など詳しく人物要件を決定していくことが重要です。
ただし主観的なペルソナ設定は、第三者の意見やデータを参照しながら行いましょう。人事や採用担当者の主観で行うと、現場との意見が合わずミスマッチに繋がります。また理想が高い条件だと、市場から見つかりません。
候補者の傾向、市場の状況、求めるポジションなどにより定期的に修正をしましょう。
「Best/Better/Normal」のフレームワーク
ペルソナに100%当てはまる人材はまずいないため、採用要件を「Best(最高条件)」「Better(優良条件)」「Normal(通常条件)」の3つに分類するフレームワークを使用することがおすすめです。
採用条件を箇条書きにして、それぞれ分類していきます。
Bestが〇件以上、Betterが〇件以上、Normalが〇件未満であれば採用など、事前に定めましょう。
企業のポジションを理解し魅力を洗い出す
企業の魅力を洗い出します。企業の魅力を考える際に自社のみで考えると取りこぼしが発生する可能性が高いため、競合他社と比較して考えることがおすすめです。社風、取り組んでいる課題、制度、企業理念、業務内容などあらゆる視点から魅力をまとめます。
おすすめのフレームワークは、①企業理念、②人・文化、③事業・業務内容、④働き方・待遇の4つの観点からまとめる「4P」です。
他社にはない自社の強みを理解することで、採用広報活動は成功に近づくでしょう。
コンテンツを作成する
採用コンセプトが明確になったらコンテンツを作成します。使用する求人媒体、ビジネスSNS、動画サイト、SNSを策定して、市場を調査したうえでコンテンツの内容を考えていきましょう。
ビジネスSNSなどテキストのコンテンツは、比較的コストが低い傾向があります。ただし動画のほうがイメージが湧きやすいため、使い分けが重要といえます。
- コンテンツを企画する
- NOTEやWantedlyを活用する事例
- SNSや動画コンテンツを使用した採用広報の例
コンテンツを企画する
X・Instagram・YouTube | ・若者が利用している傾向が高い ・カジュアルな投稿をメインに行いブランディング ・転職潜在層へのアピール 【利用例】興味を持った人向けにオウンドメディア等へ誘導 |
ビジネスSNS | ・転職やキャリアアップを考える層にアピールが可能 ・転職潜在層/顕在層とのコミュニケーション ・ライトなSNSよりもより就職を考える人材にアピールできる 【利用例】自社の社風や魅力をよりビジネス向けにアピール |
オウンドメディア (採用情報公式HP) | ・求職者向けの採用条件等を掲載 ・採用フローを公開してよりイメージを持ちやすくする ・社員インタビューを公開してよりイメージを持ってもらう 【利用例】SNSから流入した人向けに本格的な企業説明 |
コンテンツを企画する際は、どの媒体が自社に最適なのかを考えます。例えばペルソナ設計で大学生を設定した場合は、Instagram、YouTube、Xなどの大衆向けのプラットフォームを利用するなど、方向性を確実にしましょう。
InstagramやYouTubeはあくまでも認知度向上のために使用し、興味を持った人にはビジネスSNSや自社のオウンドメディアに誘導する方法もあります。
まずは各プラットフォームの使い方を決めて、どのようなコンテンツを配信していくのかを決めていきます。
noteやWantedlyを活用する事例
note | ・20~40代のビジネス層が多い ・テキスト投稿が多いため日常的に読み物に触れている人材が多い ・企業コンテンツが好まれやすい |
Wantedly | ・20~30代が7割以上 ・IT人材の登録者が多い ・仕事関連の情報収集メディアとして使われている |
noteやWantedlyなど、大衆向けSNS以外のプラットフォームを使用する際の工夫を紹介します。これらのプラットフォームは、大衆向けSNSとは違い企業の情報を収集したいユーザーが多数登録していることが特徴です。
そのためカジュアルすぎる投稿は好まれず、逆に企業の実態やリアルを知れる投稿が好評です。自社のノウハウを一部公開したり、ワークショップ開催のお知らせや当日の様子を公開することで良い結果が得られるでしょう。
採用イベントの公開を行うことで、応募者数の増加が期待できます。
SNSや動画コンテンツを使用した採用広報の例
SNSや動画コンテンツを作成する際は、メッセージの一貫性と投稿内容の統一性を意識します。
カジュアルな投稿をメインとするのか、データ解析や情報紹介をメインとするのかで運営方法は大きく変化するでしょう。「ドッキリ」や「コント」などのバラエティ路線なのか、データ紹介やおすすめ商品紹介なのかなど大まかなジャンルを決めることで伸びが期待できます。
逆にバラエティと真面目な動画を交互に投稿するなど、ゴチャゴチャにするとフォローする人が減る傾向にあるので注意が必要です。一貫性・統一性を意識した運営をしてPDCAサイクルを回しましょう。
例として、YouTubeの活用した採用広報・広報事例を以下に紹介します。登録者を増やすことで、オウンドメディアへの流入が期待できます。
- トゥモローゲート株式会社|営業に関するノウハウを配信
YouTube:西崎康平 ブラックな社長(@koheinishizaki) - Tomoshi Bito株式会社|社会問題を面白おかしく真面目に言及
YouTube:RICE MEDIA 社会を知る動画メディア(@RICEMEDIA) - ライソン株式会社|カジュアル路線で面白いバラエティ系の動画
YouTube:LITHON (ライソン)公式チャンネル(@LITHONchannel)
KPIを設定する
目標の達成度合いを測るためのKPI(Key Performance Indicator)の設定を行います。KPIは会社の経営理念、考え方、採用フェーズにより異なります。企業の課題をふまえて、納得できる設定を行いましょう。
これらを参考にPDCAサイクルを回し、改善を図っていきます。
- オウンドメディアの月間PV数
- SNSの登録者数
- コンテンツの投稿数
- コンテンツの閲覧数/高評価数/高評価と低評価の割合
- 応募後の歩留まり率
- 内定承諾率・内定辞退率
- 費用対効果(各手段ごとに決める)
- 採用単価
- 定着率・離職率
- 配属後評価
採用広報の成功事例をもとに自社の採用設計をしよう
採用広報の事例の紹介と、採用設計の流れ、コツを解説しました。
採用広報の事例を確認すると、さまざまな企業が自社に合った方法を採用していることが分かります。基本的な採用設計の手法や流れを知り、そこに自社ならではのオリジナリティを加えることで採用広報活動はより成功に近づくはずです。
本記事を参考に、採用広報活動を活発に行っていきましょう。