エンジニア採用市場において、候補者に直接アプローチができる「スカウト」が注目されています。
エンジニアを採用したいがなかなかうまくいっていない、という方やスカウトを検討してみたもののどう活用してよいのか分からなかった方へ、エンジニア採用時のポイントやスカウトのメリットを分かりやすく解説します!
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京都大学卒業後、株式会社リンクアンドモチベーションにて大企業を中心とした採用戦略の策定/実行に従事。現在はサクルートにて様々な企業のダイレクトリクルーティングを支援。
エンジニア採用でスカウト(ダイレクトリクルーティング)が注目されている理由
エンジニアの採用は他の企業でも大変苦戦しているのが現状です。苦戦している理由としては、やはりIT化が進む現代社会の中でITスキルがある人材の数が社会が求める需要量よりも、供給量が少ないからです。
そのように、ITの知識やスキルを備えている人材が企業が求めている数より少ない中、特にエンジニア職の需要が高いのが現状です。
そのため、エンジニア採用の競争が激化しており、他の職種より採用難易度が高いといえるでしょう。企業が求人を公開して応募を「待つ」採用ではなかなか集まりにくいので、企業からアピールをする「攻め」の採用、その中でも「スカウト」(ダイレクトリクルーティング)が注目されています。
エンジニア採用のおすすめスカウトサービス6選
エンジニア採用に強いスカウトサービスをご紹介します。ぜひ、サービスの中から自社にあったものが見つかれば幸いです。
Paiza
料金 | 成功報酬(25%~)※内定者のランクによって変動 |
特徴 | ・エンジニア採用(SEやPG)向け ・応募する人は、プログラミングスキルチェックを受けるため、スキルレベルが可視化される ・登録者63万人、導入実績4000件以上 ・サポートチームがスカウトメール送信対象者を選定し、一斉に配信した後、反応があった候補者の中から企業が選定、スカウトを送信可能 |
Green
料金 | 初期費用+成果報酬(地域一律60~120万円) |
特徴 | ・登録の50%以上がITやWeb系人材 ・全体の約70%が25~39歳 ・プロのカメラマンやライターが記事作成をサポート ・詳細検索でヒットした登録者へスカウトメールが送信可能 |
Forkwell Job
料金 | 公式サイトで非公開 |
特徴 | ・エンジニア採用に特化したスカウトサービス ・登録者数約5万人(そのうち約80%の登録者が20~30代) ・スカウトの開封率は65.2%、スカウトメールの返信率は16.9%! ・スカウトメールの添削などサポートがつく |
LAPRAS
料金 | 公式サイトでダウンロード可能な資料内に記載 |
特徴 | ・登録しているITエンジニアの情報が可視化されているので求める人材を見つけやすい ・スカウト返信率約20%! ・AIが自動で求人票の作成をサポートする機能がある ・スカウトメール作成についてのサポートを受けることができる |
Wantedly
料金 | 毎月定額料金 |
特徴 | ・会員数350万人(20~30代が多い) ・登録者の約50%がエンジニアやデザイナーなどのIT人材 ・スカウト返信率20%! ・1か月の無料トライアル有 |
Findy
引用:Findy公式サイト
料金 | 月額費用+成功報酬 |
特徴 | ・AIを使った求人票採点サービスで、求人票の魅力度を判定が可能。そのため、より効果的な求人票を作成できる。 ・GitHubと連携しており、エンジニアのスキル偏差値が分かる。そのため、エンジニアのスキルを把握可能 ・気になるエンジニアにいいねを送り、マッチングが成立するとスカウトメールを送信可能 |
エンジニア採用でスカウトメールを送信するメリット
求人を出して応募を「待つ採用」ではなく、直接企業側からアプローチをする「攻めの採用」の手法のひとつがダイレクトリクルーティング。ダイレクトリクルーティングの中でもスカウトメールは企業が候補者へ直接メールを送ってアプローチが可能です。求人媒体の中で行ったり、SNSやDMを使ったりなど手段は様々ありますが、本記事では求人媒体を使用している前提で紹介させていただきます。
自社にマッチした人材へのアプローチが可能
求人を出して応募を待つ採用でなかなか自社にとって来てほしい人材から募集が集まらなかった、というご経験はないでしょうか?また、入社してくれたもののすぐに辞めてしまうなどのミスマッチが起こり得ます。
スカウトメールを使用すると自社にマッチした人材へ直接アプローチすることができます。そのため、「このような人と働きたい!」という方を絞り込んでメールを送信が可能。
企業側で感じる、「思った人とは違った」というミスマッチも防ぎやすいといえます。
自社に来てほしい人材へ熱意を直接伝えられる
自社にぜひ来てほしい候補者への熱意を直接伝えることが可能です。特に企業側にとって「あなただからこそ来てほしい」というようなメッセージを送ると効果的。
候補者の目線に立ったときに、「自分はこの企業にとって必要とされている存在なんだ」と感じさせることができたらそれは成功です。
そのため、定型文ではなかなか熱意をダイレクトに伝えることは不可能なので、「なぜあなたが必要なのか?」という具体的な文面が必要になってきますね。
企業の知名度が低くてもアプローチできる
求人を出して応募が来るのを待つスタイルだと、どうしても知名度が高い企業へ応募が集まってしまいがちです。一方、スカウトメールにおいてはスカウトメールの件名や内容が候補者にとって魅力的であればスカウトに応じてくれる可能性が高まります。
自社の企業としての知名度が心配な場合こそ、エンジニア採用を考えている際にスカウトを利用していただきたいです。その際には、ぜひスカウトメール作成のポイントや媒体など検討しながら採用をすすめてください。
【エンジニア採用】スカウト媒体を選ぶポイント
エンジニア採用の際に、候補者へ直接アプローチをするためにスカウト媒体を選びましょう。
使用する媒体の選択を間違ってしまうと、コストを投下したにもかかわらず理想した結果が得られなくなってしまうので注意しましょう。媒体の種類としては総合型といわれるエンジニア採用時以外でも使用するBizReachなどのものや、エンジニアのみを扱う特化型のPaizaやForkwellなどがあります。
その際のポイントを以下にまとめましたので参考にしてください。
自社にとって欲しい人材がデータベースに存在しているかが重要になってきます。
登録人数を聞く
企業は自社が採用したいエンジニアの数に対してどのくらいのエンジニアがその媒体に登録しているのかを聞きましょう。
そうするためにも、自社では何人ほどエンジニアを採用したいのかを事前に固め、採用目標人数に対してどれほどの人にアプローチをする必要があるのかというのを逆算しておく必要があります。
事前にアプローチをする目安人数が決まっていれば、媒体のエンジニアの登録者数を聞いたときに「この媒体でスカウトを実施したい」と決めきれますね。
逆算については、
- 採用したい人数を明確にする
- 面接でどのポイントを確認し、面接の通過率は何%にするか
- 面接は何人と行えばよいか
- 反応は何人からもらえればよいか
- 返信率は何%が目標か
- 何名にスカウトメールを送信したらよいか
といったことを事前に整理しておく必要があります。ポイントはその数値は現実的かどうか?です。一般的には、スカウトメールの平均返信率は10~15%といわれておりエンジニアだとさらに低いという声もあります。ぜひ参考にしてください。
実際に自分で候補者を探してみる
もし、可能であればその採用媒体を導入する前に事前に無料で使用できないか打診し使ってみましょう。そして自分で自社の求人の候補になりそうな人数がどれほどいるのかを検索してみるのがおすすめです。
事前に使用ができない場合は、登録者数は、「最終ログインが1か月以内」の人数であるかどうかを必ず確認しましょう。ログインの頻度は、返信率に大きくかかわってきます。くれぐれも最終ログインが3か月以上前の登録者も、「登録者数」とカウントされている場合もありますのでお気を付けを。
その他にも「書類更新日」や「他社選考状況」といったような、どれほどの登録者がその媒体を積極的に使用しているかという点も意識し自社に合った媒体を見つけてくださいね。
検索順位が下にある候補者のプロフィールもチェック
候補者を検索すると上位に表示されることが多いのは「プロフィールが充実」している登録者。もちろん、プロフィールが充実している方にアプローチをかけていきますが、プロフィールが充実しているということは他社の選考が進んでいる可能性が高いです。
検索したときに下にある候補者のプロフィールもチェックしていきましょう!入力している情報量が少ないがために下のほうに表示されてしまっている状態かと思います。下のほうに表示されてしまっている候補者についても情報が少ないからといって飛ばさず、「詳細を確認」しプロフィールもチェックし、自社とマッチするようであればアプローチをするようにしましょう。
候補者検索をして出てきた人数が、アプローチしたい候補者の人数の3〜4倍程度いるかチェックする
上記のプロセスを丁寧に追っていってもまだ完全な人数を確保はできません。一人ひとりの詳細を確認すると個別な理由によって対象から外れてしまうことがあるからです。
例えば、「この会社は取引先だからスカウトメールは送ることができない」、「求めている経験があるが言語は違う言語がメインだ」などといったエンジニアならではの理由も出てきます。
アプローチする必要がある人数の3~4倍の登録者がいると安心してその媒体を使って、求人活動ができます。しかし、エンジニア採用の場合は、自社がアプローチを必要とする登録者に対して使用媒体の自社が必要としている候補者の登録者数が足りないということがほとんどです。
事前にそのような状況が起こりうることを頭に入れ、複数媒体を使用することも検討しましょう。
返信がしっかり返ってくるか
スカウトメールの返信率をあげるためには、最終ログインが1か月以内かということを前述しました。使用を検討している媒体の担当の人に「登録者から返信がしっかり返ってくるかどうか」という点を聞いてみると良いかとも思います。
それ以外で返信率を自社努力で上げたいという方はこちらで詳しく紹介しておりますのでぜひ参考にしてください。
【エンジニア採用】スカウトメール作成のポイント
ここからは、スカウトメールの作成のポイントをご紹介します。
以下では、エンジニア採用時でのスカウトメール作成のポイントをご紹介します。
エンジニアが求めている情報を盛り込む
エンジニアの候補者の目線で「求めているニーズやキャリアの志向、求めている情報」をまとめましょう。よく求められている情報としては、
- 仕事のやりがい
- 自己成長
- ミッション
- プロジェクト内容
- 成長環境
- サポート体制
- 学習環境
自社のエンジニアにヒアリング
スカウトメールにおいて、具体的な内容を書くと候補者へ安心感を与えることができます。具体的な内容を書くためにも自社のエンジニアにヒアリングをし、専門的な要素も加えましょう。
ここで注意したいのは、知識や経験があった上で書かれてるスカウトメール文であるのかそうでないかは候補者は見分けがつきます。そのため、スカウトメール送信前にはできる限り自社のエンジニア職のメンバーに文面を確認してもらえると良いでしょう。
確認してもらうメンバーは自社にとって来てほしいペルソナに近い人物にお願いするのが好ましいです。そのうえ、「魅力的な情報かどうか」といった軸を意識し、フィードバックをしてもらいましょう。
同じ職種のマネージャーや社長からのスカウトメール
エンジニアの採用の際には特に同じ職種のマネージャーからのスカウトメールだと望ましいです。さらに欲をいえば社長からのスカウトメールです。
それが難しければ、「エンジニア同伴の面談」などを設定するのも効果的です。重要なこととしてはエンジニア職の採用の場合は、社内のエンジニアと話ができるという段階を用意しておくと、採用に結び付きやすいです。
そのようなことは事前に、自社のエンジニアとのすり合わせなどが必要でしょうから、スカウトメール送信前にある程度、ステップを準備しておきましょう。
ペルソナの設定
スカウトメールの返信率をあげるためには、「特別感の演出」が必要です。特別感の演出のためにもペルソナという「自社が求めている人材を年齢や性別、住んでいる場所、志向性、趣味やライフスタイルまで詳細に落とし込んだ人物像」を詳細に描いてみましょう。
ペルソナは2~3人物、用意していると良いと一般的にいわれています。ペルソナを準備すると候補者の目線が分かりやすくなり「どのようなスカウトメールを送ればよいか」のPDCAを回しやすくなります。
候補者に対して「あなたに自社に来てほしい」という想いを、定型文にならずにラブレターを書くような気持ちで熱意を表しましょう。
自社の開発の環境とカルチャーを明確に
自社の開発においての技術面の情報開示は必須です。その上で自社のカルチャー情報を添えましょう。
- プロダクト開発内容だけではなく、なぜ開発をするのかという「想い」も添える
- 自社の社内においての技術者のミッション・役割
など入社後のイメージがしやすいように具体的に明記しましょう。候補者にとって「カルチャーフィット度合が高い」と感じてもらえれば、返信率は高くなります。
そして、カルチャーフィット度合が高い候補者が入社をしてくれれば、その後会社にも溶け込みやすくなる可能性が高いため、自社の開発の環境とカルチャーは「明確に具体的に、そして魅力的に」書くよう意識しましょう。
カジュアル面談から接点を
スカウト自体の目的は、もちろん候補者を「採用すること」。ですか、前述のとおりエンジニア採用は難しいのが現状です。
そのため、今すぐの転職は考えてはいないがいずれは転職したいなどと考えている、転職潜在層に向けてアピールし、ファンづくりをしましょう。その目的としては、候補者が転職を意識したときに自社が候補になることです。
カジュアル面談やエンジニア同伴面談だと、最初から「面接」というよりもハードルが低く参加してもらいやすいため、カジュアル面談から候補者から接点を持っておきましょう。
参考資料などの情報の添付
スカウトメール文の限られた文面では、伝えたい情報も伝えきれないかと思います。その際にぜひ効果的に使っていただきたいのが、「参考資料などの情報の添付」です。
具体的には、メール文末に「技術スタック」や「参考URL」を添付します。そこでは候補者にとって、欲しく・魅力的な情報を先に提示しましょう。URLのリンクを貼るのも効果的です。
自社がなぜその言語や記述を使っているのか、技術へのこだわりた技術への開発や想いを発信することで、その技術を選んだ理由が明らかとなり、自社の魅力を訴求するのに役に立ちます。
また、スカウトメールの書き方に悩んだ際には、こちらの記事も参考にしてください。スカウトメールの書き方のポイントをさらに詳しくまとめています。
昼か夕方にスカウトメールを送信する
スカウトメールは、13~14時と17~18時に閲覧されやすいことが分かっています。仕事のお昼休憩中や退勤後の電車内で見られるためだと考えられるでしょう。
そのため、朝や夜の時間帯に送るのではなく、昼か夕方に送信する方が開封率・返信率が高くなりやすく、結果として効率的な人材の獲得に繋がります。ただし、あくまでも一般論であるため、開封率や返信率が芳しくない場合は、時間帯を変えて試してみるなどの工夫をすると良いでしょう。
アクティブな登録者を優先してスカウトメールを送る
スカウトサービスに登録している人の中には、登録はしたもののあまりログインしていない人も少なくありません。効率的に採用を進めるためには、アクティブな登録者に優先的にスカウトメールを送信するのがおすすめです。
「最近登録した会員は転職意欲が高いのでは」と考える人もいますが、少し興味があるというだけの理由で登録した可能性もあります。そのため、登録した時期よりも頻繁にログインしているかどうかを基準に送信先を選定すると良いでしょう。
経験・スキルなどを細かく絞り込みすぎない
サービス内でスカウトメールを送る相手を検索する際には、経験やスキルなどを細かく指定し過ぎないほうが良いです。なぜなら、サービスに登録してはいるものの、経歴やスキルなどの情報を入力していないユーザーも多く、ヒットしない恐れがあるためです。
優秀な人材と出会うチャンスを失わないためにも、大まかな条件で検索をしてスカウトメールを送ることをおすすめします。
まとめ
エンジニア職の採用は、求人を出して待っているだけではなかなか難しいものです。そのため、ダイレクトリクルーティングのスカウトを効果的に使って、攻めの採用を積極的に行っていきましょう。
エンジニア職の求人だから、気をつけたいスカウトの特徴もあります。
などぜひ参考にしてください!
本記事を参考に、より質の高い採用と優秀な人材の確保をしていきましょう。ただ、なかなかどのサービスを選んでいいのかといった不安やちゃんとコストに見合ったパフォーマンスがあるのかといった不安がありますよね。